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記事No.1156に関するスレッドです

アリエン星人の話。 / 淳吉郎
9月13日の土曜日、ボクが大好きなバンド、シーナ&ロケッツのライブを観に日比谷野外音楽堂(通称;野音)へ行った。
この日は結成35周年を記念するライブであり、7月に発表された新作『ROKKET RIDE』のレコ発ツアーの一環でもあったんだ。
客席は全席自由。これは鮎川さんの希望との事。野音をおっきなライブハウスのように考えられたのでしょうか。

ライブに行って楽しみなことがいくつかあります。
並んでる最中のお客さんの観察とかね。年齢とか顔つき(ヘヤースタイルを含む)とか着てるファッションとかをチェックするのさ。
並んでるみなさまの年齢は増々(ましまし)な感じだった。そりゃそうさ、結成35周年のバンドだぜ、今日ライブすんのは。
数々の顔面に刻まれてるシワだって俺には五線譜のように見える。みんないろんな経験を積んでんのさ。恋した数だけラブソングがあるように。体験した数だけブルースがあるように。
初秋とはいえ、まだ暑い。Tシャツを着てる人が多かった。ロケッツやサンハウスはもちろんのこと、ストーンズとかフーとかキンクスとかラモーンズとか、なかにはアロハ・シャツみたいな柄シャツを着てる人までも。
今回は公園でのカーニバルです。東京での、この時期のカーニバル、特に蚊には気を付けなきゃな。ぼくたちみんな、シューシューと虫よけスプレーを地肌に散布したんだ。

ライブに行って楽しみなことのうちサイコーに楽しみなのは一曲目がどの曲だろう?ってこと。
ステージのライトが落ちました。野音のスピーカーからはロケットの発射音。そうです、ロケッツのライブが始まるんだ。カウントダウンです。
スリー・ツー・ワン、ゼローっ!

一曲目は新作『ROKKET RIDE』7曲目収録“Madness City”だった。
この時点で「なんか今日は特別な日になりそうだな」って気がした。だって一曲目に新作からの曲を使うのはボク自身が経験した今までのロケッツ・ライブの中でも初めてのことなんだ!
鮎川さん(Vo.&Gt.) 奈良さん(Ba.) 川嶋さん(Dr.) のスリーピースで数曲演奏後にシーナさん登場。
そこからは12曲収録の新作における残りの11曲を演奏。過去の名曲をいっさい挟まずに、です。
「うわぁ!ありえん!ありえん!ありえんよ!新曲ばっかのこんなライブ!」
感極まってるわたし。そんなわたしは、あたかも、自分の世界だけが正しいと思って他人の意見を取り入れようともしない現代文明が産んだ不幸な産物;アリエン星人になってしまったかのようだったんだ。ホントだぜ。

新作からの曲を終えた後は名曲のオン・パレード。
1981年発表の“ピンナップ・ベイビー・ブルース”演奏中、シーナに合わせて大声で唄いながら後方の通路から歩いてくる野郎がいた。
そうさ、今日は全席自由なんだぜ。野音はでっかいライブハウスさ。好き勝手に座席移動ができるんだ。
大声野郎はボクの地元:浜松での長年の仲間であり、個人的には最大のライバルであり、浜松で唯一、ロケッツに対しての気持ちや思いを共有できる男、フクちゃんでした。

フクちゃんは浜松を代表するパンク・ロックンローラー。着てるTシャツをすかさずチェック。80年代初頭の英国ハードコア・パンク・バンド;DISORDERのTシャツだったのさ。
ロケッツのライブにはいろんなお客さんが来るんだ。そーゆーバンドなんです。もうサイコーっ!

でっかいライブハウスでのロケッツ・ライブが終わった。
ボクは何回、涙を流したんだろう。

歳を喰ったら涙腺がゆるみやすいだって?
そーかもしんないが、そーでもないかも。
素晴らしい出来事を敏感にキャッチできるようになった。
今回はそーゆーことじゃないかな。

B.G.M.「LOU REED/LEGENDARY HEARTS」

写真は今回の物販で買ったワーク・シャツ。
ベスパにも似合う気がするけど。

No.1156 - 2014/09/15(Mon) 21:13:07