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記事No.1159に関するスレッドです

ファンブラーズ。 / 淳吉郎
☆テレビの画面に映ってる世界っつーのは、「向こう側」って感じがします。“リアル”じゃなくって“リアリティ”みたいな。たとえ生放送だったとしても。
「出演してる人ってのは普通の人じゃないよね」とか子供の頃、思ってて。一般人じゃなくスターが出てるんだ。それはテレビ機器自体が現代の液晶薄型タイプじゃなく、ブラウン管使用の奥行きのあるゴツイ形状だったせいかもしんない。
「きっとあの箱の中には魔物が住んでるのさ」って。

☆15歳の時にギターを買った。まだバンドを演りたいなんて発想はなくってね。ギターを弾きたいって気持ちだけだったの。んでTHE MODSの1stアルバムの曲で練習を始めたんだ。
当時、静岡県内のみの放送局でアマチュア・バンドの演奏を放送する番組がありました。『バリバリG7』。日曜日の午前11時からの30分番組。毎週見てた。

☆ある日、モッズの曲を演るバンドが出演した。すごく上手くて。カッコよくって。メンバー全員、ツッパリの雰囲気ビンビンだし。「スゴイなあー」って。決定打は浜松のバンドで、しかも自分とおんなじ年齢だったって事!
ブロンドという名のバンド。特にGt.&Vo.を担当してる人はボクのあこがれの存在になりました。

☆数日後、行きつけの楽器屋に遊びに行った時、店員にブロンドの話をすると、彼らの練習場所はその店だというんだ。わおっ。
数か月後、その店でGt.&Vo.担当のHくんと遭遇した。ドキドキしてね「あ、こ、こ、こんにちは」なんて。
だって彼は高校生なのにバンド活動でテレビに出てるんだぜ。
きっと、あの箱の中で魔物との取引きを経験してるんだ。

☆知り合いになれたけど近づけない。そんな存在。
ブロンドはオリジナルを演るようになり、数年後、上京した。
東京で何年か活動した後、彼は浜松に戻ってきた。

☆20代の後半頃か、共通の友人の結婚式のパーティ・バンドで一緒に活動できる機会に恵まれた。うれしくってね。
歳を喰うとヒトは丸くなる。ぼくらは年齢がおんなじって事もあって普通に会話をするようになった。
パーティ・バンドが終わった後も、たまーに電話が掛かってくるようになった「おう、ジュン元気か?」って。2年に1回ぐらいの割合で。

☆今年の7月に電話があった「おう、ジュン元気か?」。
4人バンドで活動をしてるけどリード・ギターが抜けたらしい。
「こんどスタジオ遊びに来いよ」。

☆ロカビリーの要素を持ったバンドだった。いきなりその場で4曲ぐらいを合わせて。
「また遊びに来いよ」「ああ行くよ」。

☆流れの中で2回ほど彼らのライブにも参加することになりました。3曲ぐらい弾くのよ。
10月18日(土)に浜松市のON THE ROAD、12月7日(日)に浜名湖弁天島のConny Cat’sです。
バンド名はFumblers。ファンブラーズってんだ。
さすが彼はプロを目指して上京しただけあってバンドの練習のやり方がボクのバンドのやり方とは違うのね。それがすごく勉強になるし楽しい。

B.G.M.「ボブ・ディラン / 廃墟の街」

写真のタイトルは「テレビの上から」。ブラウン管サイコー。液晶薄型のテレビじゃネコは乗れないぜ。

No.1159 - 2014/10/04(Sat) 15:29:27