☆5月某日。勤めてる会社の運動会。 毎年開催してるわけじゃなく今回が初開催。どーやら“部署を超えた社内のコミュニケーション・アップ”が目的らしく。国際的な某イベント『参加することに意義がある』なんつー考え方をこれっぽっちも持たずにわたしは参加した「あ、そうですか〜はいはいはい〜」ってノリで。やる気ゼロ(笑)。
☆2週間前に『参加を希望する種目は』『学生時代に所属していた部活は』『競技に影響のある持病をお持ちですか』等々のアンケート項目がある用紙が配布された。 なるったけ、めだつ競技には参加したくない(だって俺がめだちたい場所はライブハウスのステージの上だけなのよーん)。だから団体競技、綱引きとか大玉送り、とかに○をつけた。 学生時代はもちろん通称:帰宅部だったし。家に帰ったらエレキ・ギターを弾いてたし。だけどもボクはマジメだから。しっかりとアンケートに記入した「学生時代はロックンロール研究会;パンクロック班に所属していました」ってね。
☆開催数日前に参加競技が発表された。 なんと、わたしが参加する競技種目は、先日のアンケートで列記されてた中、いっちばん避けたかった種目;借り人競争だった・・・ううぅ。 午前11時過ぎにそれが始まった。幸運な事に3番目の出順だったんで、先に出場する方々に課せられた質問からその質を調査できた。だがしかし、それは、すんごく難しく、ある意味において実にしゃらくせぇ。だったんだ。 あぁ、どうしてボクは選ばれてしまったんだろう・・・。
☆ぱぁーんっ!つってスタート音が発せられた。 全6走者が前方のテーブルに疾走する。俺は前述のとおり、いわゆる“やる気”が氷点下付近なんで。いわゆる“走る南極大陸”付近なんで。ダラダラと全力疾走。 テーブルに設置された紙切れをつかんで目を通す。拙者(せっしゃ)に課せられた設問は『ライバル』だったのじゃ。むむぅ・・・。
☆この連中の中からライバルを選んでくるだなんて。あぁ、どうしてボクはこのファッキンな競技に選ばれてしまったんだろう・・・。俺こそがボーン・アンダー・ザ・バッド・サインだ。 もし俺が“ジョン”だったら。ライバルは“ポール”だったか。“ミック”だったか。もしかして“ディラン”だったか。 もし俺が“ジョー”だったら。ライバルは“ミック”だったか。“ロットン”だったか。もしかして“力石”だったか。 『ライバル』の札を片手においらは客席の方向へダラダラと全力疾走。とりあえず、そこに居た社内屈指のイケメン男を連れて回答場所へ。
☆「あなたが『ライバル』って設問に対しこの人を選んだ理由は?」なんつって回答場所にいる司会者が俺に問うてくる。 「あ、あのぉ、この方はイケメンですし、人格もスバラスィですし、な、なによりも(バンドマン的な、ちょ、ちょっとだけ長髪なおいらに対し)このスポーティーなヘヤースタイル。すべてがわたしと対極な立ち位置にあるからにして、ライバルとして推挙させていただいた次第であります」ってな感じのわたしの対応。
☆翌日は日曜日。 我が家のサンデー・ブレック・フアストはパン食&モカ・マタリ豆挽きコーヒー。 6枚切り食パンにブルーベリー・ジャム。青くさいジャムの匂いを嗅ぎながらパンを喰う俺。メシ喰うな。メシ喰わせろ。 昨日の己(おのれ)の所業に思いをはせる。 「おまえは『ライバル』なんつーセンスのかけらも無い設問に対しとりあえずの対応をしてたなあ」 「いや、いや、とりあえずなんて、メッソウもございませぬ。あれはあれでふざけてたつもりっす」 「いやあ、ちょっとユーモアのセンスが欠如してるら」 「そうすか」 「俺だったら、誰も連れてかねーな」 「?」 「司会者が誰もいないじゃないですかっつーだろ。そしたらキミには見えませんか?って言ってやるんだよ。わたしは過去の自分を連れてきました。彼がライバルです。わたしは常に新しくいたいんだ。全盛期の楽曲しか演奏しねぇどこぞのバンドとは違うんだよう」 ちくしょうと思った。土曜日に戻りたい。あの競技の瞬間に戻りたい。このフレーズを連中の前で披露したい。 お?なんか俺、運動会、めちゃくちゃ、やる気になってるぞ。でも、もう遅い。
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今週末の予定が急遽決まりました。 浜松のライブハウス;ズート・ホーン・ロロが開店5周年。 6月11日(土)の5周年ライブ・イベントでDJやります。 19:00開場かな。
みなさん、来てね〜。
B.G.M.「SIMON AND GARFUNKEL / THE BOXER」
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No.1258 - 2016/06/06(Mon) 23:03:47
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