15歳の時、初めてザ・ローリング・ストーンズを聴いた。 通い始めた高校のクラスに「お姉さんが洋楽ファンなんで自分も聴くようになった」って言う青年がいて。彼はストーンズの1981年のアルバム「TATTOO YOU」とツェッペリンの1979年のアルバム「IN THROUGH THE OUT DOOR」を46分カセット・テープにそれぞれダビングしてくれた。 お返しにぼくもクラッシュとピストルズをダビングして彼に渡した。
ミック・ジャガーの声を初めて聴いた。「ねちっこいなあ」って思った。 ヒトが奏でる声音というのはさまざまなシーンを脳内の銀幕に浮かび上がらせると思います。 ジョー・ストラマーの声だったらわさび醤油。ジョニー・ロットンの声だったらオタフクお好み焼きソース。だとすれば、ミックはからしを混ぜた納豆みたいな感じか。ってか全部、食卓上じゃん。ドクター・フィールグッドのギター弾き:ウィルコ・ジョンソンのギター音だったら日本刀で大根をパサッって。んで、そのまま、まな板までまっぷたつ、みたいな。また食卓だ。 声音がいつか見た食卓の上の風景や映画のワンシーンをプレイバックするんだ。馬鹿にしないでよ。そっちのせいよ。 まるでマジックみたい。でも確かなこと。
職場での業務上、たくさんの関連会社とのやりとりにおいて、担当者の方々とメールや電話で連絡をしている。 先日の午前9時頃、某社の某女性より「退社のご挨拶」というメールが届いた。「えーーーっ!?」衝撃を受けた。 この風景を見たビンセント・ヴァン・ゴッホが『寝耳に水(ロックンロール・ギター弾き職場編)』ってタイトルで新作を描き上げたとしたらどうだっただろう。彼のその最新作を見たとき、彼が見せるその絵の具の匂いに、ぼくはただただ泣いていたんだ。きっとそうだったに違いない。おそらく。確実に。
彼女のメールはショックだった。日々の業務におけるメールでの文面や電話口での話し方など、彼女がかもし出す雰囲気、それが好きだったんだ。 そのメールは「あなたとは、もうこれっきりなんです。さようなら」って事を意味していた。ちくしょう。ぼくはミック・ジャガーのヒマラヤ山脈級なぶ厚い唇よりも数千メートル以上うすっぺらな自身の下唇をそっと噛んだ。 そうするしかなかったのさ。
その日の夕方、なんとその女性はわざわざ我が職場に電話をしてくれた。やっぱり律儀な方だなあ。 業務上関連のある数人の同僚の後、最後はぼくが電話での応対に登場。ジャジャーン。彼女が最後に指名したのがぼくだったってことね。チャンチャカチャーン。 ホントに彼女にはいろいろお世話になったり、お世話したり、だったから。いろいろ会話した。そして、最後にこう伝えた。 「実はキミのファンだっただに、俺は」 「あ、わたしもジュンさんのファンでした」 ぴゅ〜〜〜〜〜〜つ。 わたしはデスクを離れ、上空に向かって、幸せロケットマンとして旅立ちました。ハート型の噴煙を残しながら。 もう仕事なんてどうでもいいんだ。
彼女とは業務上で10年以上のつき合いだったが、打ち合わせ等で実際にお顔を拝見することは一度もなかった。そう、ビジュアル面においては想像するしかない人物だったんだ。ファンなのに。 でも大丈夫。多くの場合、その人はその顔つきとか、その心持ちとかに付随した“その声”を奏でてるから。きっと彼女は“そんな顔つき”なんだろう。ぼくが想像するとおりの。そう思ってます。 だって、声しか知らなかったミックやジョーやロットンの顔を初めて知った(見た)とき「あぁ〜やっぱりなあ〜」って納得したじゃん。あの感じさ。
B.G.M.「シオン/俺の声」 昨年発表されたシオン・デビュー30周年記念のベスト盤から。 おなじ浜松に住む長年の友人が先日、プレゼントしてくれた。ありがとう! シオンの声や唄を聴きながらなにかをしてると「あ〜〜〜もう全部あとまわしでいいじゃん!」って気持ちになり、作業がはかどらなくなります。
☆★☆★☆★ ザ・スリックスの次のライブです。 フライヤーのデザインがすべてを物語っているでしょう、この日は。 声から想像つく顔つきがあるようにね。 みなさん、よろしくです!
MODERN PLOT vol.12 10/14(土)浜松キルヒヘア 開場18:30開演19:00 前売2000円 当日2500円(1D別)
BEATSEEKER The lostnumbers(福山) THE ZIP(大阪) The SUE Swerve THE SLICKS
DJ: F山(PHONOSICS) MIYAKEN
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No.1342 - 2017/10/10(Tue) 20:18:28
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