[ 掲示板に戻る ]

記事No.1356に関するスレッドです

月とか星にまつわる話 / 淳吉郎
♪一ヶ月の間に2度目の満月をブルームーンって言うんだって♪
そんな唄を聴いたのはいつだったろう。でも、その唄のおかげでブルームーンって言葉を知りました。生まれたばかりの月は15日間で満月になって15日かかって元に戻るから、一ヶ月で2回見れるのはラッキーって事なんだろう。そりゃあそうだ。できればぼくのお給料も一ヶ月に2回支給してくれるといいなあ。青い月みたいに。たまにだけでもいいから。

どう転んでも、どう斜め方向に走り抜けても、どう鉄棒でさか上がりを連続69回まわったとしても、ぼくのお給料は月に一回。そっからお小遣いが月に一回。ギブ・アンド・テイクの見本さ。コール・アンド・レスポンスのなれの果て。ミックがスタジアムのステージの先っちょで腰を振ってる50メートル後方でキースが中腰でテレキャスをかきむしってる風景。それにもちょっとだけ似ている。か。
お小遣いはレコードを買ったり、ライブを観に行ったり、お酒を飲んだり、そうやってぼくの身体の一部にすべてテンカ(添加or点火または転嫁もしくは転化)されます。

音楽に目覚めた小学生の時代はお小遣いで600円のシングル盤を買うのがようやっと。中学生の終わり頃は2500円のLPレコード・アルバム盤を1枚買うのが精一杯。そしてある日、輸入盤が1280円で売ってるのを店先で知って驚愕「なんで外国製なのに安いの?」なんて。
やっとこさ買った1枚がレコード盤の重量よりももっともっと重たい時代でした。

16日(土)は浜松キルヒヘアにライブ観戦。
名物企画『上空の中村』。出演順に、にわかあめ、トンガラカス、ラブラブフォーエバー、STACRU、TRES、BEATSEEKER。DJはHimitsuSyounen、Mum。
冬の夜空を彩(いろど)る打上げ花火とはこの事だろう。見たことないけど。冬の地平一面に咲きほこるヒマワリ畑とはこの事だろう。見たことないけど。うわさの定食屋でうわさの具だくさんな真冬の冷やし中華とはこの事だろう。喰ったことないけど。でも、俺はその日、たしかにそれを見たのさ。それを喰ったんだ。そんな気がした。
出演のみなさん、DJのおふたり、企画の中村さん、おつかれさまでした。

17日(日)は浜松窓枠にライブ観戦。
ザ・クロマニヨンズの新作『ラッキー&ヘブン』の全国ツアー。キャパ500人のライブハウスでぼくのチケット番号は470番。番号順に入場したけど見事に最後尾だった。あんましこーゆー体験もないし、まあいいらって感じ。入場してもやっぱし、ぎゅうぎゅうな会場の一番うしろ近辺。ライブが始まった。ぼくはそんなに背が高くないから、ヒロトやマーシーを始めとするメンバー4人はまるで真夜中のドライブ中に見え隠れするセンターラインのようにぼくの視界の中に存在していたんだ。
ハンドルを握りながらフロント・ウィンドウの向こう側にある“あの星”に近づこうとアクセルを踏み込むドライバーのようにぼくはステージ上の4人を見つめ続けたのさ。

ふと横を見るとぼくよりも背の低いコが身体を揺らしてノッていた。ライブ中の暗い客席。男のコか女のコかはわからない。でも、明らかに中学生だろう。今までのブルーハーツ〜ハイロウズ〜そして現在のクロマニヨンズにおけるわたし個人のライブ体験上、そんなキッズがライブに来ているのは何度も目撃しているんだぜ。「もしかして俺の時代とおんなじようにお小遣いのすべてを使ってCDを買っているのかもしんないな」「おまえはロックンロールを選んだのかっ!よしっ!」「学校で会話がはずむヤツいるかい。ひとりかふたりはいるんだよな」だなんて、俺はひとりでうれしくなっちゃうんだよう。

サイコーなライブが終了し客電が点いた。中学生なのにロックンロールに取りつかれた最高すぎるそのコにインタビューしようと思ったの。そうさ、知らぬ間に俺はそのコのファンになってしまったんだ。緊張しながらお顔を拝見しました。そしたら30歳前後の小柄なお姉さんだったんだ。WOW!もちろんお幾つでもすばらしい。あなたの職場でロックンロールに反応するヒトどんだけいますか?だもんね。けど、ぼくはロックンロール女史と会話をせず出口に向かって歩を進めたんだ。だってそうだろ。ライブ後のビールが早く飲みたいだけなのさ。トゥルルル。

B.G.M.「シオン/今さらヒーローになれやしないが」
☆★☆★☆★
ザ・スリックスの次のライブです。

-modernedge enterprise presents-
1/13(土)浜松キルヒヘア
開場/開演18:30
前売/当日 ¥2000(1d別)

SUNSET BARIQUANDS
HAZAN
SWERVE
THE SLICKS

DJ:MASA68

写真は静岡のライブハウス騒弦のオーナーでもある針谷さん率いるSTACRUの音源。
深夜の遊園地のような音楽。星空の下、ゆらゆらと光をまとった天使たちがメリーゴーラウンドしてる風景。土曜日のライブを観てビツクリしたのは、今までぼくにとって針さんってハードコア・バンドでギンギンのギター弾いてる姿だったのに、全っ然っ違うスタイルだったことと、その音楽が極上にポップだったってことなのです。終演後にインタビューしたら「もともとこういうのが好きなんです」って言われた。他人の話なのに、どういうわけか、うれしかった。

No.1356 - 2017/12/19(Tue) 20:44:07