昨年8月末と10月中旬に生涯初、そして2回目となる体験、内視鏡検査(通称:胃カメラ)を病院で施術。初回の時のことは当時の投稿文でもあらわした。通う病院は麻酔で眠らしてから検査をするスタイル。まったく無痛なのだ。 初回時は胃かいようの存在が胃壁2ヶ所に発見され、ピロリ菌も♪ぴろ〜りぴろり♪とハイ・トーンで唄いながら胃フィールド内をクネクネと徘徊している。そんな診察結果だった。処方された薬は1週間の禁酒をともなう強力薬でピロは無事に除去できた。けども、知らぬ間にそれは復活することもあるらしく。10月の再検査の時、年明けでの再々検査を勧告された。先生が2月のカレンダーを開くと「あ、この日にします」ぼくは14日のわくを人差し指で押さえた。仕事を休んで自分自身のことに没頭できるのに2月14日はうってつけの日。突破するのにうってつけの日。
当日は朝、開院してすぐの午前8時半から検査はスタート。もう2回体験してるから慣れたものさ。ポトンポトンと落下する点滴液を見ながら診察台に昇り左向きに寝そべる。目の前には検査で使うOA機器。スクリーン・セーバーっつー機能なのか、たくさんの熱帯魚がさまざまな色合いで青っぽい水中の中をひゅるりひゅるりと泳いでる動画が放映されている。 「はぁ〜世界には実にいろんな魚がいるものだなあ。見ろよ、あの魚、形が崩れた目玉焼きが泳いでるみたいじゃんか。そーいえば先日、100均で《必ずできる!丸い目玉焼き作成》みたいな用具が置いてあったっけ。世界は広いし、海は深い、富士山は3776メートル、100均にはアイデア商品が山積み、だもんな」。 機器の四角い画面は、軍事パレードで行進する兵士たちのように無表情のまま映像を垂れ流し続けてる。
「はい、それじゃあ中村さん、お待たせしました、始めますね」 「あ、先生、よろしくお願いします」 「はい、マウスピース噛んでくださーい。麻酔を入れますね〜」 【眠れないときはヒツジの数を数えて眠る】と昔から聞かされてきた。ぼくはロックンローラー。他人とおんなじことをするなんて、まっぴらゴメンさ。「え〜っと、熱帯魚が1匹、2匹、3匹・・・おいっ!てめぇ!3匹目!おめぇだよ!おめぇ!赤いヤツっ!ちょろちょろ泳いでんじゃねぇ!このヤロー!こっちは数えてる・・・さい・・ちゅ・う・・・・・・zzz」
「は〜い、中村さん、起きましょうね」 「あ〜〜〜ありがとうございます。あ、ちょっとフラフラしますね、まだ」 「気をつけてくださいね。では、ちょっとこちらに座ってください。これが今回の写真です・・・ん?・・・」 「先生・・・ど、どうかされたんですか」 「ん〜〜〜」 「?」 「ここを見てください、中村さん。アルファベットのようなものが写ってます」 「は、ふんとだ」 「左がW…これはIに見えるけどLだな、きっと、…んでここが、S…A…TでRか、最後がF、だね」 「W・L・S・A・T・R・Fですか・・・」 「初めて見ました、こんな症状。要チェックです。1ヶ月後に再検査しましょう」 「またやるんすか!」 「しょうがないですね。でも、このアルファベット、なにかの暗号のようにも見えるし・・・」 「あ、あの、先生、もしかして、ぼくが世界で最初の患者になると、ぼくの名前が付きますかね・・・付きますよねっ!センセーっ!」 「いやいやぁ〜やっぱり発見したわたしの名前かな〜」 「あ、先生、ちょっと今、微笑んでましたよね、ねぇ」 「いややや、そんな事ありませんよ・・・」
ニャァ!いきなり耳元でミックの声。「ジュンちゃん、起きるに。今日は胃カメラだら」。家内の声だ。 あ、そうだった、今日、2/14は3回目の胃カメラの日。昨夜は夜9時以降、飯も喰ってないし酒も飲んでない。今朝は朝飯抜き。Tシャツはシーナの絵柄、その上の長袖はターゲット・マーク模様、ラコステのパーカーを羽織って、リーバイス606の黒、靴はドクター・マーチン。 ぼくは徒歩10分弱の超近距離にあるクリニックに向かって午前8時15分に玄関を出発したのさ。
B.G.M.「シーナ&ロケッツ/女・バタフライ」
胃壁にW・L・S・A・T・R・Fの文字。病名は、 『WE LOVE SHEENA AND THE ROKKETS FOREVER』 で決まり!
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No.1370 - 2018/02/14(Wed) 17:37:06
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