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記事No.1371に関するスレッドです

某日日記 / 淳吉郎
☆2月某日
10年以上使っている腕時計がこわれた。円形の盤面に1から12までの数字、その上をクルクルとまわる秒針、分針、時針の3つの針。いつでも、どこでも現在時刻をおいらに教えてくれてたアナログ・スタイルな腕時計。それがこわれてしまった。演奏後に「サンキュウ、サンキュウ、サンキュウ」と観客に対し3回もお礼を言っているライブ盤『D.T.K.』でのジョニー・サンダースみたいにぼくも「今までありがとう、ありがとう、ありがとう」と腕時計に対しお礼を言った。日曜日の夜に放送されていた映画番組の終了間際に「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」って言っていた淀川長治さんみたいにぼくもお別れの言葉を3回くりかえした。大切なことは3回くりかえさなきゃいけないのさ。死んだおじいちゃんの遺言です。お気に入りの時計だったのさ。

☆2月某日
新しい腕時計を買いに出かけた。ネット販売ではなく、ぼくが幼少の頃から営業している実家近所の時計屋へ。現代では携帯電話やスマートフォンを時計代わりに使用してるヒトが多いと聞く。そんな時代の流れのためか、以前よりも店頭販売アイテム数が減っているように感じた。残念だ。個人的には腕時計もファッション・アイテムのひとつと考えている。なのでデザインが最優先。少ない店頭在庫の中から、なんとかひとつを選んで購入した。店主や奥さんとあれやこれやのよもやま話をしながらのひととき。それはまったく楽しい時間であった。時計屋なのに時間を忘れてしまうぐらいに。

☆2月某日
開催中のオリンピックでニッポン選手が金メダルを獲得した。4年前の大会に引き続き連続での受賞は66年ぶりの快挙とのこと。翌日の新聞で彼に関するいろいろな話を知ることができた。なかでも興味をひいたのが彼は小学2年生のころから「研究ノート」を書いてるということ。上手くいった時や、そうでなかった時のことを記録してそれぞれの共通点を絞り込んで自分が求めるすべり方に近づいていったらしい。そういえば、ぼくらバンドマンもスタジオ練習を録音したりする。練習当日の帰宅後や翌日に部屋で聞く。「ははあん」とか「ん〜〜〜」とか「うぉ〜〜〜」って声が出る。部屋は感情音声の百貨店みたいになるのさ。そして、ぼくはぼくであって、ぼくはぼくではない。客観的に自分を観察するのは大切なことだと思う。

☆2月某日
本年になって初めての開催となるフクちゃんとの飲みーティング。4年ごとのオリンピックと違って不定期開催だが恒例行事。エイトビートに乗っかる正確なリズムギターもいいけど、ちょっとタイミングはずして♪ギャっ♪って刻み込むカッティングの感じかな、ぼくらの飲み会は。3月20日にめでたく発売開始されるフクちゃんのバンド:PHONOSICSの1stアルバムに関する話題に始まりあれやこれやのバンドや、曲や、バンドが音楽を演ってゆく上での姿勢の話題などなど。ふたりはロックンロールについて語り合いながら、ぼくはそれを心ん中にメモする。それは羽生選手の「研究ノート」にちょっと似てるかもしんない。ぼくらはとっても似ていて。とっても違うから。その違う部分もおもしろいのさ。1stアルバムがすごく楽しみ。

B.G.M.「ROD STEWART/NEVER A DULL MOMENT」
FACESとかロッドのソロ・ワークの時代でギター弾いたり曲を作ってたロン・ウッドって、とんでもない才能を爆発させてると思う。不謹慎な言い方をかえりみずにしちゃうと、ロニーはフェイセズのあとにストーンズに入っていなかったらどんな活動をしてただろう、とも思っちゃいます。

写真、右が旧、左が新。ぶっちゃけ右側の今までの時計の方が好み。でも使ってくうちに「まあ、これもいいかもしんないなあ」なんて、だんだんと染まっていっちゃうんだよね〜人間って。最初に聴いたときダメだったレコードがだんだん聴けるようになるみたいに。

No.1371 - 2018/02/19(Mon) 22:46:50