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記事No.1374に関するスレッドです

HE'S A RAINBOW / 淳吉郎
バンドによっては自分たちの演奏開始直前に音楽を流す。S.E.(サウンド・エフェクツ:音響効果)というやつだ。ライブへの景気づけやお客さんの気分高揚をねらった演出でもあったり。歌声なしの映画音楽が選択されることもある。そこはバンドのセンスの見せどころかもしんない。

京都のバンド、スキマノザラシがぼくは大好きだ。楽曲の多彩さとバンド・アンサンブルの響き方、日本語詞の世界観とその歌声、そしてバンド・メンバーのたたずまい。数年前、友達のお勧めがきっかけでCDをバンドのHPから買った。「入金しました」ってメールを送った翌日に我が家に音源が届いた。あれは絶対に入金確認をせずに現物を(ツアー先の郵便局から)発送してたと思う。そんな人情あふれるアホさも気に入った。

2ヶ月後、京都の老舗ライブハウス:磔磔(たくたく)を訪れ、初めてライブを観た。2時間のワンマン・ライブ。磔磔は近隣の一般市民との共存のなか、ライブ終了時間は午後9時ぴったりというお店です。午後7時ジャストでS.E.が流れ始めた。曲を聴いてビックリした。THE ROLLING STONESの「SHE’S A RAINBOW」だった。バンドが持ってるその“センス”に完全にやられた。ライブ自体もすさまじい内容だった。曲が多彩だから聴いてて飽きないんだ。春夏冬って感じ。はい、すんません。

バンドの活動はインターネットSNS上でアップされ続けたし、ぼく自身が実際にライブを幾度か観ても「こりゃスゲぇな。早く3枚目のアルバム聴きたいな」って感じだった。おそらく多くのスキマ・ファンがそうだったと思う。そんな中、昨年2月終わりに悲しい知らせが届いた。リード・ギターでありバンマスのイトちゃんこと糸魚川さんが急逝された。バンドは活動を止めた。

昨年の秋口に浜松の友人から「スキマが磔磔でライブを演るらしい」というメールを受けた。そうか。そうなんだ。いいじゃん。そう思った。

先日、3月10日(土)はスキマの通算66回目になる磔磔ワンマンだった。500人近い満員のお客さんだった。ぼく自身がいろんな思いを胸に京都へ訪れたように、全国各地のスキマ・ファンがそれぞれの思いを胸に集まったんだと思う。午後7時になった。シーズ・ア・レインボウが流れ始めた。いつもとおんなじさ。

アンコール2曲を含む2時間ぴったりのライブだった。「えっ!?もう終わり?2時間経ったの?」って感じ。そうさ、誰かが小細工(コザイク)をして磔磔と近隣の一般市民のみならずニッポン全国の時計の針を、ちょっとばかし後ろにずらしときゃ、もう数曲、俺たちはスキマを聴けたはず。イトちゃんはいなかったけど、そんな気持ちにさせるようなスキマノザラシがいた。たしかにそこにいた。圧倒的なライブだったんだ。

虹の橋を渡って1年を過ぎた彼はどんな気持ちでこの日のライブを聴いていたんだろう。ぼくに言えることはたったひとつ。イカしてるくせに、いっつも酒を飲んでて、だけどライブ前は絶対に酒を飲んでいない、音楽絶対主義の男。
ヒーズ・ア・レインボウ。

☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックスの次のライブです。

〜 AVANTI presents 〜
2018年4月21日(土)
☆豊橋市二川 AVANTI
☆open 18:00/start 19:00
☆前売 2,000円 当日 2,200円(共に1drink付)
☆出演
KYOW-YA
MACA
THE SLICKS

写真は昨年末から今年になって読み終えた会社の昼休みでの読書本。
友人が経営する浜松市浜北区のフェイバリット・ブックスLへ昨夏訪問したときに「あまりにもスタンダード過ぎて読んでなかったけど、この際だでいいら」つって購入。やっぱりスタンダードって、読み続けられる(レコードだったら聴き続けられる)理由があるんだな、って思った。素晴らしかった。でも、野坂さんの小説って戦争という出来事に対する強烈なメッセージを感じるんだけど、出版社が帯に書いてる「感動をありがとう」ってなんだよ、って思いました。“感動”って単語の引用方法ね。ぼくだったら「言葉を失うストーリー」って書くかもな。

No.1374 - 2018/03/12(Mon) 23:20:34