5枚目のレコードは1967年発表「BOB DYLAN/GREATEST HITS」。 ぼく自身が最初に買ったディランは6枚目の「追憶のハイウェイ61」でした。そもそも、ものごころがついた時からボブ・ディランは【ぼぶでぃらん】という平仮名の単語として頭ん中にすり込まれていた。【びーとるず】とおんなじように。知らぬ間にだに。 ロック・ミュージックが大好きになり始めた20歳前後のある日、ロック・ガイドブックを購入しました。そこに彼の6枚目が《ディランのお勧め盤》として載ってたんでそれを買った次第。『ライク・ア・ローリングストーン』という曲はカッコいいと思った。けど、他の曲はちょっとピンと来なかった。なぜならぼくは1曲当たり2分半前後のロックンロールが特に好きだったからだ。ディランは曲も長けりゃ歌詞も長い。しかも難解。スルーです。 でも、どうしたって彼の名前はロック媒体の至(いた)る所に登場してくる。当然です。『風に吹かれて』『時代は変わる』等の初期の代表曲「ん〜〜〜タイトルがカッコいい。その2曲だけでも聴いてみたい」そう思ってたらリサイクル・ショップのレコード・コーナーでこのベスト盤を見つけた。右下にバーコードが貼ってあるでしょ。閉店したレコード・レンタル・ショップ出身かもしれません。たぶんそうだろう。どんな人間だって、ちょっとした仕草やしゃべり方でお里が知れてしまうように。そう思うけど。 部屋で聴いてビツクリした。全10曲収録のこのベスト盤、全曲カッコいい。彼の声と唄い方、楽曲の多彩さ、そして、なによりも曲順がバッチリだった。曲の長さも短い曲が多くてグー。10曲を聴き終えた瞬間、彼の大ファンになった。『ぼぶでぃらん』がボブ・ディランに変わった! 数年前のスリックスでベースを弾いていた男はパンクやロックンロールが大好きなヤツ。でも「ディランはピンとこない」って言うんだ。まるであの日の俺みたいじゃないか。そこで彼にこのベスト盤を貸したのさ。次の練習の時、彼はこう言った。 「ジュンさんっ!ボブ・ディランっ!サイコーすねっ!」 「だら!(そうでしょの遠州弁)」 彼がディランを気に入ってくれた事に対するうれしい気持ちを、たった2文字の言葉で表現してしまいました。 ぼくとおんなじ立場のディランだったら幾文字数になったのかな。 ボブ・ディランが大好きです。
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No.1406 - 2018/08/17(Fri) 21:27:49
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