12月29日(日)は岐阜のライブハウス、キング・ビスケットまでライブ観戦。 東海道本線で訪岐。『ホウギ』だなんて、こんな言葉あるのか。あるかもしんないが、ないかもしんない。ニッポン語の素晴らしいところのひとつが、ここで発揮されてます。漢字それぞれが醸(かも)し出す語感、それが筆者の言わんとするところを見事に表現してくれる。訪岐を和訳すると「ぼくはサイコーなロック・ショウを体験するために岐阜を訪れたんだ」ってことです。
季節は年末。帰省客がごった返す駅。定刻どおりプラットホームにやって来たのは《東海道本線下り・快速大垣行き》。幸運にも座席をゲットできたぼくは、キヨスクで購入した黒ラベルの封をさっそくパチンと開ける。そして、購読中である伊坂幸太郎さんの文庫本を開き目を落とす。目を落とすと言っても眼球がぽとりと落下したわけではありません。だって、そんなことしたらせっかくのコータローの文章が読めなくなっちまうぜ。ニッポン語の素晴らしいところのひとつが、ここでも発揮されてます。ぼくたちニッポン人は語感で想像できるんだ。
インターネット情報によるとJR岐阜駅からキンビスまでは徒歩25分らしく。でも、いろんな体格や性格のひとがいるので、「徒歩25分」という算出方法には甚だ(はなはだ)疑問が生じるところではある。とにかくぼくはステーション北口から歩き始めた。しばらくしたら味わいのあるアーケード街に出会った。味わいと言っても、まさかアーケードをばりばりと食べたわけではありません。そんなことをしたら、せっかくの年末にお腹をこわしてしまいます。てくてくと進んでゆくと昭和風な喫茶店があった。店内の正面にはショートケーキが陳列されてる。入店したい気持ちになった。だがしかし、断念。だって、これからぼくが食べるのはケーキじゃなくって、キングなビスケットなんだよーん。
たとえば、もし、入店したとして。モンブランとイチゴ・ショートとチョコレイト・ケーキがあったとする。俺は迷わずモンブランとモカ・コーヒーを注文しただろう。上述した「いろんな体格や性格のひとがいるので徒歩25分という算出方法に甚だ疑問が生じるのはこの点なんだ。25分じゃ収まりきれないよ。ネット情報をまるごと信じていいのかな、って話さ。
キンビスに到着。出演順にプラムバス、スーサイドTV、ビートシーカー、ブロークン・ハーツ、ザ・シーソー。 開演した。キンビス店内を縦横無尽に響くバンド・アンサンブル。揺れる赤い壁(キンビスの壁は赤色なのです)。盛り上がる客。サイコー過ぎる出演全バンド、そしてナイスな選曲のDJ。気づけば22時を超えていた。「時間を忘れる」とはこの事か。時間をどっかに置きっぱなしにしていたわけではありません。腕時計もはめてたし、携帯電話も時刻表示をしていた。音楽空間は時を止めるどころか時空を超えるのです。年末は世界各国でベートーベンの第九交響曲が鳴り響いてるし。フロイデー・シェーネル・ゲッテルフンケン。いい夜だった。
この文章を2019年に読んでくれたみなさん、本年はお世話になりました。来年もよろしくお願いします。この文章を2020年に読んでくれたみなさん、昨年はお世話になりました。本年もよろしくお願いします。
B.G.M.「THE WHO/WHO」 大好きなバンドが新作を発表することが大好きだ。
☆★☆★☆★☆★☆★ ザ・スリックスの次のライブです。
《FIRST! LAST! ALWAYS! vol.13》 ■1月19日(日) 浜松KIRCHHERR ■開場18:00 ■前売/当日 ¥1500 (1drink別) ■出演: SISTER PAUL BABY JESSICA 田中ハドソン 妄念忍者 THE SLICKS
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No.1508 - 2019/12/31(Tue) 13:13:14
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