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記事No.1511に関するスレッドです

世界にまつわる話 / 淳吉郎
はじめて世界地図というものを眺めたのはいつだったんだろう。小学校の教科書と一緒に支給された地図帳の裏表紙だったか。ともだちの家のトイレの壁紙に貼ってあった地図だったか。いずれにしても、当時のぼくにとって、世界地図が「世界」そのものだった。それは、単なる平面上の図形だった、ってことです。

地球儀の存在を知った時にはビツクリした。世界は平面ではなく、球形だった。日曜日や祝日にグラウンドで練習している軟球やソフトボールとおんなじ形。でも「ナニをもって、これ(地球儀)が各国の正確な立地状況をあらわしていると立証できるのか」とも思った。世界はこんなに大きいのに。どんな長さの巻き尺やメジャーでも測ることが難儀なのに。そーいえば、世界地図の段階ですでにそのような疑問をいだいていたような気もする。オーストラリアでは真夏にサンタクロースがやってくる。そんな写真が地図帳に載ってました。

ある日、とあるバンドがいいなと思った。それはロックだった。そっから、いろんなレコードを聴いたり、音楽雑誌を読んだりした。そしたら、日本史や世界史とおんなじようにロック史があった。肌の色や、住んでいる場所や、生活している状況でロックは変化していったらしい。同化していったらしい。なあんだ、歴史の授業で教わったことと似てるじゃんか。「世界」っていうのは地図や地球儀や新聞およびテレビジョンからのニュースだけの存在ではないんだ。ぼくは「ロックの世界」を知ったんです。

1月某日、金曜日。浜松のロック仲間の誕生日祝いを兼ねた新年会に参加。居酒屋で出会うひとたちと新年のあいさつを交わしつつのお祝い会。この日、誕生日を迎えた彼とザ・フーの最新作について語り合った。意見が見事に一致した。アルバム収録曲のなかで一番好きな曲もおんなじだった。そーゆーことさ、俺たちが住んでるロックの世界っつーのは。

1月某日、日曜日。浜松キルヒヘアへライブ観戦。出演順にDEVONAIR、THANK YOU MY BLOOD、Gangliphone、UP-TIGHT。会場で出会うひとたちと新年のあいさつを交わしつつのライブ観戦。全バンド、すばらしかった。それぞれがオリジナル曲を演奏。それぞれの、その「世界観」、それが楽曲とかライブ演奏そのものに出ていたからです。その放出量がすごかった。タコメーターのレッドゾーン振り切る感じ。そんなバンドが俺は大好きだ。

この日のキルヒヘアに限らず、ニッポンや世界各国のライブハウスで、それぞれのバンドの世界がステージ上からぶっ飛ばされてたはず。お客さんのハートの中に入ったり、もしかしたら入らなかったり。でも、いいのです。入国自由。出国自由。パスポート不要。俺たちが住んでるロックの世界(表現の世界)っつーのは、そんな感じじゃないかな。

その日は成人の日の前日だった。浜松市内は成人式を終えた若者であふれかえっていた。黒スーツの男性たち。きらびやかな女性たち。未来しか存在してないようなやつらさ。その夜は同窓会を兼ねた飲み会なんだろう。嬉々としたその表情。「おそらく、この先にはいろんな世界が待ち受けてるぜ。でも、がんばってね。俺の知ったこっちゃないけど」ぼくはそう思いながら終電が待っている浜松ステーションへ歩を進めた。世界は冷たく、そしてあたたかい。

B.G.M.「夏のぬけがら/真島昌利」
写真右。ブルーハーツ全盛期でソロ作を発表したマーシー。ブルーハーツとは違う彼の世界観があふれまくってます。大好き。

写真左はTHE SLICKSのいちばん近い未来の告知フライヤーです。
どんなイベントでもすべての出演者から、それぞれの世界観が放出される。でもこの夜は、とんでもないものになりそう。そんな気がしてます。お楽しみに。よろしくお願いします。

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ザ・スリックスの次のライブです。

《FIRST! LAST! ALWAYS! vol.13》
■1月19日(日) 浜松KIRCHHERR
■開場18:30
■前売/当日 ¥1500 (1drink別)
■出演:
SISTER PAUL
BABY JESSICA
田中ハドソン
妄念忍者
THE SLICKS

No.1511 - 2020/01/13(Mon) 22:21:14