多くのひと(特に男性)が、子供のころ、駄菓子屋の屋外に設置されている通称:ガチャガチャをやったと思う。 指定額の硬貨を投入すれば、中から透明のカプセルが出てくるやつ。 バンドでオリジナル曲を作るというのは、ガチャガチャをやっている感じに近い。
ガチャガチャ本体は、頭の内部にある脳です。 調べると右脳は感性、左脳は論理、と書いてある。 右脳で風景が浮かび、左脳でそれを形にする、と言えばよいのかな。 脳みその中で、右脳左脳が右往左往する。 運がよければ、そこからカプセルに入った楽曲が、コロコロって、ある瞬間に転がり出てくる。 そのカプセルを、バンドのスタジオ練習に持ち込むのです。
新曲は時間をかけて、完成へと近づいてゆく。 鍋料理を煮込んでゆくにつれ、素材からもダシがにじみ出てくるように。 ここ二年ぐらいのあいだ、『アンサンブル』が、ぼく自身のバンド活動におけるキーワードです。 三人の音が、音量ではなく、質感として響きわたれば、そんな感じ。
ここで一旦、コマーシャルです。
☆★☆★☆★☆★☆★ さあ、今週末はザ・スリックスのライブです。 久しぶりの自主企画となります。 みなさん、よろしくお願いします。 ちなみに、店内にお好み焼き屋がブースを構えています。 鉄板を使用する通常のお好み焼き屋です。 別料金になりますが、もちろん、ライブ見ながら食べてもいいので、晩ごはんにご利用ください。 店内カウンターでは別料理もあるようです。 ドリンクはアルコール類もソフトドリンクもオール300円です。 安いですね〜。
《HIT A TARGET VOL.11》 ■2月22日(土) 弁天島MARGARITA ■開場18:00/開演18:30 ■料金:¥1500(1d込) ■出演: Scramble BEATSEEKER 真っ赤なBODY SNOW BLADE THE SLICKS
DJ: Himitsu Syounen
よろしくお願いします。 ☆★☆★☆★☆★☆★
二月某日、浜松市美術館で開催している『浜松市第67回市展』に行った。 浜松で活動するバンド、the 1970でベースを担当している飯田くんの油彩画が入選した、という知らせを受けたからです。 大都市ではない浜松だけど、市展の入選作は力作ばかりだった。 ビツクリするぐらいレベルが高かった。 ライブを観に行くと、たとえアマチュアでも、すごい水準のバンドに出会うことがある。 必ずしも「水準が高い」、というのは「技術が高い」、ということではありません。 この日の浜松市美術館、それをイメージしてもらえれば。
展示作品を見ているうち、飯田くんの作品が現れた。 the 1970のステージで、いっつもクールかつアグレッシブなベースを弾いてるひとだから、こっちも、その気で見させてもらった。 暮れなずむ夕方の湖畔を歩くふたり。 とっても、柔らかい油彩画でした。
夕焼けの赤みと樹木の緑色を微妙に掛け合わせる、いわゆる「補色」という塗り方をしている。 湖畔道がどこまでも続くように見える、遠近法の構図。 そこを歩いているふたりの会話が想像できる。 絵全体にストーリーがあったのです。 彼の絵画は、まーさーに、アンサンブルを奏でていた。
ボブ・ディランに関する80年代のエピソードで、「最近、ブルース・スプリングスティーンの影響が、見受けられますね」という発言をしたインタビュアーに対し、ディランは「俺は年下の影響は受けない」と答えた、という話を聞いたことがある。 アンサンブルを見事に体現している飯田くんに、ぼくは影響を受けそうだ。 でも、「年下の飯田くんに感化された」って公言すると、俺のディラン道に反してしまう。 だから、ここでそれを言うのはやめておこうと思います。
飯田くん、ありがとう。新作を楽しみにしています。
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No.1519 - 2020/02/17(Mon) 00:18:35
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