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記事No.1555に関するスレッドです

感想戦にまつわる話 / 淳吉郎
将棋の世界において、プロ・デビュー以降、おおくの記録を更新している高校生棋士の方が、またしても記録更新をしたニュースを目にした。
すごいなあと思った。
なによりも、以前から彼が発している数々のコメントが、その年齢からは考えられない落ち着きを示している。
そのことにわたしはつねづね、驚愕していた次第。

かたや、彼と同年代だった15歳から17歳な頃のわたし。
「政治家なんておれたちにはかん……」だとか、
「俺はただあんたとやり……」だとか、
「俺はおんぼろキャデ……」だとか、
「あいつは危険の中でうま……」だとか、
「おれのからだは黒くてなが……」などなど、
そんなコメントを同級生にしていた次第。

わたしが将棋をしたのは小学3〜4年生ぐらいのころだったか。
きっかけは覚えていない。
とりあえずルール……というか各駒の動きだけは覚えた感じかな。
ある日、お母ちゃんの実家にいるおじいちゃんのところへ意気揚々と見参し、一戦をまじえた。
あっという間に敗北を喫した。

くやし涙を浮かべるかわいい孫のわたしに対し、おじいちゃんはこうアドバイスをしてくれた。
「ジュンちゃん、相手が次にどう来るかって先を読んで指すといいよ」
先を読む……本がないのに、どうして読むことができるの?
かわいい孫のわたしはそう思った次第。

将棋の世界では、終了後に感想戦というのをやるらしい。
そんなことも彼の活躍のおかげで知ることができた。
勝ったひとが気持ちよく解説するのはわかるが、どうやら負けたひとも一緒に終わったばかりの戦の状況を振りかえる、とのこと。
おそらくきっと、くやしいに違いないはずなのに、だ。
彼は「感想戦は敗者のためにあると思う」とコメントしているらしい……むむぅ。

家内のバンドが先月末に三重県松阪市でライブを演った。
おみやげが伊勢志摩名物の『あおさ』だった。
あおさは海草を乾燥させたもの。
先日、味噌汁を作るときにそれを使おうと思って、パッケージ裏の説明にしたがい、水で戻した。
やがて我が身に戻った海草は、これ見よがしに自身の香りをお勝手場にただよわせ始めた。

「よおし、味噌汁が出来上がった。あおさを添付しよう」
だがしかし、戻し水を切る際にわたしはあやまちを犯した。
なぜなら、戻し水が多すぎたため、海草の数十パーセントがいっしょに流れ落ちてしまったのだ。
くやし涙があふれそうになった、と同時に誰かがぽんと肩を叩く。
振り返ると、そこにいたのは、なんとおじいちゃんだった。

くやし涙を浮かべるかわいい孫のわたしに対し、おじいちゃんはこうアドバイスをしてくれた。
「ジュンちゃん、あおさが次にどう来るかって先を読んで水を戻すといいよ」
先を読む……本がないのに、どうして読むことができるの?
53歳のかわいい孫のわたしはそう思った次第。
思ったとたん、感想戦が脳裏をよぎった。
そうだ、それだ。
「おじいちゃん! 感想戦をお願いします!」

気づけば、おじいちゃんの姿は見えず、わたしの足元で飼い猫のミックが「ニャあ」と鳴いた。

B.G.M.「WRECKLESS ERIC/(SAME)」
1978年発表、レックレス・エリックのファースト・アルバム。
発表した時代的にわが国ではパブ・ロックの括りです。
コステロ同様、わたしには極上なポップ・ミュージックですね。
ふたりとも酒に弱そうだし(笑)
サイコーな内容。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★
THE SLICKSの次のライブは今週末。
よろしくお願いします。
この日はいろんなロックが鳴り響きそうだ。
楽しみ!

7月25日(土)
《I’m Just A Dreamer》
場所;浜松キルヒヘア
開場/開演;18:00/18:30
前売/当日;2000円(1d 込)
出演;
UP-TIGHT
stacru
マッスルNTT
THE SLICKS

・入場の際、マスクの着用をお願い致します。
・体調の優れない方はご来場をお控えください。

No.1555 - 2020/07/21(Tue) 20:21:58