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記事No.1561に関するスレッドです

コインの裏側 / 淳吉郎
世界のいたるところで音楽活動を演っているひとがいる。
そのなかで、学生時代に組んだ自身初めてのグループやユニットを現在も続けているというひとたちは、いったいどれくらいいるのであろうか。
おそらく、とても少ないのではないだろうか。
なぜなら、ひとは常に移り気な生き物であるから。
「忍耐」と記されたコインの裏側には「誘惑」という文字が記されている。

かく言うわたしも、これまで参加したバンドは幾多にのぼる。
数はわからない。
知っているのは、参加中のバンドに自分の脱退や、自分がリーダーであるバンドのメンバーに変更の連絡を伝えるときは、勇気が必要だってこと。
そして、自分が新しいバンドに参加したり自分で結成したりする時や新しいメンバーを迎え入れたときは、希望と不安がグルグルと同心円で廻っているということ。
「バンド」と記されたコインの裏側には「刺激」という文字が記されている。

実は2019年末で20年間勤務した会社を退職しました。
50歳をすこし超えて退職というのは、ぶっちゃけ無謀でしょう。
ずーっと演り続けてきたバンドを50歳を超えて解散するひとが少ないように。
でも、退職にしろ解散にしろそこには理由があるのです。
それは、刺激を求める自分の気持ちに対してどう向き合うか、ということかもしれない。
わたしはそうだった、少なくとも。

だがしかし、年齢の壁はどうやら高かったようであり、しかも件の新型ウイルスにて春先から雇用は激減。
元来の性格が「なんとかなるでしょ」なわたしは、ここでもそれを遺憾なく発揮し生活していたわけだが、言い換えればそれは単なる「能天気だった」ともいえるであろう。
つまり、「なんとかなるでしょ」と記されたコインの裏側には「能天気だった」という文字が記されていたってこと。
コインから文字がはみ出ている気がするが。

そんななか、8月中旬にある会社から採用通知をいただいた。
その報を受けたわたしが、部屋のなかでガッツポーズをしながら、いまや幻の踊りと言われる「ねこじゃねこじゃ踊り」を愛猫ミックと乱舞したのは言うまでもない。
踊り終わり、息を整えながら思った「これは、すべてのタイミングが合致しただけなんだろう。ああ、おれはラッキーマン」。
そのとき、残暑の我が部屋でまわる扇風機の風と一緒にスピーカーからはモータウンのビートが流れていた。

B.G.M.「マンホール/BLUES宣言」

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

☆淳吉郎、DJイベントに出演します。

FRIDAY vol.4
9月4日(金)
場所;浜松メスカリンドライブ
開演 20:30
前売/当日;1000円 (+1d 600円)
DJ;saikou , chammboo ,
KEISHI , mio (820光線☆,BEATSEEKER)
淳吉郎

DJイベントのためスリックスの演奏はありません。

写真:先日、発表されたマンホールの新作。
これですよ、これ!
俺にとっての最近のキーワードは「うつくしい日本語」。
それがこの盤では炸裂しています。

No.1561 - 2020/08/25(Tue) 23:26:31