10月某日、土曜日の午前中。 ソファーに腰を下ろし、新聞を読んだ。 なぜなら、平日では読む時間がないからだ。 つまり、最低でも七日間分の新聞なんだけど、実は七日間分以上たまっているのさ。 それを読んでいるぼくの隣では飼い猫が眠っている。 正面のスピーカーからはレコードの音がちいさく響いている。
しばらくしてレコード以外の音が、ふと聞こえてきた。 それが飼い猫の寝言、もしくは鼾(いびき)だってことに気がついた。 レコードのA面が終わったので、そっとソファーから腰を上げてステレオに向かい、盤をひっくり返す。 ソファーに戻り、ゆっくりと腰を下ろす。 流れてきたのはB面の1曲目、そして、さっきと変わらない彼の寝言もしくは鼾だった。
10月某日、金曜日の帰宅中。 赤信号で停車すると、南の夜空高くに月が光っていた。 それは半月、英語で言うところのハーフ・ムーン、だった。 満月や三日月の形状ってのは魅力的で、いろんな音楽家が曲のモチーフとして使用している。 でも、その夜の半月の形状は夜空を見上げている女のコの横顔に似ていて、魅力的だったのさ。
美しい横顔にぼくはあやうく恋に落ちそうになり、あわてて彼女にこう言った。 「ねぇ、ムーンちゃん、できることならキミのお顔を正面から見てみたいなあ」 だがしかし、ぼくの声は聞こえていないようで、彼女はあいかわらず空を見上げたまんま。 そして、そんな彼女をぼくも見上げたまんま。 「なんだよ、ムーンちゃんと俺って、いわゆる似た者どうしだら」 その瞬間、目の前の十字路の信号機が青色に変わった。
10月某日、土曜日。 一か月の間に2度目の満月をブルームーンって言うんだって。 そしてこの日がそのブルームーン。 週末のそれはすごくきれいだった。 週末ってのはいったい誰のためにあるんだろうと思う。 もちろん、サービス業を始めとする土日以外に休日を取る方々にとっては、その日が週末でしょう。
ぶっちゃけた話、「週末は俺のためにある!」と思っていた。 だがしかし、あんな満月を見ちゃうとさあ、「実は週末って満月のためにあるんじゃないのか」って感じなんだよなあ。 でも考えてみれば、三日月も半月も、それ以外の月だって一か月の間に2度目の時があってさ、それが週末の時だってあるんじゃないか。 ぼくらもいろんなときがあるから、つまり結局、こーゆーことさ。 「なんだよ、ムーンちゃんと俺って、いわゆる似た者どうしだら」 某国の某宰相も言ってます「多様性が大事だ」ってさ。 へぇ〜そうなんだ。
B.G.M.「JANIS JOPLIN/PEARL」 A面4曲目に『HALF MOON』収録。
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週末はザ・スリックスのライブです! この日は我が街ハママツで共演したかったバンドばっかり! ザ・スリックスはトップで演ります! みなさんよろしくね!
☆11月7日(土) at 浜松G-SIDE BEATSEEKER pre. 「MODERN PLOT vol.15」
出演: BEATSEEKER THE SEE-SAW (京都) STUPID BABIES GO MAD (富士) The lostnumbers (福山) THE SLICKS
DJ: PUJARI, SUE
OPEN 18:00 / START 18:30 TICKET 2,000円 (+1D 500円)
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No.1573 - 2020/11/01(Sun) 14:10:12
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