70年代後半、それはテレビ番組のなかに数々の歌謡番組が存在していた時代。 画面の向こう側は華やかな世界、わたしにはそう見えた。 遊園地をきらいな子供がおそらく少ないように、テレビに出たくない歌手だって少ないはずだ、そう思っていた。 だがしかしある日、あえて出演拒否をする歌手が幾人かいることに気がついた。 その多くはギターを弾きながら唄うようなシンガー・ソングライターだったんだ。
「おれは(わたしは)おまえら(あなたがた)アイドルとちがうんだ(ちがうのよ)」というツッパリだったのか。 「テレビじゃなくってライブがすべてなんだ」というこだわりだったのか。 「テレビに出るのは悪魔に魂を売り渡すようなものだ」という言い伝えが脈絡と続いていたのか。 いつしかわたしは、そんなミュージシャン連中をカッコいいと思うようになっていた。 その経験からか、現在は好きなバンドのテレビ出演情報をキャッチすると「なんでテレビなんかに出るんだよう」というよりも「おーっ! 楽しみだあ」となっているのです。
11月下旬某日、そして12月中旬某日、わたしの大好きなロックンローラーのふたりが対談形式のテレビ番組にそれぞれ出演した。 偶然だが、どちらの対談相手も男優だった。 番組内でふたりのロックンローラーそれぞれが語った内容は、実に興味深いものだった。 「うんうん」「そうだよね」「うわぁ、さすがだなあ」 なんつって、その期待どおり……もとい、期待をうわまわるふたりの発言にわたしは首肯するばかり、でした。 だがしかしその反面、対談相手の俳優ふたりの言葉は、空に舞い上がってゆく風船のような軽〜いものにしか、わたしには感じられなかったんだ。 簡単に言えば「期待はずれの人たち」だったってことかな。
ところで「期待」っていうのは、漢字でたったの二文字なんだけど、実際に、実生活において、なんらかの事情で期待されているひとたちは世界中にたくさんいると思います。 そもそも「期待」っちゅーのは、誰かが誰かに「期待する」から生まれるものであり、単独では存在しない、いや存在すらできない難解なものなんだと思う。 えっ!? それってウイルスと一緒じゃん。
「鋼鉄10Kgと真綿10Kg、どちらが重いかねぇ?」 「どちらも10Kgだからおんなじだに」 これは、多くのひとがご存じな引っ掛け問題です。 「鋼鉄10Kgと期待10Kg、どちらが重いですか?」 「期待の方が数千倍重い」 なんらかの事情で期待されているひとたちは、しぶしぶそう答えるに決まってる。
B.G.M.「BLUE TRAIN/JOHN COLTRANE」 1957年発表、ジョン・コルトレーンの同名アルバムの1曲目に収録。 我が国におけるブルー・トレインという呼び名は国鉄〜JRにおける寝台特急の別称。 うん、たしかに、目的地に向かって夕方から出発する寝台特急のなかで、酒を飲んで個人的パーティーを開催している楽曲な気がする。 でもそれって、いささか自分勝手過ぎる解釈か。 ま、実際に俺自身がそれをやってるんだけど(笑) 実際にはコルトレーン、っちゅーか米国ではどんな列車のことをそう呼ぶのだろう。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★ ザ・スリックスのライブ予定です。
☆1月24日(日) at 浜松G-SIDE 詳細後報で
☆2月14日(日) at 浜松キルヒヘア 詳細後報で
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No.1579 - 2020/12/13(Sun) 23:34:25
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