夏の終わりごろだったか、レコード棚の板がレコードの重量で湾曲していることに気がついた。 そのレコード棚は全国展開している某生活用品販売店で、1年以上前に購入したカラーボックス。 気に喰わないことがあっても、いちいちキレることもなく辛抱しているひとのように、レコード棚も重みに耐えているようだった。
だがしかし、我慢にも限界があるというもの。 カラーボックスの反乱が勃発したら、大切なレコードに被害が及ぶのは当然だ。 レコードって、その一枚一枚に思い出みたいなものがある。 レコードを持ってるひとはみんなそうだと思います。 レコード自体は買いなおすことができたとしても、カラーボックスに思い出まで破壊されたらくやしいじゃないか。 剛速球でレコード棚をネット検索した。 超音速で市内のリサイクル・ショップ数店をめぐった。 もちろん赤信号では止まったし、横断歩道におばあちゃんがいれば、渡らしてあげたよ。 求める大きさや、強度や、値段のものに出会えなかった。
「へへ、時間がないぞ、ジュンキチロー」カラーボックスがなんだか意味ありげな含み笑いをしている。 ネットで紹介されていた自作レコード棚の記事を参考にし、自分で作ることに決めた。 わたしは理系ではなく文系だけど、図面もしっかりと書いた。 1077×371×300(単位mm)の3段式と724×371×300の2段式を5つずつ作成することにした。 現状の生活のなか、作るのは年末年始しかないので、11月ぐらいから下準備を始めた。
そして、勤め先の年末休みが30日からという現実。 27日(日)に、とりあえず1個作って上手くできたら残り9個分の木材を30日に準備し、できれば年内に最低6個を完成させる計画、というか希望を胸に、日々の人生を歩んだ。 わたしがこの世からいなくなったとき、その日々の足跡には「レコード棚最低6個完成」と刻まれているはずですので、みなさんご確認をよろしくお願いいたします。
31日の午後6時半、無事に6個の棚が完成した。 1個ずつ作るうちにコツが掴めてきたのが楽しかったし、作成時間も短縮してきた。 それはまるで、高校時代にエディ・ヴァン・ヘイレンの真似をしてライト・ハンド奏法を練習したころの「あの感じ」にちょっと似ていた。 なんだよ、高校時代となーんにも変わってないってことか、俺は。
まあ、そうだよな。100年前の疫病体験とおんなじことを我が人類は、今年1年間で体験してるぐらいだし。 未来にしっかりと残したいですね、政治家そしてわたしたちが取った行動の数々を。 だって、おんなじようなことを未来のキッズたちが経験したとして、現在のわたしたちみたいにくやしい気持ちを抱かせたくないじゃないか。
この投稿文を2020年に読んでくれたみなさん、一年間お世話になりました。 (喪中の方々も含めて)みなさんよいお年をお迎えください。 この投稿文を2021年に読んでくれたみなさん、昨年はお世話になりました。 (喪中の方々も含めて)みなさんよい一年になりますように。
淳吉郎/THE SLICKS
B.G.M.「ベートーベン交響曲第9番《合唱》/カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」 クラシック音楽、くわしくないけど実は好き。 第九は第4楽章の合唱もいいけど、それより第2楽章がすばらしいと思います。聴いてると身体がふわっと浮く感じにとらわれる。 んで、「ドボルザークの交響曲第5番「新世界より」の第4楽章って、これとそっくり」って家内が言うから新世界をあらためて聴いてみたら、そっくりだった。 つまり、いにしえの大作曲家たちもおれらと一緒ってこと?
写真:湾曲したカラーボックスと出来たてほやほやな3段式レコード棚のスナップ写真。 カラーボックスがバチバチと視線を送っているのに、3段式が知らん顔をしてるのがわかります(笑) しまった! 早いとこレコードを入れ替えないと、ちんぷり返って反乱を起こすかもだぜ。
![]() |
No.1582 - 2020/12/31(Thu) 21:50:56
|