本や映画のタイトルであれ、アルバム音源のタイトルであれ、もちろんひとつひとつの曲名であれ、それを知ったり聞いたりした時、「うわあ、なんかカッコいいね」つってグッとくることがある。 そう、心のなかで「いいね」を押すのさ。 不思議なことにその作品たちは、えてして内容もすばらしいことがとっても多く。 そういえばクルマもそうだった。 スカイライン、フェアレディ、ブルーバード、セリカ、レビン、トレノ等々、歴代の名車は名前もカッコいい。
5月某日、浜松市内の施設へ絵画鑑賞に出かけた。 母親が所属する絵画サークル、年一度の展覧会さ。 油彩画も水彩画も日本画も水墨画もあったから、いわゆるジャンル分けがない展覧会だった。 入場無料ということも含めて、それは「絵画的フリー・フェスティバル」だったといってもよかろう。 フリー・フェスティバル……なんて自由な響き。 個人的には油彩画がもっとも好みなのだが、今回の展覧会において水彩画の良さに気づいた。気づいてしまった。 ああ、そうだよな、強烈なパンクロックで目覚めた俺は、それ以降もなにかのタイミングでさまざまな音楽に出会い、その強烈さのおかげで現在も目覚め続けているのと、それはちょっと似ている。
ライブで使われる言葉のひとつに「コール&レスポンス」って呼ばれるものがあります。 かわいい看護師さんが「中村さ〜ん」って診察室から呼んでくれて、こちらも負けずに「は〜い」ってラブラブ・マーク満載で答える、あの感じ。か。 ライブに限らず、レコードを聴いていてもわたしたち音楽好きは回り続けるターンテーブルから発せられるコールに対し、なんらかのレスポンスをする。してしまう。 実は絵画鑑賞や映画鑑賞の場合でもわたしたちは無言でコール&レスポンスをしている、そう思います。 ところがどうだい、現在、大都市を始めとする全国各地では美術館や映画館が稼働休止状態にさせられている。 ううむ、もうちっと、あの方々は声なき声をキャッチした方がいいと思うけど。
絵画鑑賞をしたその日、展示された多くの絵画自体の完成度はすばらしかった。 だがしかし、わたしが感じたのは絵に付けられたタイトルのイマイチ具合だった。 たとえば玉ねぎが切り刻まれた絵画のタイトルが『刻まれた玉ねぎ』だったとしよう。 そのまんまだからもちろん間違いではないが、たとえば『流れる涙』って名付けたっていいかも。 そう思いながら会場内を巡っていると、最後にお母ちゃんの作品が現れた。 濃緑と薄緑がないまぜになった木々の風景画。タイトルは『風立ちぬ』。 「うんうんうん」そう言いながら、わたしはアンガス・ヤング氏のようにヘッド・バンキング……もとい首肯を繰り返した次第。 もちろん、心のなかで「いいね」も。
写真もいいけど、イメージを想起させる言葉だってすばらしい。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★ ザ・スリックスのライブ予定です。 この先の状況しだいでは開場開演時間の変更もあるかと思います。 その際にはあらためてお知らせいたします。
☆6月12日(土) 豊橋AVANTI 《AVANTI presents》 開場/開演;18:00/19:00 前売/当日;2000円/2500円(1d別) 出演; 官舘村慶介二 THE GOLDENBATS THE SLICKS
写真:「SPACE ODDITY/DAVID BOWIE」 1969年発表、デビッド・ボウイのアルバム「スペース・オディティ」。 B面5曲目に『フリー・フェスティバルの思い出』収録。
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No.1599 - 2021/05/25(Tue) 00:10:27
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