レコードやCDを買ったとする。 盤をプレイヤーで再生して音楽を聴くわけだが、その行為とおんなじくらい好きなのがジャケットや歌詞カードの写真を眺めることです。 ミュージシャンの眼つきや髪型やファッション、そして楽器を始めとする器財のチェックをする。 「カッコいいー! 真似しよ」とか「うわ、ダセー!」とか。 不思議なことにカッコいい演奏をしてるひとは、やっぱり上述した事柄もカッコいい、そんな気がします。
昨年末、ニッポンのとあるロック・シンガーのソロCD音源を購入した。 鳴っている音のすばらしさもさることながら、その歌詞カードの写真において彼が履いているブーツにわたしは着目した。 「うーむ。俺も似たようなのを持ってるけど、宮本のサイドゴアはもうちっと先がトンがってるよな。うん、カッコいい―! 真似しよ」 浜松市内の靴屋さんをくまなくまわって探したけど、似たようなモノは見つからず。 くやしいながら最終手段であるネットにて購入をした。 自分のこだわりに背(そむ)くことは、まるで晴天の日に自分の足元から伸びる自分の影を踏みにじるようでもあり、ちょっぴりつらいものです。
小学生の頃の遠足で「新品の靴を履いてこないように」なんて先生が言っていたのを覚えている。 ここ昨今の状況下のなか、外出することがめっきり減少したわたしにとって、マイ・ブランニュー・ブーツの出番だって当然のことながらありません。 週末、近所のスーパーマーケットに出かけた際、お気に入りのティーシャツとともに履いてくぐらいさ。 「あ、ジュンキチローさん、新しいブーツ買ったんですか? それってマーチンのGRAEME?Uですよね」だなんて誰も言わない。言ってくれない。 それどころか、10歳前後の少年の遠足なんかじゃなく、55歳前後の元少年の近所のスーパーへの買いものなのに「あー、なんか足が痛いね」なんつって、やっぱりわたしは小学生。ってことか。
B.G.M.「マーラー/交響曲第2番ハ短調『復活』」 数年前に読んだ小澤征爾さんと村上春樹さんの対談集でマーラーのことが記されていた。 名前は知っていたけど聴いたことがなくて、先日ようやくレコードを購入。 内ジャケットにマーラーの写真。 うん、イケメンじゃん。
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No.1602 - 2021/06/20(Sun) 23:00:23
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