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記事No.1604に関するスレッドです

某日日記 / 淳吉郎
某年某日、1987年に九州の阿蘇で開催された野外ライブを収めたドキュメンタリー・タッチの映画を観た。
印象的なシーン満載だったけど、その中にこんなものがあった。
当時、人気を博していた女性シンガーが終演後、控室に戻ってくる映像で、彼女は控室に着くなりそこにいた先輩格の男性シンガーに向かって、こう言った。
「めちゃくちゃ寒かったです」
「おつかれさまでした。ゆっくり休んでください」
そのシーンにわたしは感動したんだ。
後輩格である彼女に向かって彼が発したその丁寧な言葉づかいに、です。
どんな状況であれ、どんなひとであれ、その言葉づかいに「そのひと」が出るんじゃないかな。

おそらく多くのひとが実生活にて、自分よりキャリアを持つ者からの「上から目線」を体験していると思う。
上からといっても、これは断じて背の高さの問題ではありません。
ヒマラヤ山脈が富士山に対して「お前さあ……」だなんて、えらそーに言わないように。
だがしかし、もしかしたら富士山の方が言ってるかもしれない。
「お前らさあ、つるんで立っていないでおいらみたいにひとりで立ってみろよ」って。
あなたやわたしは、権力を笠に着たヤツの上空からのそんな目線にどこまで耐えらえるのか、もしくは天下の富士山さんみたいに「お前さあ」って言えるのかってことであり。

7月某日、浜松の音楽仲間であるポテティさんとフルーキーさんの共同企画を観にフルーキー邸に行った。
フルーキーさんの家はもともとお店だったらしく、アコースティック・イベントが可能なスペースなのです。
その日、出演した6組の出演者のライブはすべて素晴らしく。
そして、素晴らしいと同時にわたしに向かって特大なる疑問符、英語で言うところのビッグ・クエスチョン・マーク、を投げかけた。
わたしはそれをなんとかキャッチし、自部屋に持ち帰った次第。
いい音楽はいつでもわたしを悩ませる。

7月某日、午後8時30分過ぎに業務を強引に終了させるとわたしは浜松市中区の北端に在する某ダンス・ホールに向けて自家用車をブッ飛ばした。
だって今日は大好きなワタナベマモルさんがライブを演るんだ。
そして共演する3組だって、みーんな浜松を中心に活動を続ける音楽仲間なのさ。
アクセル全開でありながら、法定速度をはじめとした各種交通規則を厳守するってのは至難の業(しなんのわざ)であります。
至難の業を駆使しお店の駐車場に着くと店内からマモルさんの声が響いてきた「うわ、もう始まってるじゃん!」
わたしはまたしてもアクセル全開、文字変換するとそれは早歩き、共演のみなさんに間に合わなかったことを悔やみながら。

マモルさんの楽曲、そしてその唄には不思議な魅力があります。
日々の生活のなかから拾い上げた出来事、それを60年代から70年代に掛けてのグッド・ミュージック・テイストあふれる楽曲で演奏する、そこには強制しないメッセージが含有している。
どこぞの、だれかの、上からなんとか、じゃないってことさ。
簡単に言っちゃえば、ぼくにとってそれはまさしく「ロックンロール」ってこと。
サイコーな空間だった。

B.G.M.「SLIM HARPO/TE-NI-NEE-NI-NU」
マモルさんのライブ終演後、知り合いの方々と雑談していると「ジュンキチさん、お久しぶりです」と背後から声を掛けられた。
振り返ると長年のロック仲間であるヤマモト夫妻だった。
ヨモヤマ話のあと、奥さんがこう言う。
「ずーっと昔、ジュンキチさんがDJでスリム・ハーポを流していて、その曲がめっちゃカッコよくて、ずーっとレコード探してるんですけど見つからないんですぅ」
「え? あるら、スリム・ハーポだもん」
ライブ会場での上も下もない、こーゆー会話が好き。

No.1604 - 2021/07/11(Sun) 21:20:13