「ロック」という存在を知った10代半ばの頃、たくさんの楽曲に感銘を受けた。 そんな幾多の楽曲の中のとある一曲について、その曲のコンポーザーがこう発言していた。 「『TWO PUNKS』という曲は俺たちのもとを離れてみんなのところに歩いて行ったのさ」 うん、たしかにそんな気がする。 おそらく、日頃のわたしたちの考え方とおんなじで、曲自身も「自分に似合いのひとと出会いたい」って気持ちで歩いているはず。
もしかしたら、森山さんの言葉に対し、みなさんはこう思うかもしれません。 「どうしてレコード盤に収録されている楽曲がトコトコと歩くんだい?」 だがしかし、実のところその曲『TWO PUNKS』に限らず名曲ってのはみんな、ひとの部屋やら心のなかやらにノックもなしで勝手に土足で入って来るんだ、ぼくの場合。 『TWO PUNKS』さんにぼくは選ばれた。 『STREET FIGHTING MAN』さんにぼくは選ばれた。 『JOKERMAN』さんにぼくは選ばれた。
7月某日。浜松の映画館にて映画鑑賞。 大好きなソウル・シンガー、アレサ・フランクリンさんが1972年に行ったライブを収めた「アメイジング・グレイス」という映画。 すばらしい映画だった……うーん、映画というよりもライブ・ドキュメンタリーと名づけた方がよろしいか。 そんな内容の映像はわたしのハートのひだひだを打ち震わせた。
気づけば、わたしのかわいいハート内のかわいいひだひだが、グングンと成長しているではないか。 心臓のドキドキでわたしはそう直感した。 54歳、夢の第三次思春期到来か……うるせー、ざまあみやがれ。 どうやら、銀幕からあふれ出ているアレサを始めとする出演陣、制作スタッフ、そして集まった観衆の気持ち等々が、わたしのひだひだにパワーを与えていると思われる。
映画が後半に差し掛かった頃、わたしは映画を上空から観ている自分に気がついた。 我にかえると両脇の下からツバサのように成長したひだひだがパタパタしているではないか。 「欽ちゃんの鳥人間コンテストって今年あったっけ? あったとして飛び入りプレーってOK?」 瞬時にそんな事を思い浮かべるわたしはやっぱり昭和生まれの54歳、夢の第三次思春期真最中……うるせー、ざまあみやがれ。 こだわりのサイコーな映画しか上映しない浜松市民映画館:シネマイーラでわたしは貴重な体験をした次第。
どうやら『アメイジング・グレイス』という名作映画にわたしは選ばれたようで。
B.G.M.「サニーデイ・サービス/約束」 1995年発表、サニーデイ・サービスのアルバム『若者たち』の8曲目に収録。 7月某日、高校時代のバンド仲間が経営している浜松市浜北区に存するフェイバリット・ブックスLにて購入。 サニーデイはもちろん名前は知っていたけど聴いたことは一度もなく。 すべてはタイミングなので今回購入。 「グッド・プレイヤーは得てしてグッド・リスナーである」と個人的に思っています。 幾度も聴いていくうちに「サニーデイは平成のはっぴいえんどだな」って思った次第。 もちろん、最大限の敬意を込めて。
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No.1605 - 2021/07/28(Wed) 00:54:18
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