はっきりとした年月は覚えていないのだが、80年代末期から90年代初期ぐらいの頃、週末・昼頃に音楽番組が存在していた。 司会者は泉谷しげるさん。 プリンセス・プリンセスがゲストで出演したとき、彼がプリプリの5人にこう言ったのを昨日のことのように覚えている。 「ポップであることが非常に重要なんだよ。ポップスじゃないぜ。ポップね」 ぼくの心のなかにある『ロックンロール帳面』の何ページ目かに、太字でしっかりと記された瞬間です。
クラシック・ミュージックっつーのは、得(え)てして難解な音楽と思われがち。 小学校や中学校の音楽授業における「レコード鑑賞」での先生の説明の仕方が原因かも。 そもそも先生自体がいろんなジャンルの音楽に興味を持っているのかってことがポイントだったりして。 昨年より投稿文で幾たびか記しているマイブームのベートーベン、それは現在も継続中。 ピアノ・ソナタであれ、バイオリン協奏曲であれ、交響曲であれ、荒々しさ(ワイルドネス)とやさしさ・細やかさ(テンダネス)が1曲の中に共存している。 まるでチャリンコのふたり乗りのように。 もしくはパンチのある辛さのなかに、マイルドなフレーバーもあるカレーライスみたいに。 そして、なによりも強力なのは、彼の楽曲から放たれるメロディーのポップさです。 チャリ・2ケツ少年たちの一方のTシャツがスヌーピー柄で、もう片方がミッキーマウスな感じ。か。
数あるベートーベンの楽曲のなかでも多くのひとが知っているのは♪ジャジャジャ ジャぁ〜ん♪交響曲第5番「運命」でしょう。 音楽を含め絵画・文学・映画・落語などなど、どんな表現フィールドでも作品にはタイトルが付いている。 その「タイトル」を確認したわたしたちは作品を聴く、観る、読むその寸前まで想像力のカプセルをひとつ飲み込んでイメージをすることができる。
だがしかし、実はベートーベンに限らずクラシックでは、「運命」のように曲名が付いてる場合より、第〇番つって番号で呼ばれるだけで曲名が付いていないことの方が圧倒的に多い。 曲名が付いてる作品はいわゆる「名曲」として認識されている気がするし、それこそ音楽の授業でも採用されることが多いような気がするんだけど、そこんとこ実際はどうなんでしょ。 そして、なによりもクラシック音楽を作成していた当時のすべての作曲家の方々が、「とあるイメージを抱いて」作ったはずの自作曲に対し、タイトルを付けたかったのかどうかを知りたいのです。 そう言った瞬間、 「なーに、くだらねーこと、つぶやいてんだー、バーカ。とっととスリックスの新曲作れよー」 チャリ・2ケツ少年たちがクネクネと蛇行しながら、ドクター・マーチンを履いて徒歩するわたしを追い抜いていったゴールデン・ウィーク。
写真:ベートーベンは9つの交響曲を作っています。 4月某日、ようやく全部の音源がそろいました。 単体で1枚だったり、複数で1枚だったり、結果としてダブってしまったり、ダブっていても指揮者や楽団が違っているから別物とも言えるし。 はぁー、こーやって大人を悩ませるクラシックは、いたってポップだー(笑)
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No.1628 - 2022/05/03(Tue) 18:52:03
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