9月某日。名古屋にてザ・ストリート・スライダーズのライブを観た。 23年ぶりの活動、そしてツアーらしく。 それはつまり、メンバー4人が23年分、年齢を重ねたことであり、それはつまり、ファンのみんなが23年分、年齢を重ねたことであり。 その23年のあいだ、メンバーはソロ活動をしたり、そしてある時期からは4人のうち2人でライブするとか、3人でライブするとか、また別の組み合わせで2人がライブするとか、してました。 新学期におけるクラスの席替えみたいに。 そんなライブを観ながら「だったら4人で演りゃぁいいじゃん」って、わたしはいっつも思っていたし、おそらく多くのファンのみなさんもそんな気持ちだったのでは。 「先生、ハリーくんたちは一緒の班にしたほうがいいと思いまーす」って。
「再結成」ではなく「再集結」という言い方での今回のツアー。 その日、名古屋市公会堂に集まったわたしたちは、みーんなそわそわと色めきたっていた、あの頃から23年も歳を重ねているのに。 客電が落ち、ライブが始まった。 あららら、今日のスライダーズはあの日のスライダーズのまんまだぜ。 でも、それは「なつかしい」と言うよりも「現在のリアルな音」。 そんな音をわたしは【ロックンロール】って呼んでいます。 終演後、公会堂の外に出て空を見上げると、名古屋の夜空は少し青かったのさ。
10月某日。浜松の映画館、シネマ・イーラで鮎川誠さんの映画を観た。 今回の上映に限らずシネマ・イーラはホントにセンスのいい素晴らしい映画館。 今年の3月18日が彼の四十九日だったのだが、その翌日となる19日に投稿した超長文のとおり、鮎川誠はわたしにとって大きな存在でございます。 実は彼の逝去後、部屋やカーステ等で彼の音源をまーったく聴いていないんだ。 聴くと泣きそうだから、ではなく、ただなんとなく。 んなわけで「この映画を観た自分はどんな気持ちになるんだろう」っつー客観的なぼくがそこにいた。
映画が始まった。 鮎川さんってのは、これまでのライブのMCやテレビ出演時のおしゃべりでもそうだけど、「くすっ」とこちらが笑っちゃうようなコメントをマジメな顔してするひとなのです。 この映画でもそんな場面がいくつもあって、ライブ時のようにわたしは笑った、静かな映画館なのに。 そして、彼以外にも家族や音楽仲間等、たくさんの方々が登場しているのだが、とある場面でわたしは泣いた。泣いてしまった。 それは号泣という派手な泣き方ではなく、降り始めの雨がクルマのフロント・ウィンドウの上をトゥルー、トゥルーって流れ落ちるような涙。
映画が終わった。 昔も今も彼を形容する言葉として「やさしい」「カッコいい」というものが多用されている。 だがしかし、わたしがこの映画を観た感想は「あー、いつもの鮎川さんだね」だった。 それは「なつかしい」と言うよりも「変わらぬリアルな姿」。 そんな姿をわたしは【ロックンロール】って呼んでいます。
さあ、10月です。 豊橋市二川のライブハウス、AVANTIの月刊小冊子「ヤモリタイムス」10月号が発刊されました。 わたしの800字コラム『淳吉郎のロックンロール・ワンダーランド』も掲載されてまーす。 下記からよろしくどーぞ。
https://avanti-music.com/yamoritimes_19/
☆★☆★☆★☆★☆★ ザ・スリックスのライブ予定です。
the 1970 pre.《SUICIDE BOYS》 ☆10/14(土) 浜松 TEHOM ☆開場/開演 17:30/18:00 ☆料金 2500円(1d別) ☆出演 the 1970 鏖(tokyo) スケベ兄弟(odawara) NEHAN(nagoya) THE SLICKS
ワタナベマモル《命の次にロックンロール・ツアー 2023》 ☆12/16(土) 浜松 TEHOM ☆開場/開演 18:00/18:30 ☆料金 2500円(1d別) ☆出演 ワタナベマモル タオル マシス THE SLICKS ☆DJ 只っ
B.G.M.「THE WHO/WHO」 2019年発表のザ・フーのアルバム。傑作。 アルバム発表後にコロナ大流行となってしまいレコ発ツアーがなかったんだよね。 この時期、世界中のたくさんの音楽家のひとたち、そしてファンのみなさんがおんなじ悔しさを体験しています。 今からでもいいので、レコ発ツアー演ってほしいよね。 だってみんな「リアル」を求めているんだ。
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No.1664 - 2023/10/03(Tue) 23:24:20
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