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記事No.1668に関するスレッドです

新作に導かれる人生にまつわる話 / 淳吉郎
高校生時代にバンド活動を始めたのだが、卒業後もそのバンドのボーカルとドラムとはつきあいが存続した。
ふたりはそれぞれ東京と横浜の大学へ進学し、わたしは地元で働き始めた。
長期連休の際にわたしがあっちへ赴(おもむ)き、横浜郊外にあるボーカルのアパートにて3人で飲み会、というシステムです。
特にボーカルは高校時代からギターを弾いてたこともあり、大学生になるとギター担当としてバンド活動を始めていて、飲み会の際にはギター談義に花が咲いた、もちろん満開で。

シーナ&ロケッツは1984年から1989年に掛けて毎年アルバムを発表している。
まさしくそれは、横浜郊外アパートでの飲み会開催が真っ最中の時代でございます。
高校2年の終わり頃に鮎川誠がマイ・アイドルとなったわたしですから、彼とのギター談義の際には「鮎川誠」という漢字3文字が連呼されるわけで、毎回。
ある時、彼がこう言った。
「おい、ジュン。おまえはシナロケがアルバムを発表するたんびに『今回のアルバムはサイコー』って言ってるに」
「え? うそ?」
「いや、ホント」
これは「どんなひとでも、自分のことを客観視できない」っつー事例のひとつでありましょう。

10月某日。シナロケは『幻の真空パックDEMO音源』というキャッチコピーの新作「1979 DEMO」を発表。
10月某日。ザ・ローリング・ストーンズは18年ぶりの新作「ハックニー・ダイアモンズ」を発表。
そして、その2枚をそれぞれ聴いたわたしはひとりごちる。
「おい、今回のアルバムはどっちもサイコー。1979年と2023年の音源から俺はこれからの道を再確認および再認識したぜ。音楽っていいね」

B.G.M.「FAT POP(VOLUME 1)/PAUL WELLER」
2021年発表のウェラーのアルバム。
マイ・ブラザー(ぼくのお兄ちゃん)健在。
なにが《MOD》かって論議はさておき、「自分のマイブームが常に変わり続け、そこに自分の新作のターゲットを絞り続けている彼」こそ俺にとってのモッド。なんです。

No.1668 - 2023/10/29(Sun) 12:11:43