4月某日。晴天なその日の午前11時過ぎ、所用にて外出。 駐車場まで歩く道すがら、老婆が草取りをしていた。 「こんにちは〜。ありがとーございます。暖かくなりましたねー」 「暖かいをとおり越して暑いよ」 「あははー、ですよねー」 おばあちゃんは長袖着用で、三角形にしたハンカチーフを銀行強盗みたいにマスク代わりにして、帽子もしていた。 そりゃあ暑いだろうと思ったけど、いつまでもツヤツヤの肌を保つためなのかもしれぬ等々考えているといつの間にか目の前がマイカーだった次第。
運転中はいつも音楽を聴いてるんだけど、この日は真島昌利さん1989年発表のアルバム「夏のぬけがら」を選択。 そんな気分だったから。 わたしは常にナニかにもたれかかっている生物。 10曲目収録の『カローラに乗って』ではマーシーと肩を組みつつデュエット、車内と脳内で。 ああ、晴天な日曜日の午前中って、どうしてこんなに幸せな気持ちになるんだろう。
赤信号の交差点でクルマを駐めた。 交差点(クロスロード)ってのは昔から要注意なスペース、なぜなら様々な事象が潜(ひそ)んでいるから。 悪魔と取引きをして【ブルース】ってやつを手に入れたらしい男をひとり知っている。 その場所を凝視していると左折したクルマが本線(ぼくが走ってる道)に合流した。 それを見たぼくは「ギョギョ―っ! リフトバックだっ!」。 さかなクンみたいな声を上げたのは当然です、だって旧車セリカ・リフトバックだったから。
そしてクルマが続く「ギョギョ―っ! ダルマのセリカだーっ! ダァーっ! 27のトレノだーっ! うぉーっ! またもやリフトバックだーっ!」 さかなクンのみならず、猪木さんや東京ドームのストーンズ・ライブで『ミッドナイト・ランブラー』が始まった瞬間の観客のような声まで発してしまったのも無理はありません。 だってトヨタの旧車が合計4台も国道に合流したんだから。 どうやら本日のクロスロードには旧車マニアの悪魔……もとい神様が存しているらしく。
正面の信号が青になるとわたしはマイカーを急発進させた。 走行車線を走る4台に追いつくとわたしは追い越し車線に車線変更、なぜならランデブー走行をしたかったから。 並んだ……胸はドキドキ……そう、女のコと初めてデートした時みたいに。 だがしかし、左側を走る4台の運転手はみーんな高齢男性の方々だった。 いや、サイコーです、40年以上前のクルマを手入れしながら乗っている彼らに大リスペクトでございます。
いつしか正午に近くなり、南に向かって走っている道路の真正面にはお日さまが。 サンバイザーをおろしながらもう一度、ひとりごちる。 ああ、晴天な日曜日の午前中って、どうしてこんなに幸せな気持ちになるんだろう。
☆★☆★☆★☆★☆★ ザ・スリックスの次のライブは今週末です。 新しいベースの方になったマモデビがどんな演奏をするのかがめっちゃくちゃ楽しみです。 もちろん主催のIDOLSも、そしてうわさに聞くアジャラカモクレンズも。 みなさん、ご来場をお待ちしております。
2024/4/20 (土) 浜松だいだい ワタナベマモルがトリオでやってくるぞ〜 O/S 18:30/19:00 前売/当日 2500円/3000円 (+1drink) 【出演】 MAMORU&The DAViES TRIO IDOLS アジャラカモクレンズ THE SLICKS
|
No.1696 - 2024/04/15(Mon) 21:29:57
|