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シーナ&ロケッツ/キャプテンギター&ベイビーロック / 淳吉郎
(この文章は私が以前まで投稿していたブログ;ANOTHER TIME! ANOTHER PLACE!!における2008年4月30日投稿分の再掲載です)

ボクは音楽好き。キミと同んなじっ位、音楽好き。
レコードも集めるしコンパクト・ディスクも集めるし、ミニ・ディスクも・・・ゴメン、さすがにミニ・ディスクは買った事ないなぁ。でもあれだよ、自分のバンド:THE SLICKSの練習ん時には、しっかり録音可能なミニ・ディスク・プレイヤーにて自分等の演奏をチェックしてんだぜ。
客観的に観るのは絶対重要。なぜ?って。だったら鏡を見てみなよ、今すぐに。キミの顔や姿や衣装はキミの世界の産物。自己満足(通称:ジコマン)な海で泳いでる。クロ〜ルぅ?背泳ぎぃ?犬掻きぃ?アイ・ウォナ・ビー・ユア・ドッグ?自分の世界が最高なのは解かってる。だから他人の意見なんて聞きたかない。キミだってそう思うら?俺の海で俺は泳ぐし潮干狩りでアサリも漁るぜ。貝は大好き。酒蒸しで酔っ払うぜ。酔っ払っていてもいなくてもセルフ・プロデュースで曲を造りたいし文字を書きたいし映像を撮りたいし大事な人は守りたい。男も女も。
だけど最高な時に最高なのは文字通り当たり前で。むしろダウナーな時にボク自身を含めたダウナーな世界中のボンクラ共をアッパーにさせれるか?とか、むしろアッパーな時にボク自身を含めたアッパーな世界中のボンクラ共をダウナーにさせれるか?とか。それが重要なのさ。そんな上でも下でもない場所に、砂丘だとか盆地だとか一方通行な道路だとか一面に拡がる台地だとか、そんな処所にホーム・ステイしていたい。代償(たとえば家賃って言ってもいいかな?)を払いながらでも。
背に腹変えられないリアル。100m背泳ぎ競技でクロールできないリアル。そこで泳いでる。そこで漕いでいる。そこで徒歩してる。それを観察していたい。踊ってるボクを見てみたい。汗流してるボクを見てみたい。焦ってるボクを見てみたい。慌てているその様を。リアルな自分を客観的に観るのは絶対重要。

ボクは音楽好き。キミと同んなじっ位、音楽好き。
とあるライブを観に行った。県庁所在地である地方都市の中心からちょっと外れた場所にあるライブ・ハウス。狭い空間に凝縮された空気。誰かが「ロックンローっ!」って叫んだ。それはリバーヴして残響してエコーしてコダマした。その状況を体感した誰かはきっとそれを“ロックンロール山脈”って名付けただろうね。ホントにそんな空間だった。だけどロックンロール山脈の最高峰マウンテンの標高なんて解かんないよ。みんな最高峰に憧れながら目指しながらトコトコ登ってんのさ。
そんなロックンロール登山なんて簡単。「もぉいぃ〜やぁ〜っ!」なんてあきらめた時に終了すりゃいいんだから。「はいはい、下山でござりますね」なんて言いながら受付嬢が下山キップをチョキチョキ。“下界”行きのロープ・ウェイが待ってるぜ。でも忘れんなよ。不用になったギターやベースやドラム・キットは自分で持ち帰れ。邪魔だから。じ・や・ま・だから。
話がそれた。ライブを観に行った話だった。そのバンドは二人のギター弾きをゲストとして呼び入れてアルバムを作った。1986年の事だがアルバム発売に伴うツアーでも二人のうちの一人がギターとして参加していたんだ。ぎゅう詰めのフロアー。背が低いボクはステージ左側の壁際に陣取りうまい具合にビールケースかなんかで一段高くステージを見晴らす事ができたんだ。演奏が始まる。ゲスト・ギター弾きがすぐ近くに居る。何曲目かで彼と眼が合った。ギターを弾きながらジッとこちらを見てる。ボクもジッと見返す。どぉしよう?笑顔を返すしかないら。照れ笑いか?
ボクのそんな照れ笑いにギター弾き:山口冨士夫さんも笑みを返してくれたんだ。


写真は1986年発売、『GATHERED』発売ツアーにおけるシーナ&ザ・ロケッツのライブ盤『CAPTAIN GUITAR & BABY ROCK』。
実力のあるバンドのライブ盤ほど聴いていて楽しいものはないね。そしてこのライブ盤の特筆すべき点は“Big Thrill”“Captain Guitar & Baby Rock”“The Very Last Kiss in The World”っていうスタジオ音源では聴けないオリジナル曲が3曲も収録されているって事なんだ。


※山口冨士夫さんの訃報を先ほど知りました。ご冥福をお祈り致します。

No.1081 - 2013/08/15(Thu) 19:59:38
夏休みの風景。 / 淳吉郎
我がロックンロール・ライフを応援するような、しないようなネコが一匹いたりして。
No.1080 - 2013/08/13(Tue) 20:15:06
ギターとアンプの話。 / 淳吉郎
わたしはティーンエイジャーの終わり頃から働き始めたわけですが。
最初に勤めた職場が中小企業の「小」に区分けられる規模の町工場(まちこうば)でした。
社長は、仕事は大胆かつ細かい、アイデアにあふれてる、新しいものが好き、話が好き、ユーモアがある、そして、いろんな人生訓を教えてくれました。やっぱり町工場の社長。そんな中のひとつに『人の前で素直に謝れる男が本当に強い』というのがありました。トラブルが発生した時に、相手に対し自分の非を素直に認めるというのは中々できるものではありません。みんな自分がカワイイのです。

先日のライブでわたしは自分の演奏にダメ出しをしました。「バンドで音を出す」という事に対する自分の意識の低さにあきれてものが言えなくなってしまいました。自分に対して。
ところがどうした事でしょう、あくる日の月曜日、わたしは「そういえば機材の調子が悪かったような気がするわ。ギターの音もプチプチ接触不良っぽい音してたし、アンプもリハの時点より本番は音の抜けが悪かったような気もするし。もしかしてわたしに罪は無いのかもしれない。そうよ、悪いのはきっとあの機材の人達よ。いや、間違いないわ」なんて、どこかのツラの皮が厚い政治家みたいな発想をしてしまったのです。

バンドの練習をいつもしている楽器屋へギターとアンプを持参しました。事情をお話しすると馴染みの店員の若者はこう言います「いやぁ、アンプってのはデリケートですからね。下手なペットを飼うよりも手が掛かりますから」。『ペットを飼う』という名詞と動詞に思わずわたしが反応したのは言うまでもありません「うちのネコはねぇ、名前をミックって言うんだ、カッコいいら、ミックはねぇ音が解かるんだよ、この前も俺がギターでシナロケの曲を弾いたらいきなし立ち上がってよぉ、こっち近づいてきたんだぜ、本当だぜ・・・っておまえ、バカな事、言ってんじゃねぇよってな顔でなにヘラヘラ笑ってやがんだ、おおぅ?やるか?この野郎、20年使ったタワシみてぇな髪型と賞味期限切れのシナチクみてぇなマユ毛しやがって」なんて言いそうになりましたが、ここで争い事になりギターとアンプの修復ができなくなると、必然的にあの日のライブの悪さはわたし自身の問題という事になるのを恐れたわたしは「そうですよね、アンプさんはデリケートさんですよね」と答えました。みんな自分の非を認めたくないのです。みんな自分がカワイイのです。

そろそろ直ってくるはず。次の練習が楽しみです。


『シーナ&ロケッツ 35thロッキンツアー2013』
AVANTI 3rd Anniversary Special
2013年8月23日(金) 豊橋AVANTI
O/S;19:00/20:00 前売\4500 当日\5000(1d \500別)
出演;SHEENA & THE ROKKETS,THE SLICKS

チケット購入はこちらで。
◎AVANTI 店頭販売
◎e+(イープラス・チケット)
◎THE SLICKSの手売り


写真は浜松のsone recordsで買ったレコード。大好きなSHE&HIMの3rdアルバム“VOLUME3”。今回はブロンディのカバーも演ってて嬉しかった。来日公演熱望。

No.1079 - 2013/08/06(Tue) 23:45:15
マイクの話。 / 淳吉郎
ザ・ビートルズが日本武道館でコンサートを演った映像を見た事がある。全くビートルズの存在を知らなかったティーンエイジャーの頃です。テレビで放映してた。んで見終わった後、まるで白米にふりかけを掛けて食べた後の茶碗に付いた海苔のように、脳の裏にこびり付いたシーンがあって、それはポール・マッカートニーが唄ってる最中、マイクスタンド上部のマイク本体がズリリって動いてしまうシーンだった。
まだファンじゃなかったけど「演りにくそうだなあ」「かわいそうだなあ」「こりゃ絶対、終演後にポールは設営担当者を呼びつけて『キミらの会社は何をやっとるんだね。えっ?この前もこんな不良を出したばっかりじゃないか。えっ?ナカムラくん。だからダメなんだよ、キミの会社は。不良対策書を書いてきなさい。来週の金曜日が提出日。わかったね。前回みたいにヒューマンエラーです。作業員の教育をしました。みたいな対策じゃダメだからな』なんて大きな目を逆三角形にして怒ったんだろうな」とか思ったり、思わなかったり。
帰宅後に酔っぱらって、暇つぶしに遊びで日記を書いてるつもりが、いつしか、なんだか、仕事をやってる気分になっちまったぞ。

土曜日は磐田市のライブハウス;FMステージへ。BEATSEEKER企画“MODERN PLOT VOL.6”。
全6バンド出演。見事に全国各地からいろんなバンドが集まり、観てて飽きがこないイベントだった。個人的に四日市のバンド;アントニオスリーのトランペットのお姉ちゃんが特に気に入った。終演後インタビューをした。吹奏楽出身との事。なのにあそこまでアヴァンギャルドに吹けるなんて、すごい努力をしたと思う。寿司職人がメキシコ料理人に変身したようなものと思われ。
タッキー、企画お疲れ様。

日曜日は浜松市のライブハウス;G-SIDEにTHE SLICKS出演。TAKUMiX企画“THE CALL UP! VOL85”。来てくれた皆様ありがとうございました。タクミックス誘ってくれてありがとう。
全7バンド出演。スカやら弾き語りやらパンクやらロックンロールやらロックやら。これぞタクミックス企画。楽しかった。
ザ・スリックスのライブ。唄ってる最中にマイクスタンド上部のマイク本体がズリリって動いてしまった。あの時のポールみたいに。それ以外にも個人的に反省点多いライブだった。次回からは演奏する上での基本に戻ろうと思った。しっかり歌を唄う、しっかりギターを弾く。気合やノリだけで演奏してるのは、しっかり噛まずに、味を楽しまずに、バカ喰いしてるようなもんだと思う。カッコいいとは思えないので。
不良対策書にはそう書こう。

写真はアントニオスリーとガソリンの四日市ガレージバンド・スプリット。

『シーナ&ロケッツ 35thロッキンツアー2013』
AVANTI 3rd Anniversary Special
2013年8月23日(金) 豊橋AVANTI
O/S;19:00/20:00 前売\4500 当日\5000(1d \500別)
出演;SHEENA & THE ROKKETS,THE SLICKS

チケット購入はこちらで。
◎AVANTI 店頭販売
◎e+(イープラス・チケット)
◎THE SLICKSの手売り

No.1078 - 2013/07/30(Tue) 23:13:17
ノイズ天国の話。 / 淳吉郎
音楽好きが集まると音楽の話になるんだけども。
50年代〜60年代〜70年代〜80年代の外国音楽が好きな人たちが集まると「オリジナル・タイトルに対する我が国での邦題のつけ方」の話題になる事がままある。映画でもそうだけど。だいたいにおいて「こりゃ、ありえんら」なタイトルが話題の中心だね「“TOO-RYE-AY”をどこでどうすれば“女の泪はワザモンだ”になるわけ?」みたいな話で。
ウィルソン・ピケットのLPを買った時の1曲目に「LAND OF 1000 DANCES / ダンス天国」って書いてあった。これは問答無用でカッコいいと思った。小麦色の肌をした姉ちゃんが、花柄のビキニ姿で、長い黒髪と右耳の間にハイビスカスを挟みながら、砂浜でくねくね踊ってる姿、がまぶたの裏っ側の白いスクリーンに映写されたもんさ。
カッコいい言葉というのはそれだけで映像を出してしまうのです。

土曜日は静岡市のライブハウス;騒弦へ行こうと思った。けど、その前に島田市のレコード屋;カセット・パンク・レコードへ寄る事にした。久しぶりに行ったけど、やはりヤバいレコードがゴロゴロしてて。レコードがこっちを見てる。「わたしを買って。ね、あなた、わたしの事ず〜っと探してたでしょ。ね、早く買って。お願いだから・・・」「ごめんな、今日はちょっと手持ちが少ないんだ。また今度キミに会いに来るよ」。
5月からネコを飼いだしてるんだけど、ニッポン語がわからぬネコがネコ語で話しかけてくるからニッポン語しかわからぬ吾輩はニッポン語で返答をする。だからカセット・パンク・レコードでもレコード語で話しかけてくるレコードにニッポン語で返答をしてしまったようだ。

騒弦はUP-TIGHTと庭のスプリット音源のレコ発だった。全5バンド(個人演奏含む)出演。見事に個性あふれる5つの演奏だった。オリンピックの五つの輪のマークみたいな感じだった。離れてるけど繋がってるみたいな。刺激を受けまくりました。

ロンドン五輪からもう一年か。早いなあ。次はリオデジャネイロ?すぐ来るんだろうね。大会はどうなるんだろう。そしてその頃の日本の政治はどうなってるんだろう。あなたもぼくも相変わらずブゥーブゥー不平を垂れてるのかね。

今週末、ライブです。

THE CALL UP! Vol.85
☆2013.7.28(日)☆浜松G-SIDE☆O/S 16:00〜
☆A/D \1800/\2300(1d別)
☆出演;TAKUMiX MITSUDER-MAN,摩擦原因,Kiwpie(THE INDEX),
Djan Da Lamonde,The 弾丸ノイズ,SOTARO,THE SLICKS
☆DJ;TAKe,MASA68

写真は購入音源の一部。左がUP-TIGHTと庭のCD。7インチ風のジャケット。カッコいい。
タイトルが無いみたいだけど俺が付けるとしたら「LAND OF 1000 NOISES / ノイズ天国」これで決まりだね。
右がドイツの70年パンク:PACKというバンドのアルバム。いなたいいでたちといなたい楽曲といなたい演奏。でも何回か聴いてたらハマった。ガレージっぽさとかR&Bっぽさとかも混在してる。こんなバンドが70年代のドイツに存在してたとこが驚愕なのだ。

No.1077 - 2013/07/23(Tue) 22:13:50
お披露目会の話。 / 淳吉郎
「よぉ〜し!買うかぁー」なんつって舶来品のエレクトリック・ギター(以下エレキと表記)の購入を決定した時は天下を取ったような気分だった。ような気がする。映画『仁義なき戦い』の登場人物のような歩き方をしてしまっていたかもしれない。
数か月後に手元にエレクト・ギター(以下エレキと表記)が到着した。数日後、バンドの練習時に持参したわけだけど、なんか嬉しいような、なんかメンバーにわたしの自慢げな心持ちを悟られたら恥ずかしいような、でもメンバーの誰にも新しいエレキ・ギター(以下エレキと表記)持参が気づかれる事なく練習が終了してしまったらわたしは悲しい。
お披露目パーティーは新しく購入した我がエレキの一生を決定づけるような。そんな気がして。

先々週と先週のどちらも日曜日、愛猫のお披露目パーティーが我が家で挙行された。幹事は家内。わたしは調理担当。そして幹事も肉じゃが(ニック・ジャガー)を調理。たくさんの友達が集まってくれた。どうもありがとうございました。たくさんの差し入れにも大感謝です。
今回のイベントにおいて家内とわたしが関心を抱いていたのが「自分ら以外の人間と初遭遇するミックの反応」であった。ワクチン注射に行っても「病院でまったくビビっていなかった」という家内からの事前情報にもあった通り、人見知りまったくしない人なつっこさ。嬉しかった。
みなさんが「ミック!ミック!」なんて大絶叫で彼の名を呼んでくれてる日曜日の午後の我が家は、まるでザ・ローリング・ストーンズのライブ会場みたいだったぜ。

7月13日(土)は浜松市内のライブハウス:G-SIDEへ。2年前に解散したバンド、DREXが再結成ライブを行うとの事。様々なバンドの再結成が数年前から話題を呼んでいるけども、俺自身はそんなに感動しないタイプ。だから再結成ライブに行く事も少ない。
DREXのリーダー、TAKUMiXの友人が率いるスケートボード・チームがDVDを発売との事。そのDVDの挿入歌に多くのDREX音源が収録されている流れから映像お披露目会となるその夜のみ(?)の再結成ライブになった模様。
当然の事ながら会場は酸欠状態の満員。DREXの演奏を観てて思ったのは「やっぱカッコいい楽曲だな」って事。彼らの現役時と同んなじ事を現在でも感じれるって事。これは素晴らしい事だと思う。
そして同んなじ位に感動したのがスケボー・チームのDVD。映像も、内容も、音楽も、そして舞台挨拶もしたリーダーの方の姿勢。最高だった。DVDを買おうと思ったのに物販してなかったような気が・・・残念。


あの日、一生を決定づけられた我が1987年型のワインレッド色・レスポール・カスタムがこの日も一緒でーす。
THE CALL UP! Vol.85
☆2013.7.28(日)☆浜松G-SIDE☆O/S 16:00〜
☆A/D \1800/\2300(1d別)
☆出演;TAKUMiX MITSUDER-MAN,摩擦原因,Kiwpie(THE INDEX),
Djan Da Lamonde,The 弾丸ノイズ,SOTARO,THE SLICKS
☆DJ;TAKe,MASA68

写真は愛器と愛猫。

No.1075 - 2013/07/16(Tue) 22:50:29
『こら!ミック!?B』 / 淳吉郎
歩いてると街頭インタビューが開催されていた。近づくと綺麗なインタビュアーのお姉ちゃんから声を掛けられる「健康についてお訊きしておりまーす」「あっ、そうですか、えーと・・・」「健康のイメージを一言で言うと?」「その・・・あの・・・ロ、ロ、ロ、ロックンロールで踊れること!」「ありがとうございました!」

『快食,快眠,快便』。なんて素晴らしい言葉だろう。カイショク-カイミン-カイベン。このビート感!カ行が三つ並ぶとなんかイイね。だね。“健康のイメージ”にぴったりだ。

ミックと暮らし始めて2日後、家内から「やっとミックがうんこを出した」との報を受け取った。食べてるのは確認した。寝てるのは確認した。だがしかし、排便行為及びうんこの存在はまだ確認できていなかった。一安心。ミック大きくなれよ。

「よおしミック!どんどん喰え!どんどん寝ろ!どんどん出せ!大きくなれよ!この際だ、おめぇ10メートルぐらいまで成長しなさい。さすがにギネス載るよなあ・・・マスコミの取材でしょ・・・コマーシャル出演依頼殺到でしょ・・・ネコ映画『巨大ネコ:ミック出現!(実写版)』制作でしょ・・・俺さあ、実はさあ、もう働きたくないんだよ、ミックさあ、俺たちを喰わしておくれよ、頼むよお」
「にゃあ(オッケーオッケー、でもジュンキッチー、もう午前6時半だに、出勤時間だら、早く行かにゃあ遅刻して給料とボーナス査定に影響及ぼしちゃうら)」
わたしはクルマに飛び乗った。

動物は人間と比較すると聴力に長けているという話をよく耳にする。したらば我が家、部屋でギターを弾く時はどうしたものかと。ミニ・アンプに常設されているPHONEジャックにてヘッドフォン使用もいいが、はた目から見るとプロ・ミュージシャンのレコーディング風景のスナップ写真みたいで小恥ずかしい。「まあミックには申し訳ないがエレクトリック・ギターの肉感的な金属音に慣れてもらうしか手段はあるまい」そう思いました。

PEAVEY製75ワットの真空管アンプの赤ランプが灯っている。リッケンバッカー330モデルを弾く♪ギャイ〜ン♪来た来たキタぁーっ!わたしはエレクトリック・ギターを弾き始める。
ミックはアンプの後方に設置されてるソファーの上でくつろいでいる。肉感的金属音に抵抗はない模様。次第にギターを弾くわたしの近くに寄ってきた、こっちを見たまま。

「ミック!この曲知ってるか?サンハウスとシナロケの名曲『ビールス・カプセル』さ」
♪ギャギャーギャーギャギャ ギャギャーギャーギャギャ ギュア〜ん♪
曲のイントロを弾き終わるとミックが立ち上がった。信じられないかもしれないが本当の事だ。

「ミ、ミ、ミ、ミック!お、お、お、お前、俺のギターに反応してくれたな!それも鮎川さんのギターフレーズを弾いた瞬間に!」
「にゃあ(まあ、そこそこだな。サービス・ポイントをお付けして75点ってとこさ。だけどねぇ、マコちゃんとジュンキッチーのギターにはねぇ、最大の違いってのがあるんだよ。わっかるかなー?わっかんねぇーだろーなー。なんか知りたそうな顔してるね。いいだろう、ひとつヒントをあげるよ。俺が今こう言った瞬間に最大の違いの答えを知りたいと思っただろ?そこだよ、淳吉郎くん)」
ネコの耳が敏感ってのは本当かもしれないかもしれないかもしれない。


写真を見たい方はこちらからどうぞ。
http://mob.ap.teacup.com/mods/

No.1074 - 2013/07/11(Thu) 22:38:12
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