THE SLICKS BBS

ザ・スリックスのライブ予定です。

2024/4/6(土)浜松TEHOM
the 1970 presents《THE KNOCKERS 名もないツアー2024》
OPEN 18:00 / START 18:30 CHARGE \2500(+1Drink)
【出演】
the 1970
THE KNOCKERS
the SCOOTERZ
BEATSEEKER
THE SLICKS
【DJ】
MASA68


4/20(土) 浜松ダイダイ
O/S 18:30/19:00 前売/当日 2500円/3000円 (+1drink)
【出演】
MAMORU&The DAViES TRIO
IDOLS
アジャラカモクレンズ
THE SLICKS










《冬のひまわり》?@ / 淳吉郎
週末のデートが終わり、誠二は悦子のうちの玄関前に車を駐(と)めた。
十二月最初の日曜日。あたりにイルミネーションの明滅する家屋がいくつか見受けられる。
助手席の悦子にお別れのキスをすると誠二は言った。
「ねぇ、エッコ。今年のクリスマス・プレゼントには何が欲しい?」
フロント・ガラスの向こう側でちかちかと灯る青い光。それを見やりながら、悦子はこう答えた。
「そうね……あたし、冬のひまわりが欲しいわ」
「は? どうしてひまわりが冬に咲くんだよ?」
「んーん。あたし、見たことがあるの」
首を横に振りつつ悦子はまじめな顔で言った。
「うそつけ」
「ほーんとよ」
本当なのか、嘘なのか。本気なのか、冗談なのか。悦子はいつもこんな感じだ。

誠二は二十四歳、悦子はひとつ年下の二十三歳。つきあい始めて丸三年が経っている。
出会いはライブ会場だった。誠二がギターを担当しているロック・バンドのライブに、悦子は客として来ていた。
終演後、誠二のほうから声を掛けた。理由は至極簡単、悦子が着ているTシャツにボブ・ディランのアルバム・ジャケットがプリントされていたからだ。
「こんにちは。はじめまして。今日はありがとう」
あたかも俳句を詠(よ)むような口調だ。女性に声を掛けるのはもともと得意なほうではない。
「あ、おつかれさまでした」
「カッコいいTシャツ着てるね、ディランの二枚目『フリーホイーリン』」
「うん。あたし、ジマーマンの顔が好きなの」
ディランとは言わず、同級生のように彼のことをジマーマンと本名で呼んだ。多くの人間がディランの歌詞や声を褒(ほ)めそやすなか、第一声で「顔が好き」と言った。
風変わりなコだな。誠二が抱いた最初の印象がこれである。

帰り際に言われた「冬のひまわり」のことが頭から離れない。シャワーを浴びて、ふとんにもぐってからも、脳内の銀幕スクリーンに写しだされているのはその七文字だ。
「あのとき、あたし見たことがある、たしかにエッコはそう言った。もしかして、夢で見たことと現実がごちゃまぜになっているのかも。ま、いつものことだけど」
誠二は微笑(わらい)ながらひとりごちる。
「でも、たとえ夢だったにしろ、今回はそれを現実にしてあげたいなあ」
クリスマスは大の大人でさえ、ロマンチックにさせてしまう。
翌日からあたらしい一週間が始まったが、誠二は気が気でなかった。仕事をしていても、七文字が頭のなかを歩き回っていた。裸足(はだし)のまんまで。
アイデアがなかったわけではない。たとえば南半球へ旅行するとか。
しかし、赤道以南への旅行を今から計画するのはどだい無理な話。百歩ゆずって現地に行ったとしても、その地は夏。咲き誇るひまわりを見た悦子が「これは夏のひまわりでしょ」と冷静に指摘する顔を、誠二は容易に想像できた。そしておそらく、自分も気の利いたセリフでその場を立ち回れないであろうことも。
ひまわりの実物をあっちから輸入することも考えたが、植物防疫法というものがあり、あえなく却下。むしろ「世の中にはいろんな法律があるもんだなあ」などと、感心している誠二がいた。

?Aに続く

No.1616 - 2021/12/03(Fri) 00:07:42
某日日記 / 淳吉郎
11月某日、市内の画材店を訪うた(おとのうた)。
油絵キャンバスF10号用の額縁を購入するために。
なぜなら10月24日の投稿文で申し上げた浜松市内の画廊:ブンダ―ガンマーにおける友人画家の展覧会において彼の絵画を購入したからだ。
どなたもお気に入りの写真やポスターなどを額に入れて自部屋に飾った経験はおありでしょう。
そして、場合によっては額選びに苦心されていることかと。
今回の絵画は額縁がない状態での購入だったんで、額縁選びにおいらのセンスが問われるってことで。
だから、不良少年が革ジャンのエリを立ててコトに臨むようにわたしも運動靴ではなくブーツで画材店に入店した次第。

当然のことながら絵画から放出される色彩やデザインを考慮に入れての額縁選びとなるのだが、これがまた想像以上に困難を極めた。
それはまるで「額縁選び」という名のヒマラヤ登頂みたいなものか。
数十分に渡る額縁ドラフト会議のなか、わたしはひとつの額縁を手に取りレジスターのもとに歩み寄った。
レジスターはおそらく店主の奥方であろう80歳前後の老婆。
彼女はどーゆーわけかクレオパトラの3分の?Tぐらいな高さの鼻っ柱にバンソウコウを横向けで貼り付けている。
クレオばあちゃんはぼくに向かって「(欲しい額縁は)決まりましたか?」とやさしく微笑んだ。
ぼくはナポレオンのような威厳ある顔つきで「決まりました」って返答した。
ナポおじちゃんは部屋に戻るとさっそく絵画を額縁に入れたのです。
これがめっちゃくちゃバッチリはまっていて、額縁に入ったその絵を眺めながらナポおじちゃんはヒマラヤ登頂に成功した登山家の顔つきで「俺に乾杯!」つって小さくちいさくガッツポーズ。

ストーンズが1981年に発表した「刺青の男」というアルバムの11曲目に『友を待つ』という楽曲がある。
ぼくはこのプロモ映像が大好き。
大都会のとあるアパートの入り口で来(きた)るべきひとを待っている役柄をミック、そしてタバコを吸いながらそこに向かって歩く野郎の役柄がキース。
11月某日、とある男が浜松駅近郊の焼き鳥屋で友人を待っていた、あの日のミックのように。
やがてあの日のキースみたいに彼の友人が現れた。
ふたりは再会の握手をかわすと階下の店に足を踏みいれた。

座席に座るとキース役の男は開口一番こう言った「ジュンちゃん、最近のスリックスはどーすか?」
ミック役の男もすかさず二の句を継いでこう言った「フクちゃん、フォノシックス、そしてウィズもどーよ?」
盟友そしてライバルであるフクちゃんとの10ヶ月ぶりの飲み―ティングがこうして開催されたんだ。
ココントーザイ、ローニャクナンニョ、スイキンチカモクドッテンカイメ―、ぼくたちふたりが幼少の頃から影響を受け続けているロックンロールについて、この日も会話は止まらなかった。
それはやっぱり、あの日のプロモ映像の後半とちょっぴり似ていた気がする。

B.G.M.「ザ・クロマニヨンズ/もぐらとボンゴ」
B面の「冬のくわがた」もそうなんだけど、このシングルは個人的に超待ってました感が特大でサイコー!
あくまで個人比なんであしからず(笑)

☆★☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックス、次のライブです。

12/18(土) 浜松G-SIDE
N.J.P 〜6th gig〜 NOZU the Last Show
\2,000(+1D) students\500 off
open 17:00/start 17:30
-act-
THE JASON BLUE-RAY
NOZU
The弾丸ノイズ
B-29
THE SLICKS

No.1615 - 2021/11/28(Sun) 22:10:11
某日日記 / 淳吉郎
バイクや電車や飛行機などで幾度か旅をしたことがある。
二十代の頃の職場でお世話になった上司のおばさんは旅好きで、「旅行は心の洗濯」と言っていた。
うん、そのニュアンスはなんとなく伝わってきたが、当時のぼくにとって旅っつーのは「知らないところへ行ってみたいだけ」な感じだった。
たとえば「2001年宇宙の旅」ならぬ、わたしの「25歳北海道ツーリング」はとってもダウン・トゥー・アースな旅だったのさ。

11月某日。浜松市内のお店《黒板とキッチン》に初めて訪うた(おとのうた)。
知らないお店に初めて行くっつーのは旅の「あの感じ」にちょっと似ている、たとえ市内だったとしても。
黒板とキッチンだなんて、まるで小学校の家庭科授業における調理実習みたいじゃないか。
そして、その所在地は浜松を代表する立体駐車場のひとつである万年橋(まんねんばし)駐車場の1階スペース。
こちらも負けず劣らず珍妙な名前。
音楽仲間であるEmon Denikerくんとニシムラユキちゃんのライブ観戦なのさ。

Emonくんの今回のライブは音響機材を使用したいつもの「ひとりバンド演奏」ではなく、アコギでの弾き語りだった。
でも、彼はいい楽曲を作るから、その日もいつもとおんなじ音が鳴っていた。すばらしい。
ユキちゃんはエフェクターによる「ループ」という技法を駆使したギター演奏だった。
エフェクターを使用しないわたしにとって、ループで立体的に音を構築する彼女のライブはまさに「ウルトラC」な世界なのさ。すばらしい。
黒板とキッチンで調理実習のはずだったのに、おふたりの美味しい料理をご馳走になりました。ありがとう。

11月某日。静岡市内のお店《ピンパーズ・パラダイス》に訪うた。
その日は静岡の音楽仲間であるカトちゃん、サワミちゃんとのロック・ミーティング(という名を借りた呑み会)だった。
ピンパラへは通算2度目。
2度目つったって、初回と比較すりゃあ、それはスキンヘッドに毛が生えたようなもの。
ほら、南からの風で、産毛(うぶげ)がユラユラと揺れているぜ。

カトちゃんは5年前のシナロケ浜松ライブで共演したバンド、D.F.のボーカルであり、現在はCCライダーで唄っている男。
サワミちゃんはシナロケが山口冨士夫さんを加えてツアーをした80年代中盤の『ギャザード・ツアー』、その静岡ライブを観たことを自慢するぼくに対して「わたしもそれ行った」って即答した女性。
つまり、おふたりは静岡在住の筋金入りなロック・フリークなのです。

筋金入りっつーと、どこかしら金属人形のようなガキンガキンした動きをするひと、もしくはナニかに対してナニかしらの意見を述べたひとに対し「だーかーら、おめーはわかってねーんだよ」みたいな、まーったくもってハートの柔軟さが欠如したようなひと、そんな印象を与えます。
だがしかし、もちろんカトちゃサワミちゃはそんな筋金入りなんかではなく、ハッピーで柔らかな時間を提供してくれる方々なんで、おかげで俺はずいぶん酔っぱらっちまったぜ(笑)
カトちゃサワミちゃ、ありがとう。

あ、それと追記。
通算2度目のピンパラなのに、ちゃっかりとわたしは我が家からレコードを持参して、30分ほどDJをやってしまいました、常連の顔をして。
選曲はニッポン語のロックンロール限定で。
振り返ると、他のDJよりわたしが流すレコードの方がちょっと音量がデカかったかもしんない。
DJメインのパーチ―ならまだしも、みんなが普通に飲んでるんだったら音量で会話の邪魔をしちゃいけないと思ってます。
でもまあいいら、だって楽しい週末の場面ではどんなことでも許されることが多いのさ。

B.G.M.「ベートーベン/ピアノ・ソナタ第8番ハ短調《悲愴》」
ベートーベンの楽曲って、どんな曲でも1曲の中で繊細さとダイナミックさが共存しがつら、すっごくポップなんだ。もうサイコー。

☆★☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックス、次のライブの詳細が決まりました。
みなさん、よろしくです。

12/18(土) 浜松G-SIDE
N.J.P 〜6th gig〜 NOZU the Last Show
\2,000(+1D) students\500 off
open 17:00/start 17:30
-act-
THE JASON BLUE-RAY
NOZU
The弾丸ノイズ
B-29
THE SLICKS

No.1614 - 2021/11/20(Sat) 09:02:14
ツバメにまつわる話 / 淳吉郎
歩きつかれたひと
と掛けて
ツバメの子育てを見つけた
と解く
その心は
ちょっとそこに座ろう(スワロー)

7月末、上記のなぞかけをこっそり作成したのには理由がある。
6月末ごろ、勤務先の事務所入り口上部にツバメが巣を作り、子供を育てはじめたからだ。
ちっちゃな巣の中でじっと親の帰りを待つ4匹のヒナたち。
そんな姿を毎日、見ているから、そして日々、親から口移しでご飯をもらっているヒナたちが育っているのがわかるから。
気づくと、いつしかわたしは私設応援団を結成していた。
団員および団長をわたしが兼務、なぜなら構成員はわたしひとりだけだから。

7月中旬になると、わたしが朝、出社した時点でヒナたちは巣にはいないようになった。
お母さんと一緒に飛行訓練をしているんだな、団員兼団長のわたしはそう推測。
「フレー! フレー! ヒ・ナ・ちゃんっ!」
心のなかでわたしは掛け声および笛および太鼓、もちろん手拍子も兼任、なぜなら構成員はわたしひとりだけだから。
そんでもって、わたしが退社する時にはひっそりと4匹が巣のところに並んでいるのさ。
だがしかし、今やまるまると成長したあの子たち4匹全員が昔のように巣の中にきっちり納まるわけがなく、よく見ると3匹が巣の中、1匹が巣のふちにちょこんと座っている次第。
ツバメ兄弟の中にも社会があった!

7月下旬のある晩、わたしが退社する時、巣には誰もいなかった。
「おそらく外泊だろう。ま、いいじゃねーか、昔からかわいい子には旅をさせろって言うし」
団員兼団長はひとりごちりながら帰路についた。
そして次の日も、その次の日も巣には誰もいなかった。
「ああ、そうか……ついに巣立ったんだね。独立したんだね。だけどさ、サヨナラの言葉は似合わないぜ。だから俺はこう言う、グッド・ラックっ!」

今回、上記の投稿文を作成したのには理由がある。
10月某日、プロ野球セ・リーグでヤクルト・スワローズが優勝したニュースを受けた。
わたしは中日ドラゴンズのファンですが、ヤクルトが優勝したことは実際快適うれしい。
いわゆる「B級ナントカ」って呼ばれるものが、A級を越えるカッコよさや強さを見せた時に覚える快感にそれはちょっと似ている。
でも、次はクライマックス・シリーズとかいうヤツがあるんだよね。
でも、なんか好きじゃないんだよなあ、1位のチームが日本シリーズで戦えばいいら。
あれとおんなじ、比例代表制で復活当選ってやつと。
まあカッコ悪いこと、悪いこと。

そんなツバメにまつわる話でした。

B.G.M.「シーナ&ロケッツ/グッドラック」
1980年発表、シーナ&ロケッツのアルバム「チャンネル・グー」のB面3曲目に収録。
シーナではなく鮎川さんが唄ってるんだけど、曲調と歌詞の内容と鮎川さんの声質がピッタリとトシちゃん、あ、違った、マッチしてると思います。

☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックスは12月18日(土)に浜松某所にてライブ予定です。
詳細は後日発表にて

No.1613 - 2021/11/05(Fri) 00:50:06
某日日記 / 淳吉郎
音楽関連の店であれ、友人宅であれ、職場であれ、目的地への通い路(かよいじ)において、とある建造物が取り壊され、更地になっていたとする。
「あれ? ここどんな建て物だったっけ?」
誰でも経験があると思います。
わたしたちはなにかを見ているようで実はなんにも見ちゃいない「ただなんとなく生きている」だけの生物なのかもしんない。
身近なひとのヘアースタイルが変わったことに気づかないとか(笑)

10月某日、画家である友人の展覧会に行った。
場所は浜松市中区鴨江に存する鴨江ヴンダーカンマー。
友人から展覧会の報を受けたとき「ん、鴨江け? そのギャラリーは初耳だよな。知らんかったわー」なんつって、わたしは即座にネット検索。
地図を見て驚愕した。
だって、ギャラリーはわたしが浜松繁華街へクルマで出かける際の通い路に存在していたからだ。
そうか、わたしはなにかを見ているようで実はなんにも見ちゃいない「ただなんとなく生きている」だけの生物なのかもしんない。
国営放送の番組キャラクターである女のコから「ボーっと生きてんじゃねーよ!」つって叱責されること必至(ひっし)です。くぅ。

ヴンダーカンマー、実に怪しげな語感。
所有するレコードやCD音源および映画や小説、購読する新聞紙、自治会の回覧板では見かけたことがない単語。
わたしは即座にネット検索。
こう記されていた「ドイツ語で《驚異の部屋》」「珍奇なものを展示するスペース」等々。
なあんだ、やっぱりそうじゃん。
初めてローリングストーンズって単語を知った時、その語感に「硬そうだけど柔らかい石が流麗に転がる光景」を思い浮かべた、あの時とおんなじ瞬間です。

いつもはクルマで走行する通い路、そこを今回はトボトボと徒歩で向かうとそのギャラリーが出現した。
玄関の時点ですでに「驚異の部屋もしくは珍奇なものを展示するスペース」感が大量放出されている。
「やっぱ、これだよな」つってわたしはアンガス・ヤング氏のごとく激しくヘッド・バンギング……もとい首肯した次第。
♪ダダダ・ダダダダ・アンガスっ♪

美術館などで絵を見たとき、わたしがよく使う言葉は「絵の具の匂い」である。
彼の絵画はこれまでネット上で幾度も拝見している。
だがしかし、今回、眼前にある彼の生作品から感じたのは「絵の具の匂い」ではなく「形を持たない、どこかドロドロとした情熱みたいなもの」だった。
そして、それは珍奇なものが所狭しと陳列されている驚異の部屋に実にフィットしていたんだ。

事前にギャラリー訪問の日時を彼に伝えておくことはしなかった。
タイミングが合えば会えるだろうし、なによりも作品を見ている横で作者から作品ごとの解説を受けることをぼくは好まないからだ。
絵を見終えてオーナーの方とも会話をしてたら、2時間ほど経過。
「んじゃぁ帰ります」つって階下に降りたら、ニルヴァーナのTシャツを着た彼が現れた。
ほらね、そーゆーことなのです。

9月は鴨江アートセンター訪問、10月は鴨江ヴンダーカンマー。
今、中村家では鴨江が熱い。か。

B.G.M.「内田光子/モーツァルト・ピアノソナタ第11番『トルコ行進曲つき』」
先日、ショパン国際ピアノコンクールで日本人のピアノ弾きの方が2位になったニュースを知った。
これまでの最高位は1970年にこの内田さんが受賞した2位とのことで、実に51年ぶりの快挙なんですって。
この一年間、このCDをよく聴いているから、勝手に縁という都合のいい言葉を感じてる(笑)

☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックスは12月18日(土)に浜松某所にてライブ予定です。
詳細は後日発表にて。

No.1612 - 2021/10/24(Sun) 11:54:12
楽しきライブハウス・ステーションにまつわる話 / 淳吉郎
一日の仕事を終えて、駐車場でオート・マティック車のエンジンをまわし、ギアをPからDにシフトする。
カー・ステレオからはゴキゲンなロックンロール。
学生時代はラジオ・ステーションからそれをキャッチしていた。
だがしかし、今はラジオではなく自家用車でぼくセレクトCDをオレDJが流すんだから、サイコーなのは当たり前。か。
そして帰宅時の毎夜、気になるのは月の形である。

新月の頃はまったく暗い夜空。
満月の頃はまーったく明るい夜空。
ステージ上のスターを照らすピン・スポットのように、月光はわたしたちを照らす。
「ああそうか、今日はフルムーン・パーティーだったっけ。ちっ、またもや無駄な残業をしちまったぜ」
満月を眺めながら、いや満月でなくたって、ぼくはいつでもそう舌打ちをする。
さあ、月夜のドライブを始めるか。
ボウイが「どんなひとだって一日だけ英雄になれるんだ」って唄う楽曲がカー・ステレオから流れてきた。

10月某日、静岡市のライブ・ハウスへライブ観戦。
前述のとおり月夜のドライブが大好きなのだが、モロモロの事情により、その日は新幹線を利用。
どこでもドアがあったら、瞬間移動できたら、ネコバスに乗れたら、いや、やっぱり窓からの景色があったほうがいい。
ひとの気配を感じる生活空間を眺めながらいろんなことを想像するんだ。
ゴッホの風景画には、ひとがなにかしらの動作をしている姿が描写されていることが多い。

C.C.ライダーの演奏が始まった。
ライブ空間にはステージ側と客席側のふたつがあります。
「おまえらおれたちとひとつになろうぜ」つって、そのふたつを強引に統一しようとする演奏者と、なんにも言わない……別の言い方をするならば指図や命令をしない演奏者がいます。
C.C.ライダーの4人は後者だった。
彼らの楽曲や演奏スタイルだけではなく、そんなところにもぼくは「パンク」を感じるのです。
もうサイコー!

キャデラックの演奏が始まった。
実は初めて彼らのライブを観るんです。
や、違うか、確かぼくが20歳になるちょっと前の頃、ブラウン管の向こう側にいる彼らを見たことがある。
TBS系歌番組・ザ・ベストテンでの「今週のスポットライト」という注目アーティストを取り上げるコーナーにて。
この日、そこにあったのはラジオのDJではなく、テレビの司会者でもなく、楽しきライブハウス・ステーション。
そいつがぼくにサイコーのロックンロール・ミュージックを届けてくれたんだ。
もうサイコー!

マモル&ザ・デイヴィスの演奏が始まった。
「ロックンロールの魅力を3つあげなさい」そんな質問を受けたとしたら、ぼくはどう答えるのだろう。
・どんなにスピード・アップしたっておまわりさんからキップを切られない疾走感。
・たった3分間の楽曲なのに2時間越えの映画や300ページ越えの文庫本を楽しんだ後とおんなじ高揚感。
・映画や文庫本では監督、俳優、スタッフ、作家側の制作過程を共有できないのに対し、ロックンロールはライブという行為により演奏者と「共有できたような」気持ちになれる感。
そして、場合によってそれは音源より進化している場合もある感。
・気になるうなぎ屋やぎょうざ屋で友人に出会う確率よりも、気になるライブで友人に出会う確率の方が断然多い感。
・あるひとが「ロックンロール!」って叫んでも、そのひとにまーったくロックンロールを感じない場面があるのに対し、ロックンロールのロの字も発していないのにビンビンにロックンロールを感じることができる感。
あららら、設問に対しロックンロールの魅力を5つもあげてしまったぜ。
この日のマモデビは、やーっぱり、まぎれもないロックンロールそのものだったんだ。
もうサイコー!

B.G.M.「ベートーベン/ピアノ・ソナタ第14番《月光》」
クラシック音楽におけるマイブームがモーツァルトからベートーベンに移った。
なんか、すげーです、ベートーベンって。

No.1611 - 2021/10/17(Sun) 23:45:17
某日日記 / 淳吉郎
数年前、白内障の手術をした。
主治医は40代の女医。
数日間にわたる眼帯生活後の診察で彼女がわたしの眼帯を外した。
まだクッキリとは見えない世界なのだが、感動のあまりわたしはこう言った。
「先生、やっぱりお綺麗ですね」
「ありがとう。でもまだ見えてないでしょ(笑)」
先生は期待どおりの対応をしてくれた。

8月某日、とある病気の罹患が判明した。
睡眠時無呼吸症候群という病気。
幸運なことに病状は軽度だった。
治療は睡眠時にマウスピースを装着するというもの。
強制的に下あごを前に出させる形状のマウスピースを装着して、睡眠時の呼吸をスムーズにさせるのが目的らしく。

9月某日、完成したマウスピースを診察室にて装着したわたしは主治医にこう言った。
「先生、なんかアントニオ猪木になったみたいですね。なんだコノヤロー! とか言ったりして」
「はい、喉を広くして呼吸を妨げ(さまたげ)ないようにするんです」
あらららー「そうですよナカムラさん、いくぞー! 123ダァーっ。元気ですかー! なんつってねー」残念ながら彼はそう言わなかったんだ。

9月某日、浜松鴨江アートセンターにて友人のノイズ・グループ:庭のライブ観戦。
1928年建立のモダンな建物だけど、入館したのは実は今回が初めて。
その時のわたしの気持ちと甲子園初出場を決めた高校野球児の気持ち、それはおそらく、ちょっとだけ似ていたであろう。

庭のおもしろさは各メンバーが自由に音を出している中で、知らぬうちに「ノイズ」が「音」に変化し、それがグルグルとらせん階段を上昇および下降する瞬間が生まれることだと思っている。
この日の庭はライブハウスではない演奏場所ということも含め、いつもと違う状況下でのライブだった。
だがしかし、爆音ではないこの日も、庭はやっぱり上述したとおりのライブを演った。
すばらしい。

狭い空間で音が響いている瞬間を久しぶりに体感。
「イェイ! やっぱこれだよな! いくぞー! 123ダァーっ」
つって、特製マウスピースを装着していない時間帯のわたしは、心のなかで小さくちいさく両手を上げた。
庭のみなさん、おつかれさまでした。ありがとう。

B.G.M.「ザ・クロマニヨンズ/光の魔人」
うん、きたねー。
サイコーなシングル曲。
B面の「ここにある」もグー。

☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックスは12月18日(土)に浜松某所にてライブ予定です。
詳細は後日発表にて。

No.1610 - 2021/10/03(Sun) 20:29:57
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