THE SLICKS BBS
ライブ告知です。
「やらまいかミュージックフェスティバルinはままつ」にThe Whoのトリビュート・バンド、The Who族にてギターで出演。
10月12日(土) 浜松forceにて18時前後からの予定。
入場無料。
(THE SLICKSの出演はございません)
★ 鉄砲にまつわる話 / 淳吉郎 | |
「ねぇ、パパ」 「どうした?」 「こっち向いて」 「ん?」 「発射ぁ―っ!」 「うわっ! つめてぇー! なんだお前、水鉄砲か?」 「そうだよ、佐藤くんに貸してもらった」 「ったく、サトーはロクなもんをお前に貸さんな」 「ねぇ、パパ」 「どうした?」 「パパみたいな大人になれば、本物の鉄砲を撃つことができるの?」 「いやいや、できないできない」 「え? だってアメリカでは本物の鉄砲を使えるって佐藤くんが言ってたよ」 「ったく、サトーはロクなことをお前に教えんな。そもそもここはニッポンだら」 「だよね……でも、ぼくが大人になったらアメリカ行って、本物の鉄砲を撃ってみたい」 「ふうん。でもアメリカなんか行かなくても鉄砲を撃つことはできるよ」 「ほんと?」 「うん。ただし、的(まと)は人間でも動物でもないんだな、これが」 「???」 「マシンガン・ギターっていう鉄砲がこの世にはあってな。ロックンロールが大好きなひとのハートを狙い撃ちするんだ」 「ギターから弾丸が飛び出るって、なんか漫画みたいでスゴくない?」 「あはは、うん、確かに漫画みたいだな。でもホントの話だぜ。だってパパはそのひとのライブに行ってこの眼で確かめたんだから」 「すげっ! なんていうひと?」 「ウィルコ・ジョンソンっていうイギリス人さ」 「アメリカ人じゃなくってイギリス人なんだ? ぼくもいつか会えるかな?」 「もちろん。おまえがロックンロールを好きになれば会えるはず。だって、ウィルコは今でもパパの心のなかで生きてるんだから」
B.G.M.「WILKO JOHNSON/窓からはい出せ」 1980年発表のウィルコのソロ・アルバム『ICE ON THE MOTORWAY』のA面5曲目に収録されているボブ・ディランのカバー曲。 世界中の多くのひとがディランのあらゆる楽曲をそれぞれのアレンジでカバーしています。すばらしい。 ぼくの声質はしゃがれ声やダミ声、ましてや青空を突き抜けるような端麗な声でもない、残念ながら。 だがしかし、ウィルコのこのカバーを初めて聴いた時「すげぇーっ! カッコいいーっ!」って唸り声でも叫び声でもない声をぼくは発してしまった。らしい。 そう、その声はまるで、線の細い音色のテレキャスターをカール・コードを使ってフェンダー・アンプに直結でつないでいるくせに、暴力的にやさしく響くウィルコのギターのように……だったのかな? だったらいいのに。
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No.1636 - 2022/11/25(Fri) 00:02:55
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★ 輝きにまつわる話 / 淳吉郎 | |
ぼくにとっての音楽、そいつはいつも目の前にどーんと存していて、あたかも太陽のようであり、月のようでもある。 つまり光を放っているというわけさ。 だがしかし、残念ながら彼らとぼくのあいだには邪魔するものがなーんにもないから、皆既日食だとか皆既月食っつー神秘的もしくは魅惑的な現象が発生する余地はまーったくありません。 さあ、今週末もギンギラでイキましょー、ぼくらがサイコーに輝ける場所、ライブハウスで。
B.G.M.「月光陽光/THE HIGH-LOWS」 1997年発表、ハイロウズのシングル。 ♪遠くからは大きく見える 近づけばそれほどじゃない 空っぽに見えるけれど きれいに澄んだ水がある♪ 美しいニッポン語です。輝きまくってる。 こんな歌詞をつくりたい。
☆★☆★☆★☆★☆★ ザ・スリックス、次のライブは今週末。 みなさん、よろしくねー。スリックスはトップで演るでねー。
11/12(土) 浜松 Tehom WHIZZ Presents 《iNsideoUt 7》
出演: WHIZZ Abe and The Shits The 1970 THE SLICKS
DJ: SHOGO KENGOi!
開場/開演 18:00/18:30 予約/当日 2000円/2500円 (+1d 500円)
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No.1635 - 2022/11/09(Wed) 22:53:29
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★ ふるさとにまつわる話 / 淳吉郎 | |
10月某日、とある知らせを目にしてこんな言葉が脳裏を闊歩しました。 「ふるさとは遠きにありて思うもの」 ああ、そうか、親のありがたさは離れてみないとわからないってことか、と自己解釈していた次第。 その言葉の真の意味を知りたくネット検索をすると、そのような意味合いではないことが判明した。 自分の薄学さ加減を恥じるとともに開き直る。 「まあ、いいら、自分の唄が手元を離れた瞬間からその楽曲は勝手にみんなのところへ歩いていくんだ、解釈なんてひとそれぞれ、って多くのミュージシャンが言ってるし」
憧れの場所、福岡市博多を初めて訪れたのは西暦2001年7月のことです。 敬愛するポール・ウェラーさんの弾き語りソロ・ツアーを観るために。 わたしと同様に彼を敬愛する友人と一緒にブルー・トレインにて深夜に浜松を出発、ガタンゴトン。 目が覚めるとそこは九州だった。 立ち並ぶ工場群と晴天を突くような長い煙突の数々。 ふたりは古いアルバムのフォトグラフを眺める気分で車窓からの景色を見やる。 「ルースターズが生まれた北九州だね」
博多に到着するとふたりは別行動。 それぞれのお目当てがあるのさ、だってここはぼくらにとって憧れの場所だから。 下調べをした手書きの地図を頼りに、とあるレコード屋に向かった。 そこは高校生の時にその存在を知ったお店であり、訪店とともに店主にお会いするのがティーンエイジャーの頃からの夢だった。 7歳の野球少年が15年以上の歳月を経てようやく東京ドームに辿り着いたような気持ちでわたしはお店の扉を開ける。 商品をくまなく見た後、数枚のレコードをチョイスしレジに向かう。 だがしかし、店主は不在のようで若い男性がレジにいました。 「あ、康さんは?」 「すみません、康さん、今日は広島へ出張しています」
数年後、博多へ再訪、もちろんその店へも再訪。 お店の扉を開け、レジを見やるとそのひとはいました。 商品をくまなく見た後、数枚のレコードをチョイスしレジに向かう。 自分で言うのもなんですが、わたしは人見知りをしないタイプ。 でもその日、その店主を前にわたしは緊張してしまった。 だって彼こそ、70年代後半からの博多ロック・シーンにおける多くのバンドの音楽性を育(はぐく)んだ屋台骨のような存在、そうわたしは思っていたからです。
10月某日に受けた知らせは、その店主の訃報だった。 1977年開業のそのレコード屋も閉店するとのこと。 わたしにとって博多という街は、近くにある気がするけど、やっぱり遠くにある街。 わたしにとって博多という街は、とっても遠くだけど、すぐそこにある街。 「ふるさとは遠きにありて思うもの」 そう、これからもそのお店、ジューク・レコードはわたしの心のなかで営業中なのです。
B.G.M.「LITTLE WALTER/JUKE」 ウォルターの1stアルバム『THE BEST OF LITTLE WALTER』のB面1曲目に収録されたウォルターのハープがバリバリなインスト・ナンバー。
☆★☆★☆★☆★☆★ ザ・スリックス、次のライブです。 WHIZZが7インチ・レコードのシングル盤発売っ! いぇーいっ! ザ・スリックスはトップで演奏します。よろしくねー!
11/12(土) 浜松 Tehom iNsideoUt 7
出演: WHIZZ Abe and The Shits The 1970 THE SLICKS
DJ SHOGO KENGOi!
開場/開演 18:00/18:30 予約/当日 2000円/2500円 (+1d 500円)
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No.1634 - 2022/10/23(Sun) 16:28:51
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★ 問いかけにまつわる話 / 淳吉郎 | |
ティーンエイジャーの頃から中古盤屋でレコードやCDを購入しているのだが、店内で探している真っ最中に、居たたまれない気持ちになることがあります。 それは自分の大好きな音源が売り出されている時、しかも安い値段で。 「なんで? なんで? なんで?」 ひとの想いはひとそれぞれ、もちろんわかっているが、だがしかし、やっぱりその格安マイ・フェイバリット・レコードを眺めながら繰り返してしまう。 「なんで? なんで? なんで?」
9月某日。 7月某日、銃弾に倒れた政治家の「国葬」という名の葬式が16億円以上の規模で9月末に執り行われる、とのニュースがあった。 政治家の国葬としては55年ぶりとなる今回の国葬に関しては、当初の発表時点からさまざまな意見がネット・マスコミ媒体で報じられ、現在も論じられています。 賛成であれ反対であれ、ひとの想いはひとそれぞれ。 もちろんわかっているが、だがしかし、やっぱりその格安マイ・フェイバリット・レコード……じゃなかった、彼の政治的業績やさまざまな言動を冷静に眺めながらわたしは繰り返してしまう。 「なんで? なんで? なんで?」
9月某日。 わたしの母親の姉にあたる伯母の告別式に参列した。 当然のことながら、そこは幼少の頃から慣れ親しんできた同世代イトコたちとの再会のシチュエイションでもあり。 式が終わり、火葬場にて荼毘(だび)に付す少しの時間、控室にて親族はお互いそれぞれの近況報告。 もちろん同世代な我々イトコたちも近況報告。 全員が50歳越えだけど不思議だね、みんなの顔を見てるわたしは40年以上前にタイム・スリップ。 小規模の家族葬だったけど、みんなが故人を偲び(しのび)、お送りすることができ、あらためて自分たちの血のつながりを確認できた一日でした。 お葬式ってのは、それが一番大切じゃないのかな。
B.G.M.「JIMMY ROGERS/WALKING BY MYSELF」 1970年発表、ジミー・ロジャースのアルバム「CHICAGO BOUND」のB面7曲目に収録。 20代の真ん中ごろ、自分が所属していたバンドにて、この曲をカバーしたことがある。 当時はギター専門だったけど、この曲を提案したわたしはギターを弾きながら唄も担当した。 そして、2007年5月に仲井戸麗市チャボさんが浜松のロックバー・ルクレチアでライブを演った。 ライブの後半でチャボはこの曲をニッポン語でカバーしたんだ。 ♪ウォーキン〜歩いていくよ〜♪ そんな唄いだしを聴いたわたしは、あふれ出そうな熱い涙をこらえながら心のなかでこう言った。 「なんで? なんで? なんで?」
この世の中には幸せな問いかけも存在するのです。
☆★☆★☆★☆★☆★ ザ・スリックス、次のライブです。
11/12(土) 浜松 Tehom iNsidEoUt7
出演: WHIZZ THE PIANICA THE 1970 THE SLICKS
DJ SHOGO KENGOi!
開場/開演 18:00/18:30 予約/当日 2000円/2500円 (+1d 500円)
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No.1633 - 2022/09/11(Sun) 22:18:26
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★ 戦争にまつわる話 / 淳吉郎 | |
中村家の賃貸住宅は築40年越え。 古民家とまではいかないが、そこそこの年季です。 昭和時代のレコードや旧車が令和の時代でも現役バリバリなのはサイコーにカッコいいし、それは家屋にも言える。 だがしかし、それにはそれ相応のメンテナンスが必要です。
「うわぁ〜」 夏休みの初日午前9時過ぎ、我が女房の声が響く。 一次洗いを終了した全自動洗濯機の排水時、下水管につながる排水口から水があふれ出たんだ。 状況確認したわたしは「きっと、あれかも」そうつぶやくと、屋外へ向かい【下水】と刻印された鉄蓋を開ける。 これまで幾度か経験済みなのです。
予想どおり、下水管のまわりに雑草がうっそうと生い茂り、水流を塞(ふさ)いでいた。 雑草というのは地上だけではなく地下でも生育する、実にしたたかな生き物。 わたしは下水管にまとわりついている雑草という名の「生き物」をやすやすと引き抜いた。 そう、人間というのは自分の都合のためなら、様々な生き物を排除することを厭(いと)わない生き物なのです。 人間がおんなじ人間を殺(あや)めるという最も非道な行為「戦争」が今も続いている。
長期連休における中村家のナラワシは映画鑑賞。 実は独身時代のわたしが衛星放送での映画放映を録画したVHSビデオテープが数十本あるのだが、女房はその中からチョイスしたいと言う。 んで彼女のチョイスはロバート・デ・ニーロ主演の1978年作品『ディア・ハンター』。 「うん、いいよ」と答えたけど、ストーリーをまったく覚えていない。 映画に限らず音楽でも本でも、たまにあるんですね、内容を覚えていないってことが。 ビデオ、レコード、冊子という記録媒体を所有してるのに、です。 ♪世界中に建てられてるどんな記念碑なんかより あなたが生きている今日はどんなに意味があるだろう♪ そんな唄が聞こえてくる。
映画はベトナム戦争にまつわる内容だった。 思い返せば昨年の夏休み映画は『戦場のピアニスト』だった気がする。 今回は映画内容を知らない女房の偶然のチョイスとはいえ、8月に戦争映画を観ることによってわたし個人はいろんな思いを巡らす。ことができる。 そして、仮に戦意をあおる映画に出会ってしまった時、はたしてわたしは「この映画はダメだ!」と拒否できるか、もしくは戦争を肯定する気持ちになってしまうか、というところを考えてしまう。 だって、言葉巧(たく)みに人々を洗脳してしまう輩が昔も今も存在しているのです。
B.G.M.「OTIS REDDING/CAN’T TURN YOU LOOSE(お前をはなさない)」 1967年発表、オーティス・レディングのライブ盤「LIVE IN EUROPE」のA面2曲目に収録。 バリバリのアップ・テンポなソウル・ナンバー。 もうサイコーっ!
☆★☆★☆★☆★☆★ ザ・スリックス、次のライブです。
11/12(土) 浜松 Tehom iNsidEoUt7
出演: WHIZZ THE PIANICA THE SLICKS etc..
DJ Masa68 KENGOi!
詳細後報します
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No.1632 - 2022/08/21(Sun) 22:29:19
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★ マエストロの指揮棒にまつわる話 / 淳吉郎 | |
♪群集心理もろ出しで あいつがやるから俺もやる 何でもやります うわべだけ はやりすたりに敏感で♪ そんな唄が、とある13歳の少年の鼓膜を通過しました、ギューン。 そのあと、そいつは彼の心のなかにある琴線(きんせん)という部分を揺さぶった。 少年は斯(か)くして、世間でもてはやされているさまざまな物事に追従すること、それをカッコ悪いと思うようになった。 もしかすると、彼がもともと持っている性格によるところが大きいのかもしれぬが。
5月から6月にかけて国内でアイス・スケートのショーが開催された、らしい。 それは有名選手が出演するイベントらしく、まあ音楽でいうならば「モンタレー」とか「ウッドストック」とか「ワイト島」ってところかもな、って想像した次第。 ふとしたタイミングでそのイベントにおける羽生結弦さんのショーをネット拝見した。 実のところその映像にて初めて彼のスケートに触れたのです。 なぜならわたしは「あの日」から42年が経過した今でも「世間でもてはやされてるさまざまな物事に追従することをカッコ悪い」と思ってしまう輩(やから)。 だから、オリンピック等で彼のスケートを見ることを避けていたきらいがあるんだ。
シンフォニー(交響曲)の中でマエストロの指揮棒が宙をたゆたう。 まるで、バイク乗りがコーナリングの手前でアクセル・オフしてやわらかく廻り、そのあとのストレートで一気にアクセル全開するように。 もしくは、カレーライス店の厨房におけるコックさんのフライパンで、肉や玉ねぎやニンジンが強火で炒められ、そのあと注がれた水が彼らをクール・ダウンさせることなく安定した弱火でビートを刻み続けるように。
マエストロの指揮棒のように、羽生選手は氷面上をたゆたっていた、舞っていた。 ワイルドネスとテンダネスをハイ・スピードの滑走の中に共存させている。 「なんなんだ、これは」「うつくしい」「彼はアスリートではなくアーティストだ」そう感じた。 初めて接した羽生選手のスケーティングにわたしはとんでもない衝撃を受けてしまったのです。 彼のファンになった。 そんななか7月某日、彼が競技を退きプロとしてショーを中心に今後は滑っていくというニュースが報じられた。 わたしはその報を読む、飲酒しながら。
「バッチリだと思います、だってあなたはアーティストですから」 「あのお、音楽でも演奏テクニックはいっぱしなのに肝心かなめのライブやオリジナル楽曲がダサいミュージシャンの方が圧倒的に多いぐらいなんです。いわゆる表現力の欠如と言うやつだら。その点、先日のアイスショーでのあなたの表現力にわたしは圧倒されただに」 「おい、ユズっ(酔いもまわり勝手にあだ名で呼んでいる失礼な男)、いつかキミのショーを観にいくでね。んで、たとえば年齢を重ねて70歳ぐらいでも演っててほしい。その頃には《ハニュー・スロウ・スケート》ってジャンルが確立されているんだ。そしてマエストロの指揮棒はゆっくりと弧(こ)を描(えが)いてるはずさ、イェイ」
B.G.M.「藤井一彦/情熱と呼ぶには」 2022年発表、THE GROOVERSの藤井さん3枚目のソロ作品『月を見ろよ』7曲目に収録。 1枚目2枚目同様、弾き語りのアルバムなんだけど「新しいスタンスで演る」という姿勢がギンギンに伝わってくる傑作だと思う。すばらしい。
☆★☆★☆★☆★☆★ ザ・スリックス、次のライブです。 よろしくお願いします。
11/12(土) 浜松 Tehom iNsidEoUt7
出演: WHIZZ THE PIANICA THE SLICKS etc..
DJ Masa68 KENGOi!
詳細後報します。
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No.1631 - 2022/07/31(Sun) 16:37:10
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★ サイエンス・フィクションにまつわる話 / 淳吉郎 | |
映画や文学における自分の中の嗜好性として、サイエンス・フィクション(SF)と呼ばれるジャンルがいまひとつピンとこない。 超有名な『スター・ウォーズ』でさえ一度も観たことがないのだから、これは、まさに、絵に描いたような「食わず嫌い」なのだろう。 「食わず(観ず)して判断するな」もちろんそう思っています。 でも「よし、近いうちに観てみよう」って固くかたく決心しても、気づけば別の作品がわたしのハートん中のソファー(ちなみにハイビスカス柄)にでーんと鎮座し、じーっとこっちを凝視しているのだから、それをチョイス。 まあ、しょうがないら。
ここではとても公表できないわたしの日々の労働状態。 そんな中、自分自身を取り戻せるのが通勤途中における音楽鑑賞タイム。 そう、ぼくはクルマに乗っているんじゃなく、グッド・ミュージックにノセられている、ってわけ。 現時点で自分にぴったりフィットしているそれは、現状にキバをむく反逆の歌や、背中を押してくれる応援歌や、大切なひとや事象を守り抜こうとするラブソングなどではなく、「非現実的な歌」なのです。
非現実的、それはつまり近未来だったり架空ってこと? それってつまり、あんたがさっき一行目で言ってたSFってこと? スター・ウォーズを観たこともないくせに。 ひゃぁー信じらんなーい。 だがしかし、年齢不詳な彼女がJKの真似して「信じらんなーい」って鼻声で発言したこと自体がヒジョーにヒーゲンジツテキなのですが、わたしにとって。 もちろん、それはSFであるはずがなく。
ここではとーっても公表できないわたしの日々の労働状態の中、俺が俺であるために、ぼくのぼくによるぼくのための非現実的な歌、それはまーったくもって一般的な言葉で唄われていることが多いのです。 ときどき使用されている語彙(ごい)に文学度を感じることもあるけれど、「こんな言いまわし、小説じゃないんだから普通、使わないら」つって感心しちゃう。 そして【母国語による自作曲作成】という点でわたしはおんなじ立場であるから 「くそっ! やられた! ちきしょう!」 「うわぁすげーな、そのアイデアいただきまーす」 「くやしいから友達申請はしないに」 だってさ。
日々のなんやかんやを忘れさせてくれるそれらの文章や歌詞の言葉は、ぼくにとってのマジック・ワード(魔法の言葉)なのです。 だから、そんな言葉をつむぐひとたちの私生活なんて知りたくはないんだ。 だって、おそらく、きっと、あくせくと労働したアカツキに手にする賃金を、税金や年金や保険の支払いに使用するなんてこととは無関係な生活をしているに違いないから……いや、そうであってほしいから。 そーゆーひとこそ、俺にとってのサイエンス・フィクション。
B.G.M.「THE ROLLING STONES/TIME WAITS FOR NO ONE」 ストーンズのアルバム「イッツ・オンリー・ロックンロール」を最近、よく聴いている。 ぼくにとっての「あの頃」を「青春時代」と呼んで差しつかえないのであるならば、まさしくこのストーンズのアルバムは俺の青春時代の象徴なのですが、さっきも聴きながら「イェイっ!」なんてノリノリなわたしは今も青春時代ってこと?
写真: 左側は2012年発表「双葉双一/現代の神話?T」 7曲目収録の『祭りD』にて双葉さんは♪お祭り男の祭りの日以外での日常なんて知らなくていいことさ♪って唄ってる。 右側は2010年発表「VEKTOR/T・T・T・N」 7曲目収録の『他ニ何モ要ラ無イ』にてサカタ・ルイードさんは♪最新の科学薬品で彼女はカラダを削るように洗う♪って唄ってる。
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No.1630 - 2022/06/19(Sun) 23:10:06
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