THE SLICKS BBS

ライブ告知です。

「やらまいかミュージックフェスティバルinはままつ」にThe Whoのトリビュート・バンド、The Who族にてギターで出演。
10月12日(土) 浜松forceにて18時前後からの予定。
入場無料。
(THE SLICKSの出演はございません)











すべての若き野郎どもにまつわる話 / 淳吉郎
24日(金)は浜松窓枠へライブ観戦。ザ・クロマニヨンズ。
「年齢を重ねると涙腺がゆるくなる」なんつー言い方をよく耳にする。
わたし自身が『すべての若き野郎ども』のひとりであった時代には、「どうして歳を喰うと涙もろくなるんだ?うそだろ」と思っていました。

先日、最終回を迎えた大学入試センター試験において、生物学の出題で【加齢と涙腺崩壊の関連性を述べよ】とか、世界史学の出題で【『すべての若き野郎ども』と『すべての若きパンクスども』の相対性を述べよ】みたいな問題は出されたのであろうか。
こーゆー「想像を働かせる」出題こそ、現代の若きひとたち、検索すりゃぁすべて解決できると思っているやつら、にとって必須の設問だと思うのですが。

幸運なことに、わたしがティーンエイジャーのころから大好きなバンドのいくつかは現在も現役です。
5年ぐらい前から、そのひとたちのライブを観に行くたびに、気づくとわたしは泣いているようになっていた。ステージ上での変わらぬお姿を拝見してると、ジュワ〜って。あふれる熱い涙です。
「年齢を重ねると涙腺がゆるくなる」という言い伝えは本当だったんだ。

やがて涙はポロリとほほを伝い、ライブハウスの床面へと流れ落ちた。いい歳コイた男が、ライブを観ていて泣くなんて、カッコ悪い。こんな姿、誰にも見られたくない。でも、どうしようもない。だって、ニュートン先生が発見したように、この星には重力があるから。涙はどうしたって下に流れるのです。
ああ、ここが宇宙だったなら。わたしの涙は流れ落ちることなく、天空はるか上へと昇っていったのに。

ザ・クロマニヨンズは毎年、アルバムを発表するバンドです。
ここ数作は、ぶっちゃけた話、イマイチだった。彼らが好きだからこその感想。どんなバンドであれ、お気入りのバンドに対し、愛ある批判精神もなく、もろ手を挙げて拍手喝采はどうかな?って思うなあ。
だがしかし、今回のアルバム「PUNCH」は快作でした。中でもスローな曲が2曲あったのが特によかった。
浜松のライブでその2曲を演った。2曲目におけるマーシーのギターソロが絶品だった。クロマニヨンズの楽曲って総体的に見て印象的なギターソロが少ないと思う。ロックンロールなのに。
だからこそ、この日の、この曲におけるギターソロはホントにうれしかったのです。

ライブが終わった。
あれれ、わたしは涙を一滴も流していませんでした。きっと、この日のわたしは、すべての若き野郎ども、のままだったのかもしれません。

25日(土)は静岡フリーキーショウへライブ観戦。友人シゲちゃん企画。
家内のバンド、ビートシーカーや友人のバンド、インターギャラクティックを含む全5バンド出演。
全バンド、ホントに素晴らしいライブだった。出演順もすごくよかったと思う。静岡在住のたくさんの友人もお客さんで来ていて、みなさんとの再会と会話も楽しかったし、うれしかった。
あそこにいたひと全員が、すべての若き野郎ども、だった、もしくはそれに戻っていた。そんな気がします。
出演のみなさん、企画のシゲちゃん、おつかれさまでした。ありがとう。


写真の説明は不要ですよね(笑)

☆★☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックスの次のライブです。

《HIT A TARGET VOL.11》
■2月22日(土) 弁天島MARGARITA
■開場18:00/開演18:30
■料金:¥1500(1d込)
■出演:
Scramble
BEATSEEKER
真っ赤なBODY
SNOW BLADE
THE SLICKS

DJ:
Himitsu Syounen

No.1514 - 2020/01/27(Mon) 23:23:47
週末日記 / 淳吉郎
16日(木)は浜松市郊外にあるアメオト舎というお店に行った。
ピロヂ☆ハンズボンさんと澤奥航平くんのアコギライブ。
初めて訪れるお店。どうやら航平くんのお母さんがオーダーメイド雨具等の販売をしているお店らしく。「それでアメオト舎か。なるほどね」つって幾度も首肯。
店内はこじんまりしてるんだけど、木製のインテリアがすばらしい雰囲気を演出していた。ここでカーペンターズのカバーを演ったらバッチリだな。なんつって。

おっと、航平くんのライブが始まったよ。
彼の詞の世界がぼくは好きだ。特に『自転車』という曲が好きで。「今日、演ってくれたらうれしいなあ」って思ってたら、何曲目かに演奏した。ぼくはちいさく小さくガッツポーズ。もし、ストーンズがライブで『シーズ・ア・レインボウ』を演ったら、おそらくそん時も、おんなじようにちいさく小さくガッツポーズするだろう、おれは。いや、たぶん号泣だよな。
25歳の航平くん、いいライブだった。浜松の音楽シーンの未来は明るい。

続いてピロヂさんが登場。
この方は天性のパフォーマー気質を所有してると思う。つまり、誰もミック・ジャガーの真似ができないように、誰もピロヂの真似はできないってことさ。
そんな彼はいつも、いわゆる宴会芸になってしまうかどうか、っつーギリギリのところで、ロック弾き語りパフォーマンスをしてる。だがしかし、この日の彼はオリジナル中心だった。やっぱりぼくは、ちいさく小さくガッツポーズ。
1年以上前に彼のCD-Rを購入したら、とてもいいオリジナル曲が収録されてて。ライブでも数曲は聴いたことあるけど「もっと聴いてみたい」って思ってた。だから、この日はうれしかった。ピロヂさん、いいライブだった。
ピロヂさん、航平くん、そして企画のポテティさん、おつかれさまでした。ありがとう。

18日(土)は浜松キルヒヘアへライブ観戦。SANDY企画「GOOD TIMES VOL.9」
全5バンド出演。いわゆるオールディーズを中心としたカバーを演ってるサンディだけど、彼らの企画はいつもおもしろい。「腹をかかえて大笑い」なおもしろいではありません。招聘するバンドが幅広いんですね。自分たちの演奏ジャンルにとどまらない、言い換えればオールディーズ・ロックンロールばっかりじゃないってところ、そこがすごくいい。
お客さんも、年齢を重ねた女性がポニーテールにしたり、ワンピースやパラシュート・スカートみたいなのでキメてお店に来る。んで、酒飲んで楽しんでる。そんな光景もサンディ企画ならでは。いいなあ。

今回、出演した5バンドもよかった。おもしろかった。かさねがさね申し上げますが「腹をかかえて大笑い」なおもしろいではありません。
サンディ企画のDJ、この日もいつものミッキーさん。定番を混ぜつつの安定な選曲。われわれ50代にやさしい選曲だった。いえいえ、やさしいと言っても「低カロリー」とか「減塩」とかいうやさしさではありません。だって、きっちりビートが効いてるんですから。
主催のサンディ、そして出演のみなさん、ミッキーさん、おつかれさまでした。ありがとう。

B.G.M.「THE ROLLING STONES/LOVE YOU LIVE」
ストーンズのことに触れたら、聴きたくなっちゃって。
執筆しながら聴き続けてる次第です。

☆★☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックスの次のライブです。

《HIT A TARGET VOL.11》
■2月22日(土) 弁天島MARGARITA
■開場18:00/開演18:30
■料金:¥1500(1d込)
■出演:
Scramble
BEATSEEKER
真っ赤なBODY
SNOW BLADE
THE SLICKS

DJ:
Himitsu Syounen

No.1513 - 2020/01/21(Tue) 22:33:35
1月19日 / 淳吉郎
部屋の窓から外を眺めると東の空に月があった。
あれは上弦の月だったっけ。それとも下弦の月だったか。ぼくはすっかり酔っちまって。おまけにぼくの髪は肩までまだまだ伸びてないし。なんだか、せんこう花火が欲しい気分。そんな、よしだたくろうみたいなセリフを口にしながら。
さっき、ライブハウスから戻ってきたところ。

19日はキルヒヘアでライブをした。プジャリ企画《FIRST! LAST! ALWAYS! vol.13》。来てくれたたくさんのお客さん、ありがとうございました。

トップは妄念忍者。ふたり組が忍者とナースのコスプレで登場。打ち込みサウンドとノイズギターとシャウトする唄。これを若者ではなく、おじさんが演ってる。なんにも感じないわけがない。おもしろかった。

2番目は田中ハドソン。バンド名からはとうてい想像できない楽曲。ハードコアだった。ステージと客席、関係なく縦横無尽に走り回りながら叫ぶボーカル。激しい曲を淡々と演奏するバック3人。ボーカルの方はMCになると普通のおにいさんに戻って、べらべらしゃべる。曲が始まるとまた走り回りながら叫ぶ。だけど曲がいい。演奏もうまい。よかった。

3番目はBABY JESSICA。静岡で英会話の先生をやってるアメリカ人のエレキ弾き語り。80年代ニューウェイブ以降の雰囲気っていえばよいか。そんなオリジナル。途中で日本語のカバー曲もやった。誰の曲かはぼくにはわからなかったけど、しっかりとした日本語で唄っていて。リスペクト具合がすごく伝わってきた。いいね。

4番目はTHE SLICKS。個人的なことになるが、マイ・マーシャル・アンプの調子が昨夏からよろしくなく。お店に修理依頼をして、ようやく年末に戻ってきた。この日はマイ・アンプの復活ライブでもあった。ライブ中、ギターソロを弾いてるときにふっと振り返ると、アンプはぼくに向かってニコッと笑った。そしてぼくを指さして、こう言った「サンキュー、ミスター真空管。これからもよろしくな」。恐縮です。

最後がSISTER PAUL。3年ぶりの浜松とのこと。うねるベース。弾(はじ)きだされるドラム・ビート。絶妙なツイン・ボーカル・ハーモニー。独特な耽美感(たんびかん)と唯美感(ゆいびかん)をまとった歌詞と楽曲。この日もあいかわらずだった。シスターポールはまさに唯一無二。サイコー。

終演後、物販台の前に行列ができた。キルヒヘアでのあんな光景、初めて見た。
誘ってくれたプジャリ、おつかれさまでした。ありがとう。

B.G.M.「DOCTORS OF MADNESS/DARK TIMES」
シスターポールのおふたりが参加している昨年発表されたドクター・オブ・マッドネスのアルバム。41年ぶりらしい。WOWっ! 3曲目、5曲目、7曲目がめちゃくちゃカッコいい。

☆★☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックスの次のライブです。

《HIT A TARGET VOL.11》
■2月22日(土) 弁天島MARGARITA
■開場18:00/開演18:30
■料金:¥1500(1d込)
■出演:
Scramble
BEATSEEKER
真っ赤なBODY
SNOW BLADE
THE SLICKS

DJ:
Himitsu Syounen

No.1512 - 2020/01/20(Mon) 23:06:19
世界にまつわる話 / 淳吉郎
はじめて世界地図というものを眺めたのはいつだったんだろう。小学校の教科書と一緒に支給された地図帳の裏表紙だったか。ともだちの家のトイレの壁紙に貼ってあった地図だったか。いずれにしても、当時のぼくにとって、世界地図が「世界」そのものだった。それは、単なる平面上の図形だった、ってことです。

地球儀の存在を知った時にはビツクリした。世界は平面ではなく、球形だった。日曜日や祝日にグラウンドで練習している軟球やソフトボールとおんなじ形。でも「ナニをもって、これ(地球儀)が各国の正確な立地状況をあらわしていると立証できるのか」とも思った。世界はこんなに大きいのに。どんな長さの巻き尺やメジャーでも測ることが難儀なのに。そーいえば、世界地図の段階ですでにそのような疑問をいだいていたような気もする。オーストラリアでは真夏にサンタクロースがやってくる。そんな写真が地図帳に載ってました。

ある日、とあるバンドがいいなと思った。それはロックだった。そっから、いろんなレコードを聴いたり、音楽雑誌を読んだりした。そしたら、日本史や世界史とおんなじようにロック史があった。肌の色や、住んでいる場所や、生活している状況でロックは変化していったらしい。同化していったらしい。なあんだ、歴史の授業で教わったことと似てるじゃんか。「世界」っていうのは地図や地球儀や新聞およびテレビジョンからのニュースだけの存在ではないんだ。ぼくは「ロックの世界」を知ったんです。

1月某日、金曜日。浜松のロック仲間の誕生日祝いを兼ねた新年会に参加。居酒屋で出会うひとたちと新年のあいさつを交わしつつのお祝い会。この日、誕生日を迎えた彼とザ・フーの最新作について語り合った。意見が見事に一致した。アルバム収録曲のなかで一番好きな曲もおんなじだった。そーゆーことさ、俺たちが住んでるロックの世界っつーのは。

1月某日、日曜日。浜松キルヒヘアへライブ観戦。出演順にDEVONAIR、THANK YOU MY BLOOD、Gangliphone、UP-TIGHT。会場で出会うひとたちと新年のあいさつを交わしつつのライブ観戦。全バンド、すばらしかった。それぞれがオリジナル曲を演奏。それぞれの、その「世界観」、それが楽曲とかライブ演奏そのものに出ていたからです。その放出量がすごかった。タコメーターのレッドゾーン振り切る感じ。そんなバンドが俺は大好きだ。

この日のキルヒヘアに限らず、ニッポンや世界各国のライブハウスで、それぞれのバンドの世界がステージ上からぶっ飛ばされてたはず。お客さんのハートの中に入ったり、もしかしたら入らなかったり。でも、いいのです。入国自由。出国自由。パスポート不要。俺たちが住んでるロックの世界(表現の世界)っつーのは、そんな感じじゃないかな。

その日は成人の日の前日だった。浜松市内は成人式を終えた若者であふれかえっていた。黒スーツの男性たち。きらびやかな女性たち。未来しか存在してないようなやつらさ。その夜は同窓会を兼ねた飲み会なんだろう。嬉々としたその表情。「おそらく、この先にはいろんな世界が待ち受けてるぜ。でも、がんばってね。俺の知ったこっちゃないけど」ぼくはそう思いながら終電が待っている浜松ステーションへ歩を進めた。世界は冷たく、そしてあたたかい。

B.G.M.「夏のぬけがら/真島昌利」
写真右。ブルーハーツ全盛期でソロ作を発表したマーシー。ブルーハーツとは違う彼の世界観があふれまくってます。大好き。

写真左はTHE SLICKSのいちばん近い未来の告知フライヤーです。
どんなイベントでもすべての出演者から、それぞれの世界観が放出される。でもこの夜は、とんでもないものになりそう。そんな気がしてます。お楽しみに。よろしくお願いします。

☆★☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックスの次のライブです。

《FIRST! LAST! ALWAYS! vol.13》
■1月19日(日) 浜松KIRCHHERR
■開場18:30
■前売/当日 ¥1500 (1drink別)
■出演:
SISTER PAUL
BABY JESSICA
田中ハドソン
妄念忍者
THE SLICKS

No.1511 - 2020/01/13(Mon) 22:21:14
光陰矢の如しにまつわる話 / 淳吉郎
光も陰(かげ)も矢のように飛んでっちまう、という。飛んでくというんなら、きっと目的地があるのであろう。ジェット機にだって目的地があるように。関西空港から飛んでイスタンブール。そして、もっと先まで行っちゃうひとだっている世の中です。

西暦2019年が矢のように飛んでった。あまりにも速すぎて、ぼくはなにかを、どこかに、置き忘れてきた気がする。伝え忘れたり。話し忘れた気もする。もし、1000年後にそれが発掘されたとき。それにはマイネームが記されてるのだろうか。氏名であれ、バンドマン名であれ。

記されてなくっても、まあいいら。1000年前の浜松で暮らしてた市井(しせい)のひとのうちのひとりである、ぼくの忘れものだから。それは、きっと、『当時のひとの暮らしを伝える物品もしくは気持ち』なんてなタイトルで博物館に常設展示されるはず。されるかな。

でもよ、後先(あとさき)を考えずに他国を攻撃したり、自分の都合でいろんなことをないがしろにする政治家、そんな輩(やから)が多い世の中です。1000年後、はたして地球に人類は生存してるんだろうか。してますように。

西暦2020年が矢のように飛びはじめた。さまざまなイベントにおけるタイム・スケジュールのように、日々の生活でも時間を気にしているわたしたちを尻目に、光も陰も矢のように飛んでいる、らしい。飛んでるというんなら、きっと目的地があるんだろう。

プライベート・ジェットを所持していないわたしたちの目的地は、案外、今年の大みそかだったりして。天災や物騒な人災が多いここ昨今。無事に生きてれば、それだけでなにより。そう思います。来年の干支は牛か。モウモウモウ。それじゃあまるで、ジェネレイション・エックスの後にソロ活動を開始したビリー・アイドルのヒット曲みたいじゃないか。レベル・イェル。いろんなことに抗(あらが)ってゆければ。

B.G.M.「SLEEZ SISTERS/COLLECTION」
東京で活動するバンド、スリーズ・シスターズのアルバム。昨年末に購入。パンクやロックンロールやロックを消化した楽曲は鋼(はがね)のような強さを持っていると思います。筋金入りって言葉がぴったりのバンド。サイコー。

☆★☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックスの次のライブです。

《FIRST! LAST! ALWAYS! vol.13》
■1月19日(日) 浜松KIRCHHERR
■開場18:30
■前売/当日 ¥1500 (1drink別)
■出演:
SISTER PAUL
BABY JESSICA
田中ハドソン
妄念忍者
THE SLICKS

No.1510 - 2020/01/10(Fri) 16:13:30
年末日記 / 淳吉郎
12月29日(日)は岐阜のライブハウス、キング・ビスケットまでライブ観戦。
東海道本線で訪岐。『ホウギ』だなんて、こんな言葉あるのか。あるかもしんないが、ないかもしんない。ニッポン語の素晴らしいところのひとつが、ここで発揮されてます。漢字それぞれが醸(かも)し出す語感、それが筆者の言わんとするところを見事に表現してくれる。訪岐を和訳すると「ぼくはサイコーなロック・ショウを体験するために岐阜を訪れたんだ」ってことです。

季節は年末。帰省客がごった返す駅。定刻どおりプラットホームにやって来たのは《東海道本線下り・快速大垣行き》。幸運にも座席をゲットできたぼくは、キヨスクで購入した黒ラベルの封をさっそくパチンと開ける。そして、購読中である伊坂幸太郎さんの文庫本を開き目を落とす。目を落とすと言っても眼球がぽとりと落下したわけではありません。だって、そんなことしたらせっかくのコータローの文章が読めなくなっちまうぜ。ニッポン語の素晴らしいところのひとつが、ここでも発揮されてます。ぼくたちニッポン人は語感で想像できるんだ。

インターネット情報によるとJR岐阜駅からキンビスまでは徒歩25分らしく。でも、いろんな体格や性格のひとがいるので、「徒歩25分」という算出方法には甚だ(はなはだ)疑問が生じるところではある。とにかくぼくはステーション北口から歩き始めた。しばらくしたら味わいのあるアーケード街に出会った。味わいと言っても、まさかアーケードをばりばりと食べたわけではありません。そんなことをしたら、せっかくの年末にお腹をこわしてしまいます。てくてくと進んでゆくと昭和風な喫茶店があった。店内の正面にはショートケーキが陳列されてる。入店したい気持ちになった。だがしかし、断念。だって、これからぼくが食べるのはケーキじゃなくって、キングなビスケットなんだよーん。

たとえば、もし、入店したとして。モンブランとイチゴ・ショートとチョコレイト・ケーキがあったとする。俺は迷わずモンブランとモカ・コーヒーを注文しただろう。上述した「いろんな体格や性格のひとがいるので徒歩25分という算出方法に甚だ疑問が生じるのはこの点なんだ。25分じゃ収まりきれないよ。ネット情報をまるごと信じていいのかな、って話さ。

キンビスに到着。出演順にプラムバス、スーサイドTV、ビートシーカー、ブロークン・ハーツ、ザ・シーソー。
開演した。キンビス店内を縦横無尽に響くバンド・アンサンブル。揺れる赤い壁(キンビスの壁は赤色なのです)。盛り上がる客。サイコー過ぎる出演全バンド、そしてナイスな選曲のDJ。気づけば22時を超えていた。「時間を忘れる」とはこの事か。時間をどっかに置きっぱなしにしていたわけではありません。腕時計もはめてたし、携帯電話も時刻表示をしていた。音楽空間は時を止めるどころか時空を超えるのです。年末は世界各国でベートーベンの第九交響曲が鳴り響いてるし。フロイデー・シェーネル・ゲッテルフンケン。いい夜だった。

この文章を2019年に読んでくれたみなさん、本年はお世話になりました。来年もよろしくお願いします。この文章を2020年に読んでくれたみなさん、昨年はお世話になりました。本年もよろしくお願いします。

B.G.M.「THE WHO/WHO」
大好きなバンドが新作を発表することが大好きだ。

☆★☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックスの次のライブです。

《FIRST! LAST! ALWAYS! vol.13》
■1月19日(日) 浜松KIRCHHERR
■開場18:00
■前売/当日 ¥1500 (1drink別)
■出演:
SISTER PAUL
BABY JESSICA
田中ハドソン
妄念忍者
THE SLICKS

No.1508 - 2019/12/31(Tue) 13:13:14
借りてきたネコにまつわる話 / 淳吉郎
今年の出来事の中で、記憶に残るもののひとつがラグビーだった。
4年に1回の開催というのは他のスポーツにおけるスーパーイベントや、うるう年と一緒である。ぼくを含めたできたてホヤホヤのにわかファンは、4年後もその熱さを保ち続けているのだろうか。コンビニエンスでチンしたばっかりなお弁当のように、ホカホカなまんまだろうか。そして、イベントいかんにかかわらず、ぼくは今と変わらぬ生活を続けているのだろうか。いれたらいいのに。自然災害がとても多いここ数年、そう思います。

2年に1回のイベントが先日、開催された。個人的なカー・イベント、車検である。クルマを所有しているひとにとっては避けては通れぬイベント。マイカー・ライフの関所といってもよかろう。ひところにはそれを新車で購入し、車検が近づくと手放し、また新たなそれを購入する、なんていう生活を送っている人々がいた。関所が見えたから横道にすすっと移動。そして、わき目もふらず、なにげに通過する感じか。そんな歩行戦術を用いるひとは今もいるのだろうか。45回転のシングル盤の魅力はなにものにも代えがたい。だがしかし、33回転のアルバムだってすばらしい魅力がある。それとおんなじだと思うんだけど。おんなじクルマに乗り続けるってのは。

そんな車検でも楽しみがある。クルマがきれいに清掃されて戻ってくる、とか。いつもと違うクルマ、いわゆる代車に乗れる、とか。代車ってのは、なんらかの事情で他人のギターを弾くと不思議な感覚にとらわれる。あの感じに似ている。先日の代車は自分のクルマよりちょっぴり豪華、しかもスポーツ・タイプだった。いいクルマをあてがって、その気にさせる。お店の営業戦略なのだろう。低い車高。時速220キロメートルまで印字されたスピード・メーター。エネルギッシュな加速感。背中に感じる加速G。どこまでも行けそうな気がしてきたぜ。ぶぅぶぅどぅ。

リスナーとしてスピードのある音楽が好きだ。ジャキジャキのイントロから印象的なAメロ、ギヤチェンジをするように突飛なBメロ、そしてオーヴァー・ドライブするようなCメロ。そんな展開の楽曲も大好きだ。だけど、高速度でクルマを運転したり、タイヤを泣かせながらカーブを曲がることは苦手なのです。わたしは今、そのために生まれてきたような代車を運転している。お店の担当者のバカ野郎。人の顔つきを見てクルマを選べっつーの。
THE SLICKSはミドル・テンポが多いのです。

翌日の通勤途中のことである。ふと、あくびをした。その拍子に口をふさぐように顔に触れた。あれ?ふたつの鼻腔のななめ下に数本の毛が伸びてる。そんな気がしたんだ。ルームミラーで見てみる。うぉ、これはヒゲだぜ。あれれ、手の甲にも体毛が伸びてきたぞ。いい感じに焼けてきたアジの開きを裏返すように、手の甲を裏返す。手のひらを見た。5本の指の先端にはマシュマロのようなふくらみが。手のひらの真ん中にはハート型のマシュマロもあるぜ。こ、これは、も、もしかして肉球かも。交差点での信号待ちの真っ最中、ふと気づくとわたしは自分の舌で二の腕やわき腹をなめていた。いわゆる「ネコの毛づくろい」ってやつかもしんない。

「そうか、こんな慣れないクルマに乗りながら、借りてきたネコのような気分だった俺は、いつしか・・・」にゃあ。

☆★☆★☆★☆★☆★
ザ・スリックスの来年のライブです。

《FIRST! LAST! ALWAYS! vol.13》
■1月19日(日) 浜松KIRCHHERR
■開場18:00
■前売/当日 ¥1500 (1drink別)
■出演:
SISTER PAUL
BABY JESSICA
田中ハドソン
妄念忍者
THE SLICKS


《HIT A TARGET VOL.11》
■2月22日(土) 弁天島MARGARITA
■開場18:00/開演18:30
■料金:¥1500(1d込)
■出演:
Scramble
BEATSEEKER
真っ赤なBODY
SNOW BLADE
THE SLICKS

DJ:
Himitsu Syounen

写真:西暦2020年令和2年2月22日。おいっ!ネコっぽいなあ!おいっ!
久しぶりの自主企画を浜名湖弁天島でやります。
よろしくお願いします。
もちろん、大好きなシスターポールとご一緒できる1月19日も!

No.1507 - 2019/12/26(Thu) 00:19:13
以下のフォームに記事No.と投稿時のパスワードを入力すれば
投稿後に記事の編集や削除が行えます。
300/300件 [ ページ : << 1 ... 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 >> | 過去ログ | 画像リスト ]