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記事No.14506に関するスレッドです

数学?Vです。 / 文系
今年度、某国立大学経済学部に入学し、数学のレベルについていけない者です。
以下の、問題について、なぜそうなるのかまで説明していただけると幸いです。

No.14506 - 2011/08/08(Mon) 18:40:38

Re: 数学?Vです。 / angel
問題としては偏微分ですが、計算の仕方は高校の微分(常微分)の延長にあります。

基本は2つ
・積の微分
 d(f(x)g(x))/dx = df(x)/dx・g(x) + f(x)・dg(x)/dx
・合成関数の微分
 dg(f(x))/dx = df(x)/dx・g'(f(x)) ( ※g'(x)=dg(x)/dx )
 中でも良くあるのがべき乗
 d( f(x)^n )/dx = n・df(x)/dx・f(x)^(n-1)
 ※g(x)=x^n の場合の合成関数の微分に相当
 なお、1/x=x^(-1) ですから、分数の場合にも適用できます。…f(x)^(-1) と書いちゃうと逆関数と見られかねないので紛らわしいのですけれど。

さて、問題に戻りまして。
 u=(xcosα-ysinα)/(x^2+y^2)
というのは、f(x,y)/g(x,y) = f(x,y)・g(x,y)^(-1) の形をしております。
※くどいようですが、今回 ^(-1) は逆関数ではなく、マイナス一乗のことだと見てください
なので、
 ∂(f(x,y)/g(x,y))/∂x
 =∂( f(x,y)・g(x,y)^(-1) )/∂x
 =∂f(x,y)/∂x・g(x,y)^(-1) + f(x,y)・∂( g(x,y)^(-1) )/∂x
 =∂f(x,y)/∂x・g(x,y)^(-1) + f(x,y)・∂g(x,y)/∂x・( -g(x,y)^(-2) )
 =( ∂f(x,y)/∂x )/g(x,y) - ( f(x,y)・∂g(x,y)/∂x )/g(x,y)^2
 =( ∂f(x,y)/∂x・g(x,y) - f(x,y)・∂g(x,y)/∂x )/g(x,y)^2
という感じで計算できます。
※常微分での d を、偏微分の∂に変えただけです

では、実際の式でやってみましょうか。

 ∂u/∂x = ∂( (xcosα-ysinα)/(x^2+y^2) )/∂x
 = ( ∂(xcosα-ysinα)/∂x )/(x^2+y^2) + (xcosα-ysinα)・∂( 1/(x^2+y^2) )/∂x
 = cosα/(x^2+y^2) + (xcosα-ysinα)・∂(x^2+y^2)/∂x・( -1/(x^2+y^2)^2 )
 = cosα/(x^2+y^2) + (xcosα-ysinα)・(2x)・( -1/(x^2+y^2)^2 )
 = ( cosα・(x^2+y^2) - (xcosα-ysinα)・(2x) )/(x^2+y^2)^2
 = ( cosα・(y^2-x^2) + 2sinα・xy )/(x^2+y^2)^2

∂v/∂y についても同じように計算してみてください。
∂v/∂y = ( cosα・(x^2-y^2) - 2sinα・xy )/(x^2+y^2)^2
になると思います。
よって、最終的な答としては
∂u/∂x+∂v/∂y = 0

地道に式を整理していくことです。

--
∂v/∂yを計算間違いしていたので、修正しました。

No.14515 - 2011/08/08(Mon) 22:16:40

Re: 数学?Vです。 / 文系
なるほど。
大変詳しく説明していただき、有難うございます。
私にも理解できました。
もう一度、自分で計算してみたいと思います。

No.14518 - 2011/08/08(Mon) 22:58:15