[ 掲示板に戻る ]

記事No.17855に関するスレッドです

線型代数入門 / ハオ
線型代数入門を最初から写経しています。
行列について画像にあります「今までの流れ」にあるものだけを知っている、又は利用できるものとしています。
まず、最初の質問なのですが
問1の文にあります「ベクトルの線型変換」は「V^2の線型変換」の間違いなのではないでしょうか?

示す流れとして、
全ての点を原点に関する対称点へ移す変換Tがある行列Aによって引き起こされたとすると、この変換TはV^2の線型変換である。
実際この変換Tは行列A=-E(行列を僕はここで表示できないので、一時的にEが単位行列であることを既知としています)
で書ける。
よって題意の変換はV^2の線型変換を引き起こし、対応する行列は-Eである。
この様な証明で大丈夫でしょうか?

No.17840 - 2012/06/21(Thu) 23:46:01

Re: 線型代数入門 / ast
> の間違いなのでは
おそらく間違いではないでしょう. どういえば伝わるかちょっとわかりませんが, 例えば「点 “に対する” 変換がベクトル “に対する” 変換を引き起こす」というのと「点からなる集合 “の上で定義された” 変換がベクトルからなる集合 “の上で定義される” 変換を引き起こす」というのは同じ意味です. 写像について, 元を主体として述べるか集合を主体として述べるかが違うだけです.

それで, “に対する” も “(集合)の上で定義された” も (特にある程度ラフな文章では) 簡単に “の” と書いてしまって文章の調子をとることがあるわけです. それでも普通は区別がつくと思います.

> 示す流れ
まず, 点の変換が引き起こすベクトルの変換というのがどういう写像なのかを述べ, 問題にいう点の対称移動の引き起こすベクトルの変換写像が線型であることを示すべきです. 線型変換が行列で表されることは証明済みで使ってよいとのことなので, 線型であることを示した時点でそれを表す行列 A の存在がしめされたことになります. あとはその A の成分を計算するだけです.

No.17842 - 2012/06/22(Fri) 00:35:29

Re: 線型代数入門 / ハオ
>写像について, 元を主体として述べるか集合を主体として述べるかが違うだけです.
なるほど分かりました!詳しく教えてください有難う御座います。

問1に対する解答は上記の様な感じで大丈夫でしょうか?「実際〜〜〜」という言葉をここで習ったので実際に利用してみたのですが。

No.17843 - 2012/06/22(Fri) 00:42:39

Re: 線型代数入門 / ハオ
すいません、更新されている事に気付きませんでした。
示す流れとして適切なのはastさんが仰るものだとは理解できました。
間違った証明に粘る様で申し訳ないのですが、僕の証明のどこら辺が論証不十分又は破綻していますでしょうか?
いや、これは反論したい訳ではなく数学科では無いので証明というものをあまり習っておらず又練習してないのですが、個人的に数学科の院に行ってみたいな、という思いがありまして「証明」というものを少しでも習得したいと考えているので、間違った部分を正確に知りたいのです。
もし、面倒ではなかったらご教示願います。

No.17844 - 2012/06/22(Fri) 00:58:17

Re: 線型代数入門 / ast
こちらこそすみません, No.17842は一度投稿した後で後半の質問に答えてないことに気付いたので修正してしまいました.

> 証明のどこら辺が
ここで示すべきことは何かと言えば 「T が線型である (ゆえに行列 A によって表される) こと, 特に A = −E に対して T = T_A であること」であり, ハオさんの「証明」で「実際この変換Tは行列A=-E (が引き起こす)」の部分は, それをちゃんと示すことが問題の趣旨なのではないかという意味で, 結論を使って結論を示しているようなもののようにも読めます.

また略解としてなら「実際 T は A = −E が引き起こす変換 T_A に他ならないから, 問題の主張は明らか」程度で済ませてよい気がしますので, ハオさんの「証明」の第一文と最後の文はあまり意味のある文章とも思えません.

もちろん,「あったとすると」という仮定をして話を始めて, あとからその仮定に対する十分条件を「実際〜とすればよい」という具合に挙げて話の全体を正当化するという構成自体は別におかしいわけではないので「間違った部分」というのは本当はないのかもしれませんが, 少なくとも今の問題の短い証明文では, 無駄に文章構成を複雑にしているだけで無駄が多いのは確かだと思います. 敢えて書くのであれば, 「変換 T がある行列 A から引き起こされることを見ればよい. 実際 A = −E がそうである.」というような感じでしょうか (これもあまり良い文とは言えない気もしますが).

# 所期の, 所与のといった意味合いで「題意」を用いるのは, 受験数学用語として多用されてしまっている感もありますが, 個人的にはあまり良いとは思いません.

No.17845 - 2012/06/22(Fri) 01:51:12

Re: 線型代数入門 / ハオ
有難う御座います。勉強になりました。
astさんの仰った方法で示してみました。どうでしょうか。
恐らく合っているとは思うのですが、少しだけ疑問があります。
証明の最初の
「この変換Tによってx(太字)=(x,y)がy(太字)=(-x,-y)に移される」
ここは証明しなくて大丈夫でしょうか?
全ての点を原点に関する対称点へ移す変換と平面をπ回転させる変換は同値だから・・・・・・等と書く必要はありますか?

No.17854 - 2012/06/22(Fri) 10:28:49

Re: 線型代数入門 / ハオ
続きです。
なんかしつこくてすいません。

No.17855 - 2012/06/22(Fri) 10:29:16

Re: 線型代数入門 / ast
> 証明の最初の〜証明しなくて大丈夫でしょうか?
実際の文脈がどうなっているのかということはありますが, 恐らくは点に対する操作は既知としたうえで, それが線型代数で記述できることを知ろうという文脈だと考えられるので, いきなり使ってしまっていいと思います.

ご提示の証明は概ね問題ないと思います. 敢えて添削するのであれば後半部分で, 示すべき要点は等式
 (−x,−y) = (−1,0; 0,−1)(x,y)
が成り立つことなのであって Tx = (−x,−y) は前半でも使っていて最初から明らかなことなので, Tx から (−x,−y) までの間の式変形が意味を成しません. なので, もとの文章をなるべく活かすならば, 結論の直前の行の = (−x,−y) の部分だけ外した方がよさそうです.

あるいはそこは残して証明中のe_1,e_2に関する部分を全部削ってしまう方がいいのかもしれません. つまり

[i] 仮に (−x,−y) = (−1,0; 0,−1)(x,y) と繋ぐのであれば,
 「〜 T は線型変換である。特に (Tx =) (−x,−y) = (−1,0; 0,−1)(x,y) が成り立つ。したがって対応する〜」
のような文章構成を考えることができます.

[ii] あるいはその本での扱いにもよりますが, Te_1=…, Te_2=… を計算したらすぐに横に並べて T = (−1,0; 0,−1) と結論付けてもよいと思います. これが実際に所期の変換を与えていることを確認する文章として
 「実際, (−1,0; 0,−1)(x,y) = (−x,−y) (= Tx) だから〜」
のような記述をそのあとに続けておくと [i] の文章構成とほぼおなじになりますね.

# 一部の記号, 例えば縦ベクトル等を簡略的に横ベクトルで書いたりしていますがご容赦を.

No.17863 - 2012/06/22(Fri) 19:09:23

Re: 線型代数入門 / angel
ハオさんの解答はやや冗長に見えます。
※ただし、どこまでの前提知識を使って良いのかと、問題を解く目的によって変わってくる所なので、決して悪いと言っているわけではない。

最初に提示された画像を見る限り

 変換Tが線形変換である ≡ 変換Tをある行列で表すことができる …(1)

と、両者が表裏一体であることは前提として良さそうですから、「他人に説明するための解答」としては、

 a. 線形変換であることを示す → 最低限の例を挙げ行列を特定する
 b. 行列で表せる ( 恒等式になる ) ことを示す
  ※自動的に線形変換であることも示されている

のどちらかで良いはずです。
※問題文の書き方では a を期待しているように見える
しかしながら、ハオさんの解答では a,b の要素が全て入っていますから、私の目には冗長に映るわけです。

ただ、この問題を解く目的が、「(1)を実際の計算で体感すること」であれば、イロイロ詰め込むのもアリかと思います。

No.17870 - 2012/06/23(Sat) 10:57:38

2通りの解答例 / angel
上で挙げた a,b ですが、以下のようなものを想定しています。

・a
 線形性の説明 … ハオさんの解答の前半部分の通り
 行列の特定
  変換Tに対応する行列 ( 表現行列 ) をAと置く。
  点(1,0),(0,1)はTによりそれぞれ(-1,0),(0,-1)に変換されるため、
  A・t(1 0)=t(-1 0), A・t(0 1)=t(0 -1)
  よって、A・( t(1 0), t(0 1) ) = ( t(-1 0), t(0 -1) )
  すなわち A・E = A = ( t(-1 0), t(0 -1) )

・b
 Tにより、任意の点(x,y)は(-x,-y)に変換される。
 ところで、A=( t(-1 0), t(0 -1) ) とするとき、
 任意のx,yに対して A・t(x y)=t(-x -y) が成立する。
 ゆえに、T は A を表現行列とする線形変換である。
 ※この問題に限っては、「t(-x -y)=-t(x y)=-E・t(x y) のため A=-Eに対して…」という言い方もできそう

なお、上の表現で ( t(…), t(〜) ) とあるのは、列ベクトル t(…), t(〜) を横に並べて作った行列だと考えてください。
※掲示板上で複数行に渡って行列を書くのがメンドウなため

P.S. 類題として、次のようなものを考えるのも良さそうですね
 n次以下の多項式に対する微分操作をD ( すなわち D(f(x))=f'(x) ) とするとき、Dが線形変換であることを示し、その表現行列を求めよ
 ※nは一般の自然数でも良いですし、n=2 とか値を特定してやっても良いです

No.17871 - 2012/06/23(Sat) 11:20:30

Re: 線型代数入門 / ハオ
>astさん
確かに証明後半のTx(太字)=・・・・・・=(-x,-y)への式変形は既に明らかなので行う必要はありませんでした!
実際に証明を書いている間には気づきませんでした。
僕のあまりにしつこすぎる質問に付き合って頂き本当に有難うございます。
また質問することもあると思いますがその時はどうぞ宜しくお願い致します。

>angelさん
詳細な解説(どこが冗長か等を指摘)して頂いて本当に勉強になりました。
・aの構成を写させて頂きました。
類題まで出して頂いて有難うございます。考えて解答してみます。

No.17872 - 2012/06/23(Sat) 20:12:03

Re: 線型代数入門 / ハオ
考えて解答してみました。
もし宜しければ丸付けお願い致します。

No.17884 - 2012/06/25(Mon) 15:14:57

Re: 線型代数入門 / ハオ
続きです。
No.17885 - 2012/06/25(Mon) 15:15:25

Re: 線型代数入門 / ast
採点はangelさんがして下さるのを期待するとして, その前に2,3確認をしましょう. いろいろごちゃごちゃにみえるので.

[1] 線型写像の行列表示は基底の取り方に依存して決まることを理解していますか? それに関して
[1-i] 2-次以下の実係数多項式全体 (これを V としましょう) はどのような演算によりベクトル空間を成しますか, 特に V の基底を一組挙げてください.
[1-ii] V の任意の元 ax^2+bx+c の1-iで挙げた基底に関する座標は何になりますか. 特に x^2, x, 1 の座標ベクトルはどうなりますか.

[2] 微分 D は V 上の線型変換 (定義域も終域もVであるような写像) と見ていますか? それとも一次以下の多項式全体の成す空間 (W としましょう) に値をとる写像と見ていますか?
[2-i] 前者である場合, 任意の元 ax^2+bx+c の D による像の1-iで挙げた基底に関する座標は何になるかわかりますか?
[2-ii] 後者である場合, W の基底を一組挙げてください. またこの場合, 表現行列が2行3列 (2,3はそれぞれW,Vの次元) になることは既知であるか教えてください.

No.17899 - 2012/06/27(Wed) 02:10:31

Re: 線型代数入門 / ハオ
astさんお力添え有難うございます。
申し訳ない事に何がなんだか分かりません。

これはこちら側の都合なのですが
線型代数を1からやり直そう(時既に遅しなのかもしれませんが)と決め今『線型代数入門』を最初のページから写経しているところです。ページにして23まで進みました。
『線型代数入門』の進み方として、
いきなり一般的な行列を扱うのは大変なので、2次元3次元で話をまず確認しましょう(つまり高校レベルの話)。で、今の僕はそこにいます。

話が戻りますが、具体的にastさんが提示して下さった質問に答えるとなりますと、

>線型写像の行列表示は基底の取り方に依存して決まることを理解していますか?
理解できていません。「基底」がなんなのかまだ学習していませんが、調べた結果「互いに線型独立なベクトルの集合でその線型結合として与えられたベクトル空間の全てのベクトルを表せるもの」と理解しました。
とすると、今僕が扱った事がある基底は単位ベクトルです。
ただ線型独立の意味は「二つのベクトルa,bが平行でないとき、また三つのベクトルa,b,cが同一平面上の矢印で表示されないとき、これらを線型独立である」と学習したので、基底が無数にある事は理解できます。
しかしまだ基底を変えた世界で生きた事はありません。

No.17903 - 2012/06/27(Wed) 11:07:09

Re: 線型代数入門 / ハオ
>[1-i]
すいません。分かりません。
線型(ベクトル)空間がどういった空間なのか知りません。
多項式全体をVとしてVの基底なら分かりそうな気がします。
先程の知識を使って、多項式全体の全てを表せる互いに線型独立なベクトルの集合ですからx^2,x,1でしょうか。

しかしここで疑問なのですが2次元の基底としてはt(0,1)t(1,0)でした。
多項式って何次元なのでしょうか。たとえば多項式f(x)=x^3を考えてると3次元なのでしょうか?でもf(x)=x^3は今まで平面上(2次元)に書いていましたよね・・・。次元ってどうやって定義するのでしょうか。

単位ベクトルを応用して基底はt(x^2,0,0) t(0,x,0) t(0,0,1)でしょうか?とすると2次式の多項式は3次元(基底が3つあるから)なのでしょうか・・・。混乱してきました。
>[1-ii]
先ほど挙げた基底に関する座標は(a,b,c)です。
座標ベクトルはそれぞれt(1,0,0) t(0,1,0) t(0,0,1)です。

No.17904 - 2012/06/27(Wed) 11:22:17

Re: 線型代数入門 / ハオ
>[2]
微分DはV上の線型変換(としたかった)です。
>[2-i]
(0,2a,b)でしょうか。


非常に申し訳ないです。自分があまりに無知であるためにastさんの有意義な質問をとても無駄にしている気がものすごく致します。
自分の今の知識を総動員して返答したのでもし宜しければ見てください。

No.17905 - 2012/06/27(Wed) 11:28:47

Re: 線型代数入門 / angel
> 採点はangelさんがして下さるのを期待するとして
いや、私が採点というのもおこがましいのですが、話を振った以上、コメントさせて頂きます。

まず、計算の結果であるAは私の想定した答えの一つと合致します。
※実は、というか、当然のように、というか。答えは一つではありません。これは答えが複数ある、という意味ではなく、前提によって変化しうる、ということです。

線形性の説明としても、表現にやや問題があると思いますが、概ね合っています。

しかし残念ながら、(解答から読み取れる、ハオさんが無意識に設定したであろう) 暗黙の前提と照らし合わせると、答えとしては間違いになると考えています。

なお、astさんから色々と突っ込まれているのは、私がわざと問題を曖昧にしたせいでもあります。
※多分astさんも気付いていて、それで(助け舟として)突っ込みを入れているのでは…

その「曖昧にした」というのが、何回か挙げている「前提」の所なのですが、一言で言ってしまうと、

 ・多項式f(x)なんてものを、どうやってベクトルとして扱う(扱える)のですか?

という点につきます。
本来であれば、ここを明示するか、もしくは解答者自身に決めさせるよう小問を設問すべきなのです。

No.17910 - 2012/06/27(Wed) 23:09:44

Re: 線型代数入門 / angel
先に「表現にやや問題がある」と言った部分を説明します。
それは,の扱いです。
多項式とベクトルをあたかも等価なものであるかのように書いていますが、ここはマズいです。
例えば、多項式はそのままではベクトルとして扱えないため、=ax^2+bx+c という表現がチグハグになってしまう点もそうですが、もっとマズいのは'というベクトルの微分表現です。
ベクトルの微分が出てくるのは線形代数ではなくてベクトル解析ですよ…、という話はおいても、ベクトルの微分というのは「ベクトル変数の微小差分をスカラー変数の微小差分の逆数倍したベクトルの極限」ですから、非常に誤解を招く表現になってしまいます。
※多項式f(x)が何らかのベクトルに対応するにしても、xという変数によって変化するベクトルではなく、ただ一つの定ベクトルになるにすぎない。

なお、線形性を示す部分の解答例として考えたのは次の通りです。

 多項式f(x),g(x)、実数cに関して、微分の性質より明らかに
  f'(x)+g'(x)=( f(x)+g(x) )'
  cf'(x) = ( cf(x) )'
 が成立する。これは、
  D(f(x))+D(g(x))=D(f(x)+g(x))
  cD(f(x))=D(cf(x))
 が成立することを示す。ゆえにDは線形変換である。

No.17912 - 2012/06/27(Wed) 23:37:15

Re: 線型代数入門 / angel
あ、astさんのコメントも入りましたね。

> しかしなんだか写経する本というか写経を始める箇所を間違えてるのではないかと思い始めています…
いや、多分ですけど、「本を最初から写経」すると多かれ少なかれこうなると思います。
※私にも少なからず経験があります…。おそらくastさんの言う「一旦読み流す」が正しいのだろうとは思うのですが

> # angelさんの意図にどれくらい沿っているかわかりませんが, 私ならたぶんあれに0点を付けるでしょう.
だから、実は私の意図としては、意地の悪い話ですが、「問題を解いてもらう」よりも「悩んでもらう」方が大きかったのです。
※もっとも、分かっていれば悩む間もなく直ぐ解けてしまうでしょうけど。

おそらく、線形代数の教科書の先頭の方には、「どうやれば多項式をベクトルして扱えるか」なんてことは書いていないのです。( 多分、後の方で出てきます )
でも、線形変換は行列で表すことができるという話が出ている。では、線形変換の性質を持つ「微分」というのも行列で表せるはず…?
その時は、どうやって多項式をベクトルとして扱うのか…?
これは大いに悩むネタ ( 逆に言えば発想が広がるネタ ) ではなかろうか、と思ったわけで。

No.17913 - 2012/06/28(Thu) 00:03:33

Re: 線型代数入門 / ast
# おっと, あまりにもまとまりがなかったのと, 入れ違いにangelさんのコメントがあったのとで先の投稿を一旦消したのですが
# angel さんとまたもや入れ違いになってしまいました. すみません.
# しかしangelさんがうまくくみ取って下さったので, 先の投稿内容を復元する必要はなさそうです.

とりあえずあまりごちゃごちゃやるのもアレだと思ったので
以下に確認事項として簡単な一般論を書きました.
従って, これはずっと後になってから読み返すべきレスと理解してください.

----
線型写像が基底の行き先だけで決まるとかいう話を記号的に書くならば, V の基底 {x^2,x,1} に関する変換 D の行列表示が A_D であるというのは

 D((x^2,x,1)*t(a,b,c))=(x^2,x,1)*A_D*t(a,b,c)

が成り立つという意味なので, A_D*t(a,b,c)=t(0,2a,b) を満たす行列 A_D を訊かれていると考えるのがふつうだと思います. 線型性を示すだけなら変に内積の記号っぽく書く必要はなくて D(ax^2+bx+c)=2ax+b, D(dx^2+ex+f)=2dx+e などを考えればいいです.

{(2次式),(1次式),(0次式)} という集合はどれでも V の基底になります. {x^2,x,1} は標準的な基底のひとつです. 標準基底に関する座標を考えれば,
 x^2 <-> t(1,0,0), x <-> t(0,1,0), 1 <-> t(0,0,1)
と対応するということです (別に 1 が t(1,0,0) とかでもいいけど). 多項式それ自身がそのままベクトルなのであって, 多項式を組み合わせた変な数ベクトルっぽいものを考えようとしてはいけない.

もちろん x^2,x,1 の部分をそれぞれ任意の2次式,1次式,0次式で置き換えた別な基底を考えても, それぞれが基本ベクトル (ハオさんの言う単位ベクトル, ですがふつう「単位ベクトル」は長さが1であるような任意のベクトルを指します) に対応します.

なお D: V -> W という写像と見做したときは, 例えば {2x,1} を W の基底として (V の基底は {x^2,x,1} として)
 D((x^2,x,1)*t(a,b,c))=(2x,1)*A_D*t(a,b,c)
で, A_D は2行3列です. 仮に W の基底を延長して W を V に埋め込むなら, おそらくそれが angel さんが「Aとして想定した解答の一つ」と仰った部分に相当するのでしょう. しかし延長して得られる基底というのは {2x,1,0} ではありえません.

No.17914 - 2012/06/28(Thu) 00:11:03

Re: 線型代数入門 / ハオ
astさんangelさんわざわざのお力添え本当に感謝致します。
類題の方ですが僕の中でこの問題を解答する際に手間取ったのが「多項式ってベクトル表記でどうやって書くんだろう、座標上の点Pは原点Oを始点とするベクトル↑OPの成分にほかならないけど、そもそも多項式って何なんだっけ?多項式ってあれ?関数?」と困惑し、取り敢えず多項式をベクトル表記っぽく直すべく(a,b,c) t(x^2,x,1)としてしまいました。

が、これはダメなのですね。
確かにこれはベクトルというものが何か理解できていない証拠です。多項式はベクトルと等価では無いのですね。
今の知識ですと「平面または空間におけるベクトルとは、方向と長さとを合わせた概念である」です。
これで多項式は表せないのですね。

今回習得したものとして「ベクトルって何なのか理解できておらず、正確に利用できなかった」という教訓があります。

astさんの書いてくださった返信は保存させて頂いてまた機会がきましたら読ませて頂きます。その時にはangelさんが出して下さった類題も正解できるまでに理解できたらなと思います。
写経する範囲ですが、一般的なところからスタートし直す事に致します。ご提示ありがとうございました。

No.17915 - 2012/06/28(Thu) 00:58:47

Re: 線型代数入門 / angel
※なるほど、astさんはコメントを練り直されたのですね
※と思ったら、ハオさんのコメントも…

とりあえず、astさんのコメントとの間で混乱してしまうとアレなので、明言しておきますと、私が「前提」といっていたのは「『基底』の決定(or選択)」です。

ただ、模範解答例としては、「基底」という言葉を使わないものを用意していました。

No.17870で挙げたa,bのうちbのような解答なのですが、挙げておきます。行列の中身が ( 場合によってはサイズまで ) 変わりうることが分かるでしょうか。

どこが変わることによってどう変化するのか…、それに注意すれば「基底」というものが感じられるかも知れません。

No.17916 - 2012/06/28(Thu) 01:09:08