線型代数入門を最初から写経しています。 行列について画像にあります「今までの流れ」にあるものだけを知っている、又は利用できるものとしています。 まず、最初の質問なのですが 問1の文にあります「ベクトルの線型変換」は「V^2の線型変換」の間違いなのではないでしょうか?
示す流れとして、 全ての点を原点に関する対称点へ移す変換Tがある行列Aによって引き起こされたとすると、この変換TはV^2の線型変換である。 実際この変換Tは行列A=-E(行列を僕はここで表示できないので、一時的にEが単位行列であることを既知としています) で書ける。 よって題意の変換はV^2の線型変換を引き起こし、対応する行列は-Eである。 この様な証明で大丈夫でしょうか?
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No.17840 - 2012/06/21(Thu) 23:46:01
| ☆ Re: 線型代数入門 / ast | | | こちらこそすみません, No.17842は一度投稿した後で後半の質問に答えてないことに気付いたので修正してしまいました.
> 証明のどこら辺が ここで示すべきことは何かと言えば 「T が線型である (ゆえに行列 A によって表される) こと, 特に A = −E に対して T = T_A であること」であり, ハオさんの「証明」で「実際この変換Tは行列A=-E (が引き起こす)」の部分は, それをちゃんと示すことが問題の趣旨なのではないかという意味で, 結論を使って結論を示しているようなもののようにも読めます.
また略解としてなら「実際 T は A = −E が引き起こす変換 T_A に他ならないから, 問題の主張は明らか」程度で済ませてよい気がしますので, ハオさんの「証明」の第一文と最後の文はあまり意味のある文章とも思えません.
もちろん,「あったとすると」という仮定をして話を始めて, あとからその仮定に対する十分条件を「実際〜とすればよい」という具合に挙げて話の全体を正当化するという構成自体は別におかしいわけではないので「間違った部分」というのは本当はないのかもしれませんが, 少なくとも今の問題の短い証明文では, 無駄に文章構成を複雑にしているだけで無駄が多いのは確かだと思います. 敢えて書くのであれば, 「変換 T がある行列 A から引き起こされることを見ればよい. 実際 A = −E がそうである.」というような感じでしょうか (これもあまり良い文とは言えない気もしますが).
# 所期の, 所与のといった意味合いで「題意」を用いるのは, 受験数学用語として多用されてしまっている感もありますが, 個人的にはあまり良いとは思いません.
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No.17845 - 2012/06/22(Fri) 01:51:12 |
| ☆ Re: 線型代数入門 / ast | | | > 証明の最初の〜証明しなくて大丈夫でしょうか? 実際の文脈がどうなっているのかということはありますが, 恐らくは点に対する操作は既知としたうえで, それが線型代数で記述できることを知ろうという文脈だと考えられるので, いきなり使ってしまっていいと思います.
ご提示の証明は概ね問題ないと思います. 敢えて添削するのであれば後半部分で, 示すべき要点は等式 (−x,−y) = (−1,0; 0,−1)(x,y) が成り立つことなのであって Tx = (−x,−y) は前半でも使っていて最初から明らかなことなので, Tx から (−x,−y) までの間の式変形が意味を成しません. なので, もとの文章をなるべく活かすならば, 結論の直前の行の = (−x,−y) の部分だけ外した方がよさそうです.
あるいはそこは残して証明中のe_1,e_2に関する部分を全部削ってしまう方がいいのかもしれません. つまり
[i] 仮に (−x,−y) = (−1,0; 0,−1)(x,y) と繋ぐのであれば, 「〜 T は線型変換である。特に (Tx =) (−x,−y) = (−1,0; 0,−1)(x,y) が成り立つ。したがって対応する〜」 のような文章構成を考えることができます.
[ii] あるいはその本での扱いにもよりますが, Te_1=…, Te_2=… を計算したらすぐに横に並べて T = (−1,0; 0,−1) と結論付けてもよいと思います. これが実際に所期の変換を与えていることを確認する文章として 「実際, (−1,0; 0,−1)(x,y) = (−x,−y) (= Tx) だから〜」 のような記述をそのあとに続けておくと [i] の文章構成とほぼおなじになりますね.
# 一部の記号, 例えば縦ベクトル等を簡略的に横ベクトルで書いたりしていますがご容赦を.
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No.17863 - 2012/06/22(Fri) 19:09:23 |
| ☆ 2通りの解答例 / angel | | | 上で挙げた a,b ですが、以下のようなものを想定しています。
・a 線形性の説明 … ハオさんの解答の前半部分の通り 行列の特定 変換Tに対応する行列 ( 表現行列 ) をAと置く。 点(1,0),(0,1)はTによりそれぞれ(-1,0),(0,-1)に変換されるため、 A・t(1 0)=t(-1 0), A・t(0 1)=t(0 -1) よって、A・( t(1 0), t(0 1) ) = ( t(-1 0), t(0 -1) ) すなわち A・E = A = ( t(-1 0), t(0 -1) )
・b Tにより、任意の点(x,y)は(-x,-y)に変換される。 ところで、A=( t(-1 0), t(0 -1) ) とするとき、 任意のx,yに対して A・t(x y)=t(-x -y) が成立する。 ゆえに、T は A を表現行列とする線形変換である。 ※この問題に限っては、「t(-x -y)=-t(x y)=-E・t(x y) のため A=-Eに対して…」という言い方もできそう
なお、上の表現で ( t(…), t(〜) ) とあるのは、列ベクトル t(…), t(〜) を横に並べて作った行列だと考えてください。 ※掲示板上で複数行に渡って行列を書くのがメンドウなため
P.S. 類題として、次のようなものを考えるのも良さそうですね n次以下の多項式に対する微分操作をD ( すなわち D(f(x))=f'(x) ) とするとき、Dが線形変換であることを示し、その表現行列を求めよ ※nは一般の自然数でも良いですし、n=2 とか値を特定してやっても良いです
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No.17871 - 2012/06/23(Sat) 11:20:30 |
| ☆ Re: 線型代数入門 / ast | | | 採点はangelさんがして下さるのを期待するとして, その前に2,3確認をしましょう. いろいろごちゃごちゃにみえるので.
[1] 線型写像の行列表示は基底の取り方に依存して決まることを理解していますか? それに関して [1-i] 2-次以下の実係数多項式全体 (これを V としましょう) はどのような演算によりベクトル空間を成しますか, 特に V の基底を一組挙げてください. [1-ii] V の任意の元 ax^2+bx+c の1-iで挙げた基底に関する座標は何になりますか. 特に x^2, x, 1 の座標ベクトルはどうなりますか.
[2] 微分 D は V 上の線型変換 (定義域も終域もVであるような写像) と見ていますか? それとも一次以下の多項式全体の成す空間 (W としましょう) に値をとる写像と見ていますか? [2-i] 前者である場合, 任意の元 ax^2+bx+c の D による像の1-iで挙げた基底に関する座標は何になるかわかりますか? [2-ii] 後者である場合, W の基底を一組挙げてください. またこの場合, 表現行列が2行3列 (2,3はそれぞれW,Vの次元) になることは既知であるか教えてください.
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No.17899 - 2012/06/27(Wed) 02:10:31 |
| ☆ Re: 線型代数入門 / ハオ | | | >[1-i] すいません。分かりません。 線型(ベクトル)空間がどういった空間なのか知りません。 多項式全体をVとしてVの基底なら分かりそうな気がします。 先程の知識を使って、多項式全体の全てを表せる互いに線型独立なベクトルの集合ですからx^2,x,1でしょうか。
しかしここで疑問なのですが2次元の基底としてはt(0,1)t(1,0)でした。 多項式って何次元なのでしょうか。たとえば多項式f(x)=x^3を考えてると3次元なのでしょうか?でもf(x)=x^3は今まで平面上(2次元)に書いていましたよね・・・。次元ってどうやって定義するのでしょうか。
単位ベクトルを応用して基底はt(x^2,0,0) t(0,x,0) t(0,0,1)でしょうか?とすると2次式の多項式は3次元(基底が3つあるから)なのでしょうか・・・。混乱してきました。 >[1-ii] 先ほど挙げた基底に関する座標は(a,b,c)です。 座標ベクトルはそれぞれt(1,0,0) t(0,1,0) t(0,0,1)です。
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No.17904 - 2012/06/27(Wed) 11:22:17 |
| ☆ Re: 線型代数入門 / ast | | | # おっと, あまりにもまとまりがなかったのと, 入れ違いにangelさんのコメントがあったのとで先の投稿を一旦消したのですが # angel さんとまたもや入れ違いになってしまいました. すみません. # しかしangelさんがうまくくみ取って下さったので, 先の投稿内容を復元する必要はなさそうです.
とりあえずあまりごちゃごちゃやるのもアレだと思ったので 以下に確認事項として簡単な一般論を書きました. 従って, これはずっと後になってから読み返すべきレスと理解してください.
---- 線型写像が基底の行き先だけで決まるとかいう話を記号的に書くならば, V の基底 {x^2,x,1} に関する変換 D の行列表示が A_D であるというのは
D((x^2,x,1)*t(a,b,c))=(x^2,x,1)*A_D*t(a,b,c)
が成り立つという意味なので, A_D*t(a,b,c)=t(0,2a,b) を満たす行列 A_D を訊かれていると考えるのがふつうだと思います. 線型性を示すだけなら変に内積の記号っぽく書く必要はなくて D(ax^2+bx+c)=2ax+b, D(dx^2+ex+f)=2dx+e などを考えればいいです.
{(2次式),(1次式),(0次式)} という集合はどれでも V の基底になります. {x^2,x,1} は標準的な基底のひとつです. 標準基底に関する座標を考えれば, x^2 <-> t(1,0,0), x <-> t(0,1,0), 1 <-> t(0,0,1) と対応するということです (別に 1 が t(1,0,0) とかでもいいけど). 多項式それ自身がそのままベクトルなのであって, 多項式を組み合わせた変な数ベクトルっぽいものを考えようとしてはいけない.
もちろん x^2,x,1 の部分をそれぞれ任意の2次式,1次式,0次式で置き換えた別な基底を考えても, それぞれが基本ベクトル (ハオさんの言う単位ベクトル, ですがふつう「単位ベクトル」は長さが1であるような任意のベクトルを指します) に対応します.
なお D: V -> W という写像と見做したときは, 例えば {2x,1} を W の基底として (V の基底は {x^2,x,1} として) D((x^2,x,1)*t(a,b,c))=(2x,1)*A_D*t(a,b,c) で, A_D は2行3列です. 仮に W の基底を延長して W を V に埋め込むなら, おそらくそれが angel さんが「Aとして想定した解答の一つ」と仰った部分に相当するのでしょう. しかし延長して得られる基底というのは {2x,1,0} ではありえません.
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No.17914 - 2012/06/28(Thu) 00:11:03 |
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