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記事No.19217に関するスレッドです

線型写像 基底の変換 / He
大学1年です。
よろしくお願いします。

No.19217 - 2012/11/13(Tue) 22:33:31

Re: 線型写像 基底の変換 / ast
T (の表現行列) は座標 (あるいは縦ベクトル) (x_1,...,x_n) に対する変換なのであって, 基底を変換するものではないので, 「左の図」というのは正しい記述になっていません (つまり, A や B で u や u' が v や v' に写るのではありません).

厳密に言えば, 任意のベクトル x = x_1u_1 +…+ x_nu_n を記号的な内積として
 (u_1,...,u_n)(x_1,...,x_n)
と書いてある (面倒なので記号を替えませんが, 座標は全て縦ベクトルで, 行列の積として内積を見ています) という状況と考えるべきです. 画像の記述に座標ベクトルが現れないのは, 基底に着目する限り, 現れる写像が全て線型なため座標ベクトルは最終的にそのままの形で現れるように書けるからです. しかし, 感覚をつかめないうちは, 座標まで含めて書いたほうがよいと思います.

例えば, T(x) = x_1T(u_1) +…+ x_nT(u_n) だから, 同様の記法に従えば
 T(x)=(T(u_1),...,T(u_n))(x_1,...,x_n)
と書けますし, 表現行列 A の定義は
 T(x)=(v_1,...,v_m)A(x_1,...,x_n)
ですから, 結局 T (の行列表現) を知るには (T(u_1),...,T(u_n)) = (v_1,...,v_m)A がわかっていればよいので, そこだけを見るように記述してあるということです.

さて, 提示されている「証明」の方針は, (T(u'_1),...,T(u'_n)) を (あるいは座標に関して言えば, u'_1,...,u'_n に関する任意の座標 (x_1,...,x_n) を T の表現行列で写したものを) v_1,...,v_m に関して二通りに表すことです.

一つは後半に書かれているほうで,
 T(x) = (T(u'_1),...,T(u'_n))(x_1,...,x_n)
 = (v'_1,...,v'_m)B(x_1,...,x_n)
 = (v_1,...,v_m)QB(x_1,...,x_n)
ですが, これはまあ特に説明しなくてもわかるはずです.

いま一つは前半の方ですが, これは任意のベクトル x を u'_1,...,u'_n に関する座標で書いてあるのを, 一旦 u_1,...,u_n に関するものに書き直してから変換する様子が書いてあるはずです (画像の内容は書き写す際に間違いが混入しているように見受けられます). つまり,
 x = (u'_1,...,u'_n)(x_1,...,x_n) = (u_1,...,u_n)P(x_1,...,x_n)
としてから, T で写せば
 T(x) = (T(u_1),...,T(u_n))P(x_1,...,x_n)
 = (v_1,...,v_m)AP(x_1,...,x_n)
となることを言っています.

No.19249 - 2012/11/16(Fri) 06:25:21