| 詳しい説明は、そのページの前段に書かれていますので、そちらに譲るとして、 自然数 N の階乗( N!)の中に、素数 P は次の個数含まれる。 (ただし、N の P 進法展開を、stu・・・ とする。) を数学的帰納法で示してみます。
P=2 の場合 Nを2進法展開したときの、各位の数の合計をf(N)とすると、 N!に含まれる素因数2の個数は N−f(N) と表される、というのが示すべき命題です。 N=1 のとき、f(N)=1 であり、含まれる2の個数は 1−f(1)=0 (個) で、標記の命題は成り立ちます。 ある自然数kについて、k!に含まれる2の個数が k−f(k) (個) であり、これに k+1 を掛けて (k+1)!を作る時、 「(k+1)!に含まれる2の個数が k+1−f(k+1) であること」 ・・・(A) を示します。 kに1を足してk+1にするときの、2進法での変化を考えると、 1.繰り上がりがない時 110010+1=110011 のような場合で、k+1 が奇数の場合です。 このとき、f(k+1)=f(k)+1 であるので、 k+1−f(k+1)=k−f(k) ・・・2の数はkのときと変わらない(k+1が奇数のため) よって、(A)は正しいです。 2.2^n の位まで繰り上がる時 10111+1=11000 2^3の位まで繰り上がった場合 k+1 は 2^n の倍数で、2^(n+1) の倍数ではないので、含まれる2の数はn個増えます。 一方、f(k+1)=f(k)−n+1 (1の位から 2^(n-1) の位までが0になり、2^n の位が1となる) より、 k+1−f(k+1)=k−f(k)+n よって、(A)は正しいです。 以上より、すべての自然数Nについて、首記の命題は成り立つことが証明されます。
一般の素数Pのときもほぼ同じで、 NをP進法展開したときの、各位の数の合計をf(N)とすると、 N!に含まれる素因数Pの個数は {N−f(N)}/(P-1) と表される、というのが示すべき命題です。 N=1 のとき、f(N)=1 であり、含まれる2の個数は {1−f(1)}/(P-1)=0 (個) で、標記の命題は成り立ちます。 ある自然数kについて、k!に含まれるPの個数が {k−f(k)}/(P-1) (個) であり、これに k+1 を掛けて (k+1)!を作る時、 「(k+1)!に含まれるPの個数が {k+1−f(k+1)}/(P-1) であること」 ・・・(A) を示します。 kに1を足してk+1にするときの、P進法での変化を考えると、 1.繰り上がりがない時 434210+1=434211 (5進法の例) のような場合で、k+1 がPで割り切れない数の場合です。 このとき、f(k+1)=f(k)+1 であるので、 {k+1−f(k+1)}/(P-1)={k+f(k)}/(P-1) ・・・Pの数はkのときと変わらない よって、(A)は正しいです。 2.P^n の位まで繰り上がる時 30444+1=31000 5進法で、5^3の位まで繰り上がった場合 k+1 は P^n の倍数で、P^(n+1) の倍数ではないので、含まれるPの数はn個増えます。 一方、f(k+1)=f(k)−(P-1)n+1 (1の位から P^(n-1) の位までが0になり、P^n の位が1となる) より、 {k+1−f(k+1)}/(P-1)={k+f(k)}/(P-1)+n よって、(A)は正しいです。 以上より、すべての自然数Nについて、首記の命題は成り立つことが証明されます。
P=2 の場合は、イメージを掴むために載せたもので、一般のPだけでも十分です。
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No.43332 - 2017/05/25(Thu) 18:20:57 |