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記事No.44684に関するスレッドです

大学数学 写像 / k
下の問題を教えてください
No.44684 - 2017/07/16(Sun) 17:21:55

前提 / angel
写像等の定義・条件を如何に把握して運用するかがカギです。

まず単射・全射・全単射の条件についてです
・単射の条件として、
 A→Bへの写像 f に対して
  fが単射 ⇔ ( a1≠a2⇒f(a1)≠f(a2) )
  或いはその対偶 f(a1)=f(a2)⇒a1=a2

・全射の条件として
 A→Bへの写像 f に対して
  fが全射 ⇔ 任意のb∈B に対して f(a)=b を満たす a∈A が存在する

・fが全単射⇔fが単射かつ全射

次に写像・集合の同値性についてです
・A→Bへの写像 f,g に対して
 f=g ⇔ 任意のa∈A に対し f(a)=g(a)
 逆に言うと f≠g ⇔ f(a)≠g(a)となる a∈A が存在する

・集合X1,X2に対して
 X1=X2 ⇔ X1⊂X2かつX2⊂X1
 X1⊂X2 ⇔ 任意の x∈X1 に対して x∈X2

ということを前提として(続く)

No.44702 - 2017/07/17(Mon) 01:09:08

解答 / angel
(1)
Φ: x→*x が単射ということで、
x1* = x2* ⇒ x1=x2 ( x1,x2∈X ) を示す方向で行きます

 x1* = x2*
 ⇔ 任意の x'∈X に対し x1*(x')=x2*(x')
 ⇒ x1*(x2)=x2*(x2)  ← x'に特定の値 x2 を代入 )
 ⇔ x1*(x2)=1  ← ∵x*(x')=1 if x'=x
 ⇒ x1=x2  ← もしx1≠x2なら x1*(x2)=0 で矛盾(背理法)

(2)
α: f→f^(-1)(1) が全単射ということで、単射・全射をそれぞれ示します。

単射: f1^(-1)(1)=f2^(-1)(1) ⇒ f1=f2 ⇔ 任意のx∈X に対して f1(x)=f2(x) が目的

 f1^(-1)(1)=f2^(-1)(1)
 ⇔ 任意の x∈f1^(-1)(1) に対して x∈f2^(-1)(1)
  かつ 任意の x∈f2^(-1)(1) に対して x∈f1^(-1)(1)
 ⇔ ( f1(x)=1 ⇒ f2(x)=1 ) かつ ( f2(x)=1 ⇒ f1(x)=1 )  ← ^(-1) の定義をそのまま適用
 ⇔ ( f1(x)=1⇔f2(x)=1 )
 ⇔ ( f1(x)=1⇔f2(x)=1 ) かつ ( f1(x)≠1⇔f2(x)≠1 )  ← 対偶を追加しても同値
 ⇔ ( f1(x)=1⇔f2(x)=1 ) かつ ( f1(x)=0⇔f2(x)=0 )  ← 0,1しか値の候補がない
 ⇔ 任意の x に対して f1(x)=f2(x)  ← 1つ上と同様、0,1しか値の候補がないから
 ⇔ f1=f2

全射: 任意のX'∈Ρ(X)つまり、X'⊂X に対し、f^(-1)(1)=X' となる f の存在を示す

 任意の X' に対し、
  f(x)=1 ( x∈X' の場合 )
  f(x)=0 ( その他 )
 と f を定義すれば f^(-1)=X' となる。つまりそのような f は常に存在する

(3)
Ψ:X x→g=: f→f(x) が単射ということで、
g1=Ψ(x1),g2=Ψ(x2) に対して g1=g2⇒x1=x2 を示します
なお、g=Ψ(x) に対して g(f)=f(x) つまり、Ψ(x)(f)=f(x) であることに注意

 g1=g2
 ⇔ 任意の f に対して g1(f)=g2(f)
 ⇔ 任意の f に対して f(x1)=f(x2)
 ⇒ Yの2要素 y1,y2∈Y ( y1≠y2 ) に対して、f'(x1)=y1, f'(x)=y2 ( x≠x1 ) となる f' に対して
  f'(x1)=f'(x2) つまり、f'(x2)=y1 なので x1=x2
  ※ x1≠x2 だと f'(x2)=y2≠y1 となり矛盾

No.44703 - 2017/07/17(Mon) 01:11:03

補足 / angel
(3) についてですが、|Y|≧2 と条件があるのは、上の証明で
「Yの2要素y1,y2」というのを取って来ることができるように、ですね。

後(2)について直感的に言えば、
 Xの部分集合をつくる
 → Xのどの要素を抽出するか?
 → Xの各要素につき、必要/不要を割り当てる
ということを考えると、「部分集合の作り方」と「X→{必要,不要}の写像」というのは実は同じものとみなすことができるのですね。
※この問題では{必要,不要}の代わりに{0,1}という集合にしていますが

Ρ(X)というのは「部分集合全体」つまり、「部分集合の作り方全てのレシピ」と同一視できる、つまり「必要/不要を割り当てるやり方(写像)全体」と同一視できるので、全単射なのはある意味当たり前なのです。

No.44704 - 2017/07/17(Mon) 01:16:26