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記事No.51395に関するスレッドです

(No Subject) / ririri
「ある統計量の期待値と母数が一致するような統計量」が不偏推定量、という説明がよくわからないです。

期待値は平均値のようなもので、母数は統計量を決めるパラメータのようなもので、なぜ平均値とパラメータが一致することがあるのかわからないです。

この文章の意味の解説をお願いいたします。

No.51395 - 2018/06/27(Wed) 22:27:20

Re: / 黄桃
背景:母数が未知の母集団があるので、この母数を推定したい。

この推定のために、母集団から大きさnの無作為標本 x1,x2,...,x[n] を取ります。
これは観測値とも呼ばれます。観測値を用いて統計量(観測値の関数;標本平均なら(x1+x2+...+x[n])/n)を作り、母数の推定を行います。
ポイントは、統計量は、観測値の関数であり、観測値が変わればその統計量の値も変わる、ということです。しかしながら、母集団が決まっているいる以上、このような統計量の分布も決まるのですから、この統計量の期待値(平均)というものがあるはずです。
この値が母数と等しいときに、この統計量を不偏推定量というのです。

例を出します。表の出る確率pが未知であるようなコインがあるとします。
この母数p を推定するために、このコインをn回投げた結果を x1,x2,...,x[n]とします(表が出れば1,裏なら0とし、それ以外はないとします)。各回独立なのでこの結果は無作為標本といえます。これから、n回の平均という統計量が計算できます。この統計量の値は試行するたびに変動しますので、試行をたくさん行って(標本を何度も取り出す、ともいえます)ヒストグラムを書けば画像下図のような「標本分布」ができるはずです。例えば、n=100とします。最初に100回振ったら45回表が出たので45の度数に1を加え、次に100回振ったら42回表が出たので42の度数に1を加え...としていくと、こうした分布が得られます。
この分布の平均(期待値)が母数pに等しければ、pの不偏推定量というわけです。

ご存知のように、標本平均は母平均の不偏推定量です。
ですが、標本分散(=??(X[k]-X^-)^2/n;X^-は標本平均)は母分散の不偏推定量ではありません。

No.51439 - 2018/06/29(Fri) 06:28:50