L(D)=D^3-4D^2+5D-2は、L(D)^(-1)=-(D-1)^(-2)-(D-1)^(-1)+(D-2)^(-1)と表せる。
X(t)=-∫(t-s)e^(t-s)r(s)ds-∫e^(t-s)r(s)ds+∫e^(2(t-s))r(s)ds
とおく。ただし、∫f(s)dsはtを変数とするfの不定積分である。(本来は∫の右上にtと書いてあります)
D=d/dtの微分演算子です。
(1)DXを求めよ。 (2)D^2Xを求めよ。 (3)D^3Xを求めよ。 (4)X(t)がL(D)=rを満たすことを確かめよ。
(3)まで解いてみたのですが、答えは(1)∫e^(t-s)r(s)ds、(2)r(t)、(3)r'(t)となりましたがこれで良いのでしょうか? また(4)の問の意味がよくわかりません。 よろしくお願いします。
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No.68169 - 2020/07/20(Mon) 23:21:24
| ☆ Re: 常微分方程式の問題 / ast | | | t が混じっていると微分積分学の基本定理によって積分を外すことはできないので, まず e^t や t と言った因子は積分の外に出します (まあ指数函数は微分してもほぼ形が変わらないので最後はまた元に戻すんですけど……). 外に出した因子も各積分もともに t の函数なので, それらが掛け合わされている以上は, 微分する際は積の微分法で処理します.
ということで各積分 (X(t) における符号というか係数はひとまず無視して積分のところだけ) の導函数は以下のようになると思います: [i] (d/dt)∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds =(e^t)'(t*∫^t e^(-s)r(s)ds -∫^t s*e^(-s)r(s)ds)) +e^t(t*∫^t e^(-s)r(s)ds -∫^t s*e^(-s)r(s)ds))' =∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds +e^t(∫^t e^(-s)r(s)ds+t(e^(-t)r(t)) -(t*e^(-t)r(t))) =∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds+∫^t e^(t-s)r(s)ds, [ii] (d/dt)∫^t e^(t-s)r(s)ds =∫^t e^(t-s)r(s)ds +r(t), [iii] (d/dt)∫^t e^(2(t-s))r(s)ds =2*∫^t e^(2(t-s))r(s)ds +r(t).
これら i,ii,iii をもとに (0) X=-∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds -∫^t e^(t-s)r(s)ds +∫^t e^(2(t-s))r(s)ds の微分を計算すると, (1) DX=-∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds -2∫^t e^(t-s)r(s)ds +2*∫^t e^(2(t-s))r(s)ds となります. 各項はもとの式と同じ積分の式を含んでいるので, 同様に i,ii,iii を適用していけば, (2) D^2X=-∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds -3∫^t e^(t-s)r(s)ds +4*∫^t e^(2(t-s))r(s)ds, (3) D^3X=-∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds -4∫^t e^(t-s)r(s)ds +8*∫^t e^(2(t-s))r(s)ds +r(t)
となると思います. ということで本問の(4)の通りに検算を試みるわけですが, めでたく D^3X-4D^2X+5DX-2X=r(t) になるみたいなのでたぶん計算は合っていると思っていますが, 私自身はよく計算間違いをするので, 信用せずに質問者さんご自身でよく検討なさってみてください.
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No.68239 - 2020/07/22(Wed) 17:59:59 |
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