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記事No.68202に関するスレッドです

常微分方程式の問題 / S.W
L(D)=D^3-4D^2+5D-2は、L(D)^(-1)=-(D-1)^(-2)-(D-1)^(-1)+(D-2)^(-1)と表せる。

X(t)=-∫(t-s)e^(t-s)r(s)ds-∫e^(t-s)r(s)ds+∫e^(2(t-s))r(s)ds

とおく。ただし、∫f(s)dsはtを変数とするfの不定積分である。(本来は∫の右上にtと書いてあります)

D=d/dtの微分演算子です。

(1)DXを求めよ。
(2)D^2Xを求めよ。
(3)D^3Xを求めよ。
(4)X(t)がL(D)=rを満たすことを確かめよ。

(3)まで解いてみたのですが、答えは(1)∫e^(t-s)r(s)ds、(2)r(t)、(3)r'(t)となりましたがこれで良いのでしょうか?
また(4)の問の意味がよくわかりません。
よろしくお願いします。

No.68169 - 2020/07/20(Mon) 23:21:24

Re: 常微分方程式の問題 / ast
自分では解けてない (積分の式がうまく呑み込めてない) ですが,
> (4)の問の意味がよくわかりません。
については 方程式 D^3X-4D^2X+5DX-2X=r(t) に (1),(2),(3) の結果を代入して成り立つか検算するように言われているだけだと思います. (まあこの大問自体が, つまり演算子法のアプローチでちゃんともとの方程式が解けることの確認問題ですよね.)

# 問題としては X(t) は天下り式に与えられてるので, L(D)^(-1) の部分分数分解の行は余分ですけど,
# 与えられた X(t) の各項が分解の各項に対応するものだと示唆するために入れてあるのでしょうね.

No.68199 - 2020/07/21(Tue) 18:53:51

Re: 常微分方程式の問題 / S.W
ありがとうございます。
(1)については、第2項と第3項が微分積分学の基本定理を用いればそれぞれ-r(t)とr(t)になり打ち消されると思ったのですがいかがでしょう?

(手書きで申し訳ないですが自分の計算を載せておきます)

No.68202 - 2020/07/21(Tue) 19:29:06

Re: 常微分方程式の問題 / ast
> それぞれ-r(t)とr(t)になり打ち消される
これは微分積分学の基本定理を適用すると (d/dt)∫^t e^(t-s)r(s)ds= e^(t-t)r(t)=r(t) だから, というような議論を想定しておられるということですね?
よくある落とし穴ですが, これはダメな論法です (単純に s を t に置き換えればいいというのは被積分函数が t を含まないときだけです. 今回は被積分函数の中に不定積分の変数と同じ t が入っているのでNG).

ただ, 第一項に関しては係数の (t-s) を分けて t を外に出そうとしておられるフシがあるので, この落とし穴についてはご存じだったりするかもしれず, 知ってたならまた別の問題になるのかもしれないですが, まあたぶん正しい議論だとどうなるのかは後々書きます.

No.68208 - 2020/07/21(Tue) 20:53:27

Re: 常微分方程式の問題 / ast
t が混じっていると微分積分学の基本定理によって積分を外すことはできないので, まず e^t や t と言った因子は積分の外に出します (まあ指数函数は微分してもほぼ形が変わらないので最後はまた元に戻すんですけど……). 外に出した因子も各積分もともに t の函数なので, それらが掛け合わされている以上は, 微分する際は積の微分法で処理します.

ということで各積分 (X(t) における符号というか係数はひとまず無視して積分のところだけ) の導函数は以下のようになると思います:
 [i] (d/dt)∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds
   =(e^t)'(t*∫^t e^(-s)r(s)ds -∫^t s*e^(-s)r(s)ds)) +e^t(t*∫^t e^(-s)r(s)ds -∫^t s*e^(-s)r(s)ds))'
   =∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds +e^t(∫^t e^(-s)r(s)ds+t(e^(-t)r(t)) -(t*e^(-t)r(t)))
   =∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds+∫^t e^(t-s)r(s)ds,
 [ii] (d/dt)∫^t e^(t-s)r(s)ds =∫^t e^(t-s)r(s)ds +r(t),
 [iii] (d/dt)∫^t e^(2(t-s))r(s)ds =2*∫^t e^(2(t-s))r(s)ds +r(t).

これら i,ii,iii をもとに
 (0) X=-∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds -∫^t e^(t-s)r(s)ds +∫^t e^(2(t-s))r(s)ds
の微分を計算すると,
 (1) DX=-∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds -2∫^t e^(t-s)r(s)ds +2*∫^t e^(2(t-s))r(s)ds
となります. 各項はもとの式と同じ積分の式を含んでいるので, 同様に i,ii,iii を適用していけば,
 (2) D^2X=-∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds -3∫^t e^(t-s)r(s)ds +4*∫^t e^(2(t-s))r(s)ds,
 (3) D^3X=-∫^t (t-s)e^(t-s)r(s)ds -4∫^t e^(t-s)r(s)ds +8*∫^t e^(2(t-s))r(s)ds +r(t)

となると思います. ということで本問の(4)の通りに検算を試みるわけですが, めでたく D^3X-4D^2X+5DX-2X=r(t) になるみたいなのでたぶん計算は合っていると思っていますが, 私自身はよく計算間違いをするので, 信用せずに質問者さんご自身でよく検討なさってみてください.

No.68239 - 2020/07/22(Wed) 17:59:59