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記事No.78233に関するスレッドです

ガウスの法則 高校物理 / がざみ
一枚目はなぜ電気力線が導線の両端からは出ないのか?導体であるから、帯電していたら、電荷は表面上にあり、なので、面積は円柱上ではなくはなく半径rの球を二等分したものの中心を両端につけた錠剤のカプセル型だと思いました。

二枚目はE={8πk(0)Q}/Sに何故ならないのか?極板Aからも極板Bからも4πk(0)Q本の電気力線が出ているので、極板間は計8πk(0)Q本の電気力線が存在すると思いました。

なるべくわかりやすくお願いします!!

No.78232 - 2021/09/16(Thu) 18:26:10

Re: ガウスの法則 高校物理 / がざみ
2枚目です。
No.78233 - 2021/09/16(Thu) 18:28:06

Re: ガウスの法則 高校物理 / X
一つ目の質問)
問題文の冒頭の部分をもう一度読んでみてください。

真空中〜伸びた「十分に長い」導線を〜

とありますよね。
問題は「」で囲んだ部分です。
これは
導線の長さはこれが無限の場合と同じ性質であるとする
=導線の両端については考えないことにする
という意味です。

No.78237 - 2021/09/16(Thu) 18:45:46

Re: ガウスの法則 高校物理 / X
二つ目の質問)
極板Aの電荷から出た電気力線が極板Bの電荷に吸い込まれるわけ
ですので、電気力線の本数は片方(例えば極板A)から出ている
4πk[0]Q
で正解です。

No.78238 - 2021/09/16(Thu) 18:48:31

Re: ガウスの法則 高校物理 / 編入受験生
一つ目の問いについての解答。
電気力線はもちろん両端からもでます.
仮に十分に長いまっすぐ伸びた導線の長さをLとします.
導線上のすべての点の電場の向きは、クーロンの法則から
導線の方向を向いている.
だから導線の端点にもし微小な正電荷をおけば、その端点からは電気力線が導線を延長するように出ている。


しかし,例えば10kmの導線の中点+-数ミリの間の電場を考えるときに,銅線の長さはどのようにいえるでしょうか?
10kmの導線から考えれば、中点も中点+数ミリも同じ位置にあるといえるほど僅かな差でしかありません。だからそのような状況では、導線は無限に長くて電場を考えるときは,その点の垂線は導線の中点で交わると考えてよい。
この仮定はすなわち、考える点よりも上側の導線が作る電場と下側の導線が作る電場の導線方向の電場は向きが逆で大きさが同じになるということです。それは、クーロンの法則から実際に計算してみればわかります.
だから、足しわせると相殺されて導線方向には電場は存在しません.そのために円柱面で導線を覆えば,電場は必ず底面に平行になって,その部分での電気力線の本数は0になります.
電気力線の本数は∫E・dSで求められることは習いましたか?
ここで、Eは電場でdSは面に対して垂直なベクトルです.
・は内積を表し,つまりEが面に平行ならばEとdSは垂直になるので,E・dS=0となって電気力戦の本数は0になります.
したがって、底面は無視して側面だけの電気力戦の本数を数えればいいことになるのです.

現実には実際の導線はすべて有限の長さですから,どのくらいの誤差を許容できるかという議論を踏まえたうえで、適応できる差(中点からどのくらいの長さまで許容できるか)を考えることになります。
そしてそのような状況でしかガウスの法則は適用できないことがわかっています。
ですから、導線の端まで考えてガウスの法則から電場を求めることはできません(対称性がなく上記のような議論ができないから)。
また、ガウスの法則は閉じた曲面を貫く電気力戦の本数がその閉曲面の内部の電荷の総和に等しいということを言っているだけで、閉曲面の形はなんでもいいので、円柱でもカプセル型でも、自分のわかりやすいようにすればいいと思う。
ただし上記の議論ではカプセル型の曲面では求められない.

最後に、物理を理解する上で心がけるべきこととして、
物理学で学ぶ理論は現実には適用できない理想化された場合が多い。現実にはありえないいろんな仮定を設けて現象を簡単にして理論的に説明しようとする。
それが物理学の根幹であって、どのような仮定をおいてどのような理想化された状況を考えているのかを読み解かないと、答えを出すことはできない。

No.78240 - 2021/09/16(Thu) 20:06:25

Re: ガウスの法則 高校物理 / がさみ
一枚目は分かりました。解釈が大事なのですね。ありがとうございます。2枚目はもうそう解釈するしかないと言う奴ですね。
No.78242 - 2021/09/16(Thu) 20:43:06

Re: ガウスの法則 高校物理 / 編入受験生
> 一枚目は分かりました。解釈が大事なのですね。ありがとうございます。2枚目はもうそう解釈するしかないと言う奴ですね。

すみません、気分で1枚目しか答えませんでした。
2枚目についての解答。

電気力線っていうのはごまかしてるにすぎません。
そうやって考えると都合がいいというだけで、
電気力線ですべてを説明できるわけではないということをまず言っておきます。
そのうえで、電気力線の定義は電場のある空間に電荷量1の点電荷をおいて、その電荷に外力を加えてゆっくり動かしたときの軌跡です。
電場中に電荷をおけばもちろん電場から力を受けるから、動きます。しかし、何かしら力を加えるなりして加速度が極めて小さくなるように補正して、電荷を動かすとその電荷の軌道が電気力線になるということです。
つまり、簡単に言えば電気力線とは電場ベクトルを各点で足し合わせたものです。
ここで、がさみさんが誤解していることは、
電気力戦の本数は、単に電荷をもった各々の物体が作り出す電気力戦の本数の和ではないということです。
なぜなら、空間に作られる電場は必ず一つしかありません。
それぞれの物体が作り出す電場があるからといって、それぞれの電場が空間にあるわけではないです。それらは足しあわされて一つの電場として空間に存在します。
ですから、そもそも極板Aが作る電気力線の本数+極板Bが作る電気力戦の本数のような単純な足し合わせはできません。
では、どうやって求めるのかというとガウスの法則に忠実に求めればいい。
実はガウスの法則から、ある閉じた曲面上を貫く電気力線の本数はその閉曲面内部の電荷量のみに依存するということがわかる。
外部にどれだけ、電荷があってもそれらは無意味です。

実際に、電場Eをガウスの法則から求めてみます。
まず極板Aと同じ面積Sをもつ長方体で極板Aを含み板Bを含まないように囲むとき,
電場の向きは常に板に垂直だから側面の電気力線の本数は0,
板Aと板Bの間にない方の面(上面)は、電場がそもそも存在しないので、板Aと板Bの間の電場をEとすると、その底面での電気力線の本数は定義からE×Sで、長方体内部には板Aの電荷量4πkQがあるから、これらはガウスの法則より等しいので,
E = 4πkQ/Sとなる.
∴ 板Aと板Bの間の電場は板Bに向かう向きで大きさは4πkQ/S.
少し補足すると,Eが極板Aに垂直になるということと
板Aより上側の部分で電場が0になるということはガウスの法則からは求めることができません。
それは実際にクーロンの法則から電場を計算しなければわからないことです。
そして、また極板間の距離は面積Sに比べると極めて小さいという仮定もなければ上記は成り立ちません。
結論からいうと、極板の面の中心付近であって面積に対して十分小さい高さの位置にある電場は面に垂直で高さによらないということは、クーロンの法則から計算して初めてわかり、そしてそれを用いなければ厳密な意味でガウスの法則から電場を導出することはできないということです。
ですから、ガウスの法則だけを用いて電場を導出することはほとんどの場合で不可能だと思ってください。
だからこそ、教科書だと上のようなごまかした表現になってしまいます。
ただし、極板によって生じる電場は極板間の間だけで、
また板の面に対して垂直になるということをわかっていれば、ガウスの法則から求めることはできます。
あと、この教科書の説明には極板間の距離が面積Sに対して十分小さいという仮定が与えられていないので、よろしくないです。
最後に、蛇足ですが物理は理解しようと思うとどうしても微分積分の知識が必要になってくる、もっと欲を言えばベクトル解析。しかし、それだと時間がかかるのでやはり参考書の解法を暗記しまくるほうがいいとも思います。
教科書レベルの理解だと、何十枚もの極板が作る電場とかに対応できないはずです。難関大はそのレベルの問題は出してきますので。以上、蛇足でした。

No.78273 - 2021/09/18(Sat) 00:41:05