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記事No.80721に関するスレッドです

(No Subject) / ここ
空間図形の問題です。

2r X 2r の正四角形を平面に描き、端の4点を中心にそれぞれ半径rの球を描きます。この4つの球は接点で固定されており、剛体です。この立体物に対して、半径Rの剛体の球を衝突・接触させた時に接触可能な領域の表面積はどのように計算できるのでしょうか?

4つの球のうちまずは2つを取り出して考えてみました。2つの球の接着部分に沿って1つの球を360℃沿わせて描いた接点の軌跡は、4つの球になると、4個の球の中心に落ち込んだところで、終点になるはずです。そして、感覚的には、この落ち込みでは、各4球との4点が接点となり、ここが折り返し地点で残りの3方向(90℃、180℃、270℃)にも延長できると感じています。具体的な計算方法がないと数学的には正しくないと感じています。こういう立体図形の問題にどう対処するのがいいのでしょうか?

No.80662 - 2022/02/02(Wed) 06:11:31

Re: / 関数電卓
下図1のように,x 軸上に中心をもち原点で接する半径1の2球に対し,半径1の第3の円(赤)は図1の着色部分(−1/2≦x≦1/2 の部分)と接することが出来ません。
お尋ねのような4球固定の場合には,図2の着色部分の4倍が求める面積になります。
図2で,半径1の球の表面の y≧1/2 の部分(黄+橙)及び z≧1/2 の部分(ピンク+橙)の面積は,それぞれ単独には容易に求まるのですが,共通部分(橙)の面積が簡単には求まらないようです。

No.80713 - 2022/02/02(Wed) 21:09:38

Re: / 関数電卓
上図の橙色部分の面積 S は↓の式で求まるようですが,恥ずかしながら私にはこの積分が出来ません。解析的に求まるのかどうかも分かりません。
No.80714 - 2022/02/02(Wed) 21:14:25

Re: / ここ
> 上図の橙色部分の面積 S は↓の式で求まるようですが,恥ずかしながら私にはこの積分が出来ません。解析的に求まるのかどうかも分かりません。

御助言ありがとうございます。確認ですが、ピンクと橙色は90度で直行するという解釈でよろしいですよね?この感覚的な解釈を自分もしていたのですが、4球になった時に、4球の落ち込みに球がハマった時ら辺の、位置関係がどうも、感覚的な気がするのですが、数学的に正しいのでしょうか。

また、問題自体がrとRだったのですが、どうやって普遍化したらいいのでしょうか。頭がヒートして、こんがらがってます。

No.80717 - 2022/02/02(Wed) 22:41:13

Re: / 関数電卓
> ピンクと橙色は90度で直行するという解釈でよろしいですよね?
はい,結構です。
> 4球になった時に、4球の落ち込みに球がハマった時ら辺の、位置関係がどうも、感覚的な気がするのですが、数学的に正しいのでしょうか。
下図3と↑の図2を併せてご覧になれば,納得されることでしょう。
> また、問題自体がrとRだったのですが、どうやって普遍化したらいいのでしょうか。
r と r の場合に難航しているのですから,普遍化は 絶望的 でしょう。
問題の出典は何ですか?

No.80721 - 2022/02/03(Thu) 00:07:27

Re: / ここ
> 大学の数学基礎の過去問です。

rとrのシンプルな計算式は理解できたのですが、上記の数式はどうやって導き出したのでしょうか。

> 絶望的

そうですか。何故この問題が存在するのか謎ですね。。。

No.80722 - 2022/02/03(Thu) 00:12:09

Re: / らすかる
> 上図の橙色部分の面積 S

Sの値はarctan(√2/5)になるようですが、
これは橙色部分の面積の1/2ではありませんか?

No.80725 - 2022/02/03(Thu) 05:54:53

Re: / らすかる
一般の場合は
(黄+橙)=(ピンク+橙)=2πRr^2/(R+r)
橙色部分は
R≦(√2-1)r のとき 0 (2領域が重ならない)
R>(√2-1)r のとき
4r^2・{arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r))-r/(R+r)*arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/r)}
となりますので、
着色部分の面積は
R≦(√2-1)r のとき 4πRr^2/(R+r)
R>(√2-1)r のとき
4r^2・{πR/(R+r)-arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r))+r/(R+r)*arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/r)}
非着色部分の面積は
R≦(√2-1)r のとき 4πr^2-4πRr^2/(R+r)=4πr^3/(R+r)
R>(√2-1)r のとき
4πr^2-4r^2・{πR/(R+r)-arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r))+r/(R+r)*arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/r)}
=4r^2・{arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r))+r/(R+r)*(π-arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/r))}
従って求める面積はその4倍で
R≦(√2-1)r のとき 16πr^3/(R+r)
R>(√2-1)r のとき
16r^2・{arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r))+r/(R+r)*(π-arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/r))}
となると思います。

また、最後の式
16r^2・{arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r))+r/(R+r)*(π-arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/r))}
はarctanをarccosに変えると少し短くなって
16r^2・{arccos((R+r)/√(2R(R+2r)))+r/(R+r)*arccos(-r/√(R(R+2r)))}
となります。

No.80727 - 2022/02/03(Thu) 07:09:47

Re: / 関数電卓
> Sの値はarctan(√2/5)になる
確かにその通りですね。こちら,及び こちら。
> 橙色部分の面積の1/2ではありませんか?
その通りです。θ:π/4〜π/2 で積分しているので。失礼しました。
計算,も少し粘ってみます。有り難うございました。

No.80728 - 2022/02/03(Thu) 08:54:48

Re: / らすかる
WolframAlphaで厳密解が出ないときでも
不定積分は出してくれることが多いので、
不定積分に自分で積分範囲を代入して計算すれば
厳密解が出せます。

# そのような場合、一般に積分結果が長くなり、代入手計算は面倒ではありますが、
# 実際に上記の積分も不定積分は出してくれます。

No.80729 - 2022/02/03(Thu) 09:52:38

Re: / ここ
みなさん、ありがとうございます。

空間図形に弱すぎて、初歩の初歩で躓いています。。。

?@(黄+橙)=(ピンク+橙)=2πRr^2/(R+r)
?A橙色部分はR>(√2-1)r のとき
4r^2・{arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r))-r/(R+r)*arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/r)}

これはどうやって、導いたのですか?

No.80737 - 2022/02/03(Thu) 16:29:57

Re: / らすかる
説明に関数電卓さんの図を使用します。
No.80713の図1は3円の半径が1ですが、
これを下2つの黒い円の半径をr、上の赤い円の半径をRとします。
右の黒い円の中心をA、赤い円の中心をB、線分ABと赤い円の交点
(すなわち2円の接点)をCとし、Cからx軸に垂線CHを下します。
AB=R+r、OA=r、AC=rであり△OAB∽△HACからAB:OA=AC:AHなので
AH=OA・AC/AB=r^2/(R+r)とわかります。
よってOH=OA-AH=r-r^2/(R+r)=Rr/(R+r)です。
(No.80713の例ではR=r=1なのでOH=1/2となります。)
球面の面積は円柱面に投影すれば求めるのが簡単になります。
図1の円Aを球と考えて黄色の部分の表面積を考える場合、
これをx軸を中心として半径rの円柱面に投影すれば
高さがRr/(R+r)、半径がrの円柱面になりますので、
面積は2πr・Rr/(R+r)=2πRr^2/(R+r)と求まります。
よって(黄+橙)=(ピンク+橙)=2πRr^2/(R+r)です。

No.80721の図3の赤線は円の中心からの距離が1/2なので
交わって橙色の部分が出来ていますが、この距離が1/√2以上のとき
赤縦線と赤横線は(円内では)交わらず、橙色の部分がありません。
円の半径がrの場合は「r/√2以上」です。
「中心からの距離がr/√2以上」を式で表すと
AH≧r/√2 すなわち r^2/(R+r)≧r/√2 であり、これを整理すると
R≦(√2-1)rとなります。よってR≦(√2-1)rのときは橙色の部分がなく、
着色部分の面積は2・2πRr^2/(R+r)=4πRr^2/(R+r)となります。
R>(√2-1)rの場合は橙色の部分がありますので、
4πRr^2/(R+r)からこの面積を引かなければなりません。
橙色の面積の考え方はNo.80713の図2で説明します。
ただし図2では球の半径が1ですが、rとします。
具体的に式で表してみると、
球は x^2+y^2+z^2=r^2
「黄+橙」の周である赤い円は球の式でy=AH=r^2/(R+r)とすればよいので
x^2+z^2=(R+2r)Rr^2/(R+r)^2, y=r^2/(R+r) となります。
同様に「ピンク+橙」の周の赤い円は
x^2+y^2=(R+2r)Rr^2/(R+r)^2, z=r^2/(R+r) です。
この2式から、橙色部分のx方向の範囲は
|x|≦r√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r)
と求められます。
よって橙色部分を円柱面y^2+z^2=r^2に投影して
平面x=tで切った時の投影後の図の弧長を求め、
-r√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r) から r√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r) まで
tで積分すれば面積が求まります。
対称性から、平面y=zと平面x=0で4分割してその一つ分の面積を求めて
4倍します。
x=t と x^2+y^2=(R+2r)Rr^2/(R+r)^2, z=r^2/(R+r) の交点のうち
橙色部分の縁である点の座標は
(t,√{(R+2r)Rr^2/(R+r)^2-t^2},r^2/(R+r))
と求められ、この点からx軸に下した垂線とxy平面とのなす角度は
arctan({r^2/(R+r)}/{√{(R+2r)Rr^2/(R+r)^2-t^2}})
=arctan(r^2/√{(R+2r)Rr^2-t^2(R+r)^2})
と求められますので、弧長は
{π/4-arctan(r^2/√{(R+2r)Rr^2-t^2(R+r)^2})}・r
とわかります。
従って橙色部分の面積は
4∫[0〜r√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r)]{π/4-arctan(r^2/√{(R+2r)Rr^2-t^2(R+r)^2})}r dt
=4r∫[0〜r√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r)]π/4-arctan(r^2/√{(R+2r)Rr^2-t^2(R+r)^2}) dt
です。
積分にはWolframAlphaを使用しました。
上記のままだと複雑すぎてよくわからなくなりますので
a=r^2
b=(R+2r)Rr^2
c=(R+r)^2
d=r√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r)
とおいて
4r∫[0〜d]π/4-arctan(a/√(b-ct^2)) dt
を計算します。
しかしこの定積分値は得られませんでしたので、
不定積分を求めて値を代入します。
不定積分は
∫π/4-arctan(a/√(b-ct^2)) dt
={(√(a^2+b))arctan(at√(c/(a^2+b))/√(b-ct^2))-aarctan(t√c/√(b-ct^2))}/√c
-tarctan(a/√(b-ct^2))+tπ/4+C
となり、このtに0を代入すると積分定数を除いて0ですから、
tにdを代入して4r倍したものが橙色部分の面積となります(積分定数は削除)。
つまり橙色部分の面積は
4r・{{(√(a^2+b))arctan(ad√(c/(a^2+b))/√(b-cd^2))-aarctan(d√c/√(b-cd^2))}/√c-darctan(a/√(b-cd^2))+dπ/4}
です。
この式でa,b,c,dをRとrの式に戻して整理すると
4r^2・{arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r))-r/(R+r)*arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/r)}
が得られます。
これが一つの球の着色部分の面積ですから、球の表面積(4πr^2)からこれを引いて4倍したものがR>(√2-1)rの場合の答えになります。

No.80740 - 2022/02/04(Fri) 00:22:08

Re: / ここ
> らすかるさん

数学偏差値105をたたき出したこともあるのですが、ここまで難しいとは思いませんでした。正直、手も足もでません。

教えていただいたスキームで概ね理解できたつもりなのですが、最も簡単なr=R=10mmのケースで計算すると、3Dの解析ソフトでシミュレーションしてみた値と合致しません。。。

どちらが間違っているのかわからないのですが、橙色部分を計算すると、あまりにも値が小さい気がしたのですが、どこか計算ミス等ありますでしょうか。。。自分では見つけられません。

No.80762 - 2022/02/06(Sun) 09:03:06

Re: / らすかる
r=R=10mmを
4r^2・{arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r))-r/(R+r)*arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/r)}
に代入すると、橙色部分の面積は55.12855984…という値になると思います。
以下、説明を簡単にするためNo.80713の図2で(1,0,0)を北極、(-1,0,0)を南極、
球面とx=0の共通部分を赤道とします。
橙色の部分は、r=Rのとき最大幅(赤道上で占める経度)が30°となりますよね。
もし橙色部分が同図でx軸方向に長く、球面上で平面z=(√3)yと
平面z=(1/√3)yに挟まれたy>0(z>0)の部分全体とすると
球の表面積のちょうど1/12になりますが、そのときの面積は
4πr^2/12=104.71975511…になります。
橙色部分の端点の緯度は北緯/南緯45°ですから、(球面上での)長さは
上記の長い図形のちょうど半分です。よって面積も半分に近い値になることが
予想されますが、実際55.12855984…は半分に近い値なので正しそうですね。

No.80765 - 2022/02/06(Sun) 10:19:17

Re: / ここ
今理由がわかりました。
4r^2・{arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/(R+r))-r/(R+r)*arctan(√(R^2+2Rr-r^2)/r)}
をWolframalphaに入れたのですが、・が積として、認識されないため、誤解しました。
完全に、シミュレーションと一致します。ただただ素晴らしいの一言です。
これで回りのみんなにも、回答の共有できそうです。この難問たるや、、、数学オリンピックみたいな感じですかね。。受けたことありませんが。

No.80767 - 2022/02/06(Sun) 11:00:12