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記事No.84811に関するスレッドです

曲線の長さの比較 / 大西
y=x^a(0≦x≦1)(a>1)の長さはaが大きくなると長くなることを
示したいです。
グラフより明らかと書くと雑なような気がするので、何か示すいい方法は無いでしょうか?

No.84802 - 2023/02/02(Thu) 21:55:27

Re: 曲線の長さの比較 / ポテトフライ
甘い点もありますが、次のようにすればよいと思います。

y=x^a(0≦x≦1)(a>1)の長さをL(a)とすれば
L(a)=∫_[0,1](1+ax^{a-1})^{1/2}dx
よって
(∂/∂a) L(a)=∫_[0,1](∂/∂a)(1+ax^{a-1})^{1/2}dx
=∫_[0,1]x^{a-2}(x+a(a-1))/{2(1+ax^{a-1})^{1/2}}dx
このときx∈[0,1],a>1のときx+a(a-1)>0より、
(∂/∂a) L(a)の被積分関数は正。
すなわち(∂/∂a) L(a)>0なのでL(a)は単調増加

No.84803 - 2023/02/03(Fri) 01:58:10

Re: 曲線の長さの比較 / らすかる
f(x)=x^a, g(x)=x^b (a<b)とします。
y=g(x)上の点(p,g(p))におけるy=g(x)の接線l1を考え、
点(p,g(p))を通り接線l1と垂直な直線l2とy=f(x)との交点を(q,f(q))とします。
pが0に近いときはf'(q)>g'(p)、1に近い時はf'(q)<g'(p)となりますので、
pが0<p<1を満たすある値のときにf'(q)=g'(p)となります。
このとき、接線l1をs軸、直線l2をt軸とみなしてst座標系を考えて
xy座標系におけるy=f(x)をst座標系におけるt=h(s)、
xy座標系におけるh=g(x)をst座標系におけるt=i(s)とすると、
h'(0)=i'(0)=0
s>0のとき0<h'(s)<i'(s)
s<0のとき0>h'(s)>i'(s)
となりますので、任意の微小区間[α,α+ε]において
「h(α)からh(α+ε)の長さ」<「i(α)からi(α+ε)の長さ」
となり、その合計である全体の長さもt=h(s)よりt=i(s)の方が長くなります。
従ってy=f(x)よりy=g(x)の方が長いことになります。

# 細かいところははしょっていますので厳密性に欠けますが、
# 図形的イメージはつかみやすいかと思います。

No.84804 - 2023/02/03(Fri) 02:09:49

Re: 曲線の長さの比較 / 大西
ポテトフライさん、らすかるさんありがとうございます。

ポテトフライさんの方の回答は曲線の長さの式からaに対するL(a)の増減を調べるという点の説明は理解できました。

曲線の長さは
L(a)=∫_[0,1](1+(ax^{a-1})^2)^{1/2}dx
でしょうか。
あと、私の勉強不足かも知れませんが、aではなくてxで微分しているように見えてしまいました。

らすかるさんの方の回答はグラフのイメージ通りのことで理解しやすかったです。

ありがとうございました。

No.84805 - 2023/02/03(Fri) 07:53:47

Re: 曲線の長さの比較 / ポテトフライ
すみません。間違ったことをかいてしまいました。

一般に関数y=f(x)のa≦x≦bの曲線の長さLは
L=∫_[a,b]√(1+f'(x)^2)dx
です。なので今回の場合大西さんの
L(a)=∫_[0,1](1+(ax^{a-1})^2)^{1/2}dx
が正しいです。

その上でaの関数とみて微分しても増減を簡単に判定できそうもないですね。
(∂/∂a) L(a)=∫_[0,1](∂/∂a)(1+(ax^{a-1})^2)^{1/2}dx
=∫_[0,1]ax^{a-2}(2+alogx)/{2(1+ax^{a-1})^{1/2}}dx

あとは
>L(a)の増減を調べる
で間違いないです。

No.84806 - 2023/02/03(Fri) 12:37:15

Re: 曲線の長さの比較 / 大西
ポテトフライさんご返信ありがとうございます。

私も最初は曲線の長さの式を微分しようと思ったのですが、うまくいきませんでした。
区間を分割したりしてもなかなかうまくいかずに混乱していました。ありがとうございます。

No.84807 - 2023/02/03(Fri) 19:06:45

Re: 曲線の長さの比較 / IT
陸上競技で凸曲線またはその外側を走るとき、その曲線が最短路であることは当たり前の気がしましたが、証明は思いつきませんでした。検索したら見つかりましたので紹介します。

「単純閉凸曲線の長さ」で検索すると佐賀大学のレポートが見つかると思いますのでご覧ください。

(概要)細かい定義や証明は原文をご覧ください。
Cを単純閉曲線とする。
Cは平面を2つの領域に分割するが、そのうち有界な方の領域をCの内部といい、C及びその内部からなる集合を[C]で表す。
[C]が凸集合であるような単純閉曲線を「単純閉凸曲線」という。
単純閉曲線Cの長さをCに内接する単純多辺形の長さの上限として定義できこれをL(C) と表す。


単純閉凸曲線C1,C2 について、[C1]⊂[C2]ならばL(C1)≦L(C2)が成り立つ。等号は[C1]=[C2]のときに限る

証明の流れ
[補題1]
 P、Qが単純多辺形であるとする。
[P],[Q]が凸であって[P]⊂[Q]を満たすならば、L(P)≦L(Q)が成り立つ。

[補題2]
 単純閉凸曲線C上に一定の向きに点A1,A2,...,Anをとるとき、これらの点を順次結んで得られる閉折線Pは単純多辺形であり、[P]は凸多角形になる。

[定理1]単純閉凸曲線Cの長さは有限である。

[定理2]C1,C2が単純閉凸曲線で[C1]⊂[C2]ならば、L(C1)≦L(C2)が成り立つ。等号は[C1]=[C2]のときに限る。

証明の概要:C1に内接する任意の単純多辺形Pについて、C2に内接する単純多辺形Qで[P]⊂[Q]となるものを構成することができる。(省略)
このとき補題2からL(P)≦L(Q)。
L(C2)の定義よりL(Q)≦L(C2)だから,L(P)≦L(C2)となる。
Pに関して上限をとってL(C1)≦L(C2)を得る。

(等号条件の証明はあとで)


 

No.84808 - 2023/02/03(Fri) 22:02:26

Re: 曲線の長さの比較 / IT
(等号条件の証明用の略図です)
No.84809 - 2023/02/03(Fri) 22:46:02

Re: 曲線の長さの比較 / 大西
ITさんご返信ありがとうございます。

興味深い文献をご紹介いただきありがとうございます。
当たり前のことのようでそれを示すのは意外と難しいのですね。
勉強になりました。

No.84810 - 2023/02/04(Sat) 00:57:57

Re: 曲線の長さの比較 / IT
本問の場合に特化した説明図を書いてみました。

厳密にはy=x^a 上の折れ点の数がいくらでも、折れ点を結ぶ線分の長さの和が、y=x^bの内側の折れ線の長さより小さいことを示す必要があります。

No.84811 - 2023/02/04(Sat) 10:40:04

Re: 曲線の長さの比較 / IT
折れ点が3つの場合を描いてみました。
No.84812 - 2023/02/04(Sat) 13:29:14

Re: 曲線の長さの比較 / 大西
ITさんご返信ありがとうございます。

非常にわかりやすいイメージ図を描いていただきありがとうございます。
点の数が増えていって曲線に近付いた時でも同じことが言えますね。

ありがとうございました。

No.84813 - 2023/02/04(Sat) 22:14:56