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記事No.89264に関するスレッドです

(No Subject) / bred
これを証明してほしいです。(できれば高校数学の範囲で)
No.89264 - 2024/11/06(Wed) 23:12:56

Re: / ast
# 積の記号 Π を使っておいて高校範囲もあったものではないようなきがしなくもないが, 以下のような感じか?
記号が面倒なので示すべき等式の左辺をいま仮に prod(x,n) と書く (ついでに組合せの数も C[n,k] のように添字は右側にまとめて書く) ことにするが:

いま x prod(x,n+1) = prod(x+1,n) および (x+n+1)prod(x,n+1) = prod(x,n) に注意すれば, prod(x,n+1) の部分分数分解が
  prod(x,n+1) = (prod(x,n) − prod(x+1,n))/(n+1) …(A)
で与えられることが確認できる.
所期の等式が成り立つ非負整数 n に対して, (A) の右辺を等式の右辺で置き換えれば

  prod(x,n+1)
  = (1/(n+1))(1/n!) Σ_[k=0,…,n] (−1)^k C[n,k]/(x+k)
    − (1/(n+1))(1/n!) Σ_[j=0,…,n] (−1)^j C[n,j]/(x+1+j)
  = (1/(n+1)!) Σ_[k=0,…,n] (−1)^k C[n,k]/(x+k)
    + (1/(n+1)!) Σ_[k=1,…,n+1] (−1)^(k+1) C[n,k−1]/(x+k)
  = (1/(n+1)!) ( (−1)^0 C[n,0] / (x+0)
         + Σ_[k=1,…,n] (−1)^k (C[n,k]+C[n,k−1])/(x+k)
         + (−1)^(n+1) C[n,n] /(x+n+1)),
ここで, 組合せの数は "任意の n,k に対して C[n+1,k]=C[n,k]+C[n,k−1]" および "任意の n に対して C[n,0]=C[n+1,0], C[n,n]=C[n+1,n+1]" を満たすから, 結局
  prod(x,n+1) = (1/(n+1)!) Σ_[k=0,…,n+1] (−1)^k C[n+1,k]/(x+k)
となり, これは所期の等式が n+1 に対しても成り立つことを意味する.
n=0 のときは示すべき等式は自明だから, 帰納法により任意の非負整数 n について所期の等式は正しい.

No.89266 - 2024/11/07(Thu) 06:23:16

Re: / ast
なお, 原理的には (A) を prod(x,n) = (prod(x,n-1) - prod(x+1,n-1))/n の形で n=0 になるまで再帰的に繰り返し用いることでももちろん示せるはず (これは帰納法を逆向きでやってるだけで先の証明と本質的に同じことであるはず) だけれど, その場合 (1/n! で括れるのは明らかなのでそれは別として) 結果の式に現れる prod(x+k,0)=1/(x+k) の項は n 回適用する (A) において右辺の二つの項のうち x+1 の側の項を k 回選ぶことで作られ, かつそれを選ぶごとに -1 が掛かるから, というような数え上げで係数 (-1)^k C[n,k] を正当化すれば組合せ論的な証明とすることは可能だと思う.
No.89273 - 2024/11/08(Fri) 09:58:41