n≧1,a0,a1,a2,...,anが有理数、 p1,p2,...,pnはすべて異なる整数で平方数ではないものとするとき、 a0 + a1√p1 + a2√p2 + ... + an√pn ⇒ aj = 0 (j = 0,1,2,...,n)であることを示したいのですが、 n=3や4なら教科書にも載っているのですが、一般のnに対して 証明するのが難しいです。 教えてください。
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No.73003 - 2021/02/20(Sat) 21:22:30
| ☆ Re: a+b√c=0 / IT | | | > p1,p2,...,pnはすべて異なる整数で平方数ではないものとするとき、 少なくとももっと厳しい条件でなければだめですね。 反例) p1=8,p2=18
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No.73005 - 2021/02/20(Sat) 21:43:04 |
| ☆ Re: a+b√c=0 / ゆう | | | 返信ありがとうございます。 p1,p2,・・・,pnをすべて異なる素数にします。
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No.73007 - 2021/02/20(Sat) 22:07:56 |
| ☆ Re: a+b√c=0 / 黄桃 | | | 長くなりますが、高校数学の範囲で説明してみます。大学でも数学科でやるような内容(代数拡大)なので理解できなくても問題ありません。
p1,p2,...,pn,... :相異なる素数とし、 F0={有理数全体} F1={a+b√p1 |a,b∈F0} F2={a+b√p2 |a,b∈F1} ... Fn={a+b√(pn)|a,b∈F[n-1]} ... と定義します。有理数はすべてのFk(k=0,1,2,...)に含まれます。
Fnの元同士の和差積はやはりFnの元です(厳密には数学的帰納法を使って証明します)。
#a,b,c,... を有理数として、F1={a+b√p1}, F2={a+b√p1+c√p2+d√(p1p2)}, F3={a+b√p1+...+c√(p1p2)+...+d√(p1p2p3)),... となっています。 #このことは気にしなくても構いません。
次の命題が成立します。 命題 (1) pをp1,p2,...,pk と異なる素数, qをpと互いに素な整数、とすれば、F[k]の元xで q*x^2=p を満たすものは存在しない。 (2) kが1以上の時、F[k]の元 x=a+b√pk (a,b∈F[k-1])について、x=0 ならば a=b=0 (3) kが1以上の時、F[k]の元xは0 でなければ、逆元をF[k]の中に持つ(1/x はF[k]の元の形c+d√pk でかける)。したがって、F[k]では加減乗除ができる(0で割ることを除く、Fkのどの2つの元の加減乗除もFkの元)。
証明は数学的帰納法によりますが、一般のkでは理解しづらいと思うので、kが小さい場合に実際に書き下してみます。
k=0の時 (1)pを素数、qをpと互いに素な整数(特にq≠0)、xを有理数、とすれば、qx^2=p は成り立たない。なぜなら、xの分母を払って、両辺を素因数分解して素因子pの指数を比べれば左辺は偶数、右辺は奇数だから。
k=1の時。 (1)pをp1と異なる素数、qをpと互いに素な整数, x∈F1, qx^2=p となったとする。 x=a+b√p1, a,bは有理数、 とすれば、q(a^2+b^2*p1+2ab√p1)=p つまり、q(a^2+b^2*p1)+2qab√p1=p。 √p1 は有理数でないから、2qab=0 となり、a,bのいずれかは0。b=0なら、qa^2=p となり、k=0の場合の(1)と矛盾。 a=0なら p1*q*a^2=p となり、やはり、k=0の場合(1)と矛盾。したがって、このようなxは存在しない。
(2)x=a+b√p1=0 とする。b≠0なら、a-b√p1をかけると a^2-b^2*p1=0 つまり、(a/b)^2=p1となり、x^2=pがF0に解を持つことになりk=0の場合に矛盾。したがって、b=0 となり、x=a=0となる。
(3)x=a+b√p1≠0 とする。b=0ならa≠0で、1/x=1/aである。b≠0なら、k=0の場合よりx^2=p は有理数解を持たないから、(a/b)^2≠p1、つまり、a^2-b^2*p1≠0。 したがって、a/(a^2-b^2*p1)-(b/(a^2-b^2*p1))√p1 はF1の元で、xの逆元である。
k=2の時 (1)pをp1,p2と異なる素数、qをpと互いに素な整数, x∈F2, qx^2=p とする。 x=a+b√p2, a,b∈F1、とすると、q(a^2+b^2*p2+2ab√p2)=p, となる。ab≠0なら、√p2=-(a^2+b^2*p2-p/q)/(2abq) である。右辺はF1の元の加減乗除だから、F1の元。これは、既に示したk=1の(1)でq=1,p=p2とした場合にx^2=p2 はF1で解をもたないことと矛盾する。 したがって、ab=0 である。a=0 であれば、q*p2*b^2=p となり、F1で、q*p2*x^2=p が解を持つ。これはk=1の場合の(1)に矛盾する。 b=0の場合も q*x^2=p がF1に解を持つことになり矛盾する。したがって、このようなxは存在しない。
(2)x=a+b√p2=0, a,b∈F1とする。b≠0とする。a-b√p2 をかけると a^2-b^2*p2=0 となり、(a/b)^2=p2となる。 k=1の場合の(3)で示したように、a/bはF1の元だから、これはk=1の(1)でp=p2,q=1とした場合に矛盾する。したがって、b=0であり、a=x=0となる。
(3)x=a+b√p2≠0 (a,b∈F1) とする。b=0ならa≠0で、1/aが逆元、b≠0なら、k=1の場合の(1)でp=p2,q=1 とした場合からx^2=p2はF1で解を持たないから(a/b)^2≠p2、a^2-b^2*p2≠0.よって、a/(a^2-b^2*p2)-(b/(a^2-b^2*p2))√p2 はF2の元で、xの逆元。
以下、まったく同じで、数学的帰納法で証明できます。
命題(2)より、a0+a1√p1+a2√p2+...+an√pn=0 ならば、an=0 かつ a0+a1√p1+a2√p2+...+a[n-1]√p[n-1]=0 が言え、これを繰り返せば a0=a1=...=an=0 がいえます。
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No.73044 - 2021/02/23(Tue) 18:31:37 |
| ☆ Re: a+b√c=0 / ゆう | | | 黄桃さんご回答ありがとうございます。 やはり数学的帰納法で順次示して行く方法がポピュラーなのですね。
明後日と明々後日は大学の二次試験がありますのでそれが終わってからまた試してみます。
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No.73045 - 2021/02/23(Tue) 20:38:22 |
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