男子高校生です。下にある問題は文化祭用に適当に作ってみた整数問題ですが、色々やってもうまくいかず困っています。
a^2+b^2+c^2=3abc+1 を満たす整数a,b,cの組を全て求めよ。
考えたことの中で一番進んだものを書いておきます。 mod3で考えるとa,b,cのうち丁度2つが3の倍数なので、対称性よりここではa=3A, b=3B(A,Bは整数)とおいて整理すると(c+1)(c-1)=9(3ABc-(A^2+B^2)となります。右辺が9の倍数なので、c≡±1(mod9)です。
=====ここからは実験===== c=1の時、A^2-3AB+B^2=0 ⇔ A=(3B±√5|B|)/2となり、√5は無理数なのでAが整数であるためにはB=0が必要でその時A=0。これは元の式を満たす。(対称性より一つに絞られているが、実際はこれを並び替えたものが3組できる)
C=8の時、A^2-24AB+B^2+7=0 となり、Aの2次方程式と見ると、実数解Aを持つ条件は判別式より-√137≦B≦√137 なので、Bは-11以上11以下。同様にBの2次方程式と見ると、Aも-11以上11以下。ここで、AB<0の時左辺は正なので与式は不成立。両方0、どちらかが0の場合も不成立なので、残るはA,Bが同符号の場合だけ。表計算ソフトで調べ上げて、条件を満たすA,Bは存在しないとわかりました。
c=10の時、A^2-30AB+B^2+11=0 となります。同様に判別式を使うとA,Bはどちらも-√214以上√214以下、すなわち-14以上14以下になるはずです。 =============== 以降もc=8のときと同様に絞り込み+調べ上げで証明はできますが、任意のcに対して有効な証明を考えたい...といった感じです。
ダラダラと書きましたが、数学掲示板なら全く違ったアプローチをする発想も得られるのではないかと思い質問しました。どなたかお力を貸してください…解くのは難しいのであれば、その理由まで教えて頂きたいです。
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No.88555 - 2024/08/09(Fri) 00:11:17
| ☆ Re: 整数問題 / らすかる | | | 判別式の計算を間違えていませんか? 例えばc=8のときのA^2-24AB+B^2+7=0の判別式は D/4=(12B)^2-(B^2+7)=143B^2-7≧0からB≧√(7/143) のようになるのではないでしょうか。 実際、B=29とするとA=348+8√1879≒694.78という解を持ち、 「Bは-11以上11以下」を満たしませんが解が存在しています。
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No.88557 - 2024/08/09(Fri) 05:31:17 |
| ☆ Re: 整数問題 / IT | | | やってみられたかもしれませんが、絶対値5000までだと (±1,0,0) の型しかないようですね。
もちろん、だからといって、これだけと言える訳ではないです。
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No.88563 - 2024/08/10(Sat) 06:22:15 |
| ☆ Re: 整数問題 / らすかる | | | 1億まででその形しかないことは確認しました。 0<a≦b≦cとするとa<{(√5-1)/2}√cという必要条件が 導けますので、これを使うと総当たりがかなり減ります。 # abc≠0として、a,b,cのうち1個または3個が負だと明らかに不適、 # そして2個が負の解があった場合その2個の符号を反転して # 全部正にしても成り立ちますので、0<a≦b≦cの解が # 存在しないことが示せれば十分ですね(示せていませんが)。
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No.88564 - 2024/08/10(Sat) 09:23:14 |
| ☆ Re: 整数問題 / IT | | | らすかる さん >1億まででその形しかないことは確認しました。 かなりな大きさですね。私は5000までを1万にすると結構な時間(30秒)掛かりました。(プログラミング言語やCPUによると思いますが) なお、0<a≦b≦cとしてb≦c/2, ab≦cという必要条件で総当たりを減らしました。
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No.88565 - 2024/08/10(Sat) 10:56:34 |
| ☆ Re: 整数問題 / らすかる | | | あ、私も総当たりと書いてしまいましたが、実際は少し違って (1) cのループ(1〜10億) (2) その中でaのループ(1〜√c) (3) bをb={3ac±√(9a^2c^2-4a^2-4c^2+4)}/2で計算(整数に丸める) (4) 元の式を満たすか確認 という方法(bはループしない)で、実際は√(9a^2c^2-4a^2-4c^2+4)を整数に丸めて 2乗したところで√の中身に一致するものがなかった(つまりac≠0で9a^2c^2-4a^2-4c^2+4が 平方数になるものが見つからない)という結果でした。 # プログラムは10億までですが、1億までで2〜3時間かかっていたので1億すぎで止めました。
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No.88567 - 2024/08/10(Sat) 14:58:58 |
| ☆ Re: 整数問題 / IT | | | a^2+b^2+c^2=3abc は、「マルコフのディオファントス方程式」と呼ばれる方程式で、 a^2+b^2+c^2=3abc+1は、さらに一般化した式の一つになりますね。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022314X15000190
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No.88571 - 2024/08/11(Sun) 08:07:37 |
| ☆ Re: 整数問題 / IT | | | 上記論文では、a^2+b^2+c^2=3abc + 1 を下記方程式に変形しています。(x=3a,y=3b,z=3c) x^2+y^2+z^2=xyz + 9
x^2+y^2+z^2=xyz+A の解について議論しているようですが、読み切ってはいません。 (整数解についての直接の結論は書いてないようです。)
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No.88572 - 2024/08/11(Sun) 08:50:43 |
| ☆ Re: 整数問題 / IT | | | 下記に本問の解答を含む論文のようです。(英文なので完全には理解していません)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0019357701800367
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No.88575 - 2024/08/11(Sun) 20:08:51 |
| ☆ Re: 整数問題 / IT | | | 上記を本問用に説明すると。
自然数dについて L={(x,y,z)∈N^3|x^2+y^2+z^2=1+dxyz}と定義します。※Nは自然数全体からなる集合を表します。
s(x,y,z)=(dyz-x,y,z),t(x,y,z)=(x,dxz-y,z),u(x,y,z)=(x,y,dxy-z)とおくと
(x,y,z)∈Lについて,s(x,y,z)∈L ,t(x,y,z)∈L ,u(x,y,z)∈L です。(計算して確認してください) これらを(x,y,z)の「隣接解」と呼ぶ。
(定理)Lが空集合でないとき、下記の条件を満たす元がただ一つ存在する(証明は見つけていません) これを「基本解」と呼ぶ。
1≦2x≦dyz,1≦2y≦dxz,1≦2z≦dxy
Lの任意の元は、「基本解」にs,t,uを何回か作用させて到達することができる。
この(定理)を使うと,d=3のときLが空集合であることが示せます。
したがって、a^2+b^2+c^2=3abc+1 を満たす整数a,b,cの組は、(±1,0,0) の型しかないことが言えるようです。
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No.88576 - 2024/08/11(Sun) 22:09:39 |
| ☆ Re: 整数問題 / IT | | | 論文の関係個所を理解し、証明が整理できたので書き込みます。
自然数dについて L={(x,y,z)∈N^3|x^2+y^2+z^2=1+dxyz}と定義します。※Nは自然数全体からなる集合を表します。
(x,y,z)∈Lについて,(dyz-x,y,z)∈L,(x,dxz-y,z)∈L,(x,y,dxy-z)∈Lです。 (計算して確認してください。1≦dyz-xなども要確認です。)
(補題) Lが空集合でないとき、 (x,y,z)∈L(1≦2x≦dyz,1≦2y≦dxz,1≦2z≦dxy)が存在する。 (証明) (x,y,z)∈Lについて、H(x,y,z)=x+y+zと定義する。 3≦H(x,y,z)なのでH(x,y,z)には最小値が存在する。 H(x,y,z)が最小とする。 このとき、(dyz-x,y,z),(x,dxz-y,z),(x,y,dxy-z)∈Lなので H(x,y,z)の最小性から x≦dyz-x,y≦dxz-y,z≦dxy-z ∴2x≦dyz,2y≦dxz,2z≦dxy (QED) Lが空集合でないと仮定すると (補題)から (x,y,z)∈L(1≦2x≦dyz,1≦2y≦dxz,1≦2z≦dxy)がとれる。 対称性から1≦x≦y≦zとする。
x^2+y^2+z^2=dxyz+1 をzについて解くと z={dxy±√((dxy)^2-4x^2-4y^2+4)}/2 2z≦dxyなので、 z={dxy-√((dxy)^2-4x^2-4y^2+4)}/2 y≦zなので、 √((dxy)^2-4x^2-4y^2+4)≦dxy-2y 平方して (dxy)^2-4x^2-4y^2+4≦(dxy)^2-4dxy^2+4y^2 移項して整理し4で割ると dxy^2≦x^2+2y^2-1≦3y^2-1<3y^2 ∴dx<3∴d<3 したがってd≧3のときはLは空集合である。
よって、a^2+b^2+c^2=3abc+1 を満たす整数a,b,cの組は、(±1,0,0) の型しかない。
計算ミス・タイプミスがあるかも知れませんので、確認し補正してください。また行間は埋めてください。
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No.88577 - 2024/08/12(Mon) 11:44:06 |
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