恒等式の逆の確認について質問です。
整式x^100をx^2-1で割った余りを求めよ。
[解答] x^100=(x^2-1)Q(x)+ax+b……?@ ?@にx=−1,1を代入 1=a+b 1=-a+b よってa=0,b=1 求める余りは1
?@は恒等式でx=−1、1を代入したから逆にa=0,b=1の とき、?@が恒等式になるかを調べなくていいのですか。 実際にQ(x)がわからないので、?@の右辺が本当にx^100になるのかを調べるのはできないと思いました。 どの参考書も逆が成り立つのを書いていません。
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No.62786 - 2019/12/25(Wed) 02:12:02
| ☆ Re: 恒等式の逆の確認 / らすかる | | | x^100をx^2-1で割った商をQ(x)、余りをax+bとしたので x^100=(x^2-1)Q(x)+ax+bは恒等式であり、 必ずこの式を満たすa,bがただ一組だけ存在します。 (x^100をx^2-1で割れば商と余りは必ず一つに決まるから) そしてx=-1,1を代入したときにこの式が成り立つのは a=0,b=1の場合のみですから、 x^100=(x^2-1)Q(x)+1は確実に恒等式になります。
# a=0,b=1以外のときはx=-1,1を代入して成り立ちませんので # 恒等式ではありません。そして、x^100=(x^2-1)Q(x)+ax+bの # 形の恒等式が必ず一つ存在しますので、a=0,b=1のときに # 恒等式にならないとおかしいです。
ちなみに、Q(x)は簡単に求められます。 x^100=(x^100-x^98)+x^98 =(x^100-x^98)+(x^98-x^96)+x^96 =… =(x^100-x^98)+(x^98-x^96)+(x^96-x^94)+…+(x^2-1)+1 =(x^2-1)(x^98+x^96+x^94+…+1)+1 ですから、Q(x)=x^98+x^96+x^94+…+1です。
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No.62787 - 2019/12/25(Wed) 04:23:03 |
| ☆ Re: 恒等式の逆の確認 / イブ | | | 必ずこの式を満たすa,bがただ一組だけ存在します。 (x^100をx^2-1で割れば商と余りは必ず一つに決まるから) ↑ なぜですか。
そしてx=-1,1を代入したときにこの式が成り立つのは a=0,b=1の場合のみですから、 ↑ なぜですか。
x^100=(x^2-1)Q(x)+1は確実に恒等式になります。 ↑ なぜですか。
# a=0,b=1以外のときはx=-1,1を代入して成り立ちませんので # 恒等式ではありません。 ↑ なぜですか。
そして、x^100=(x^2-1)Q(x)+ax+bの # 形の恒等式が必ず一つ存在しますので、a=0,b=1のときに # 恒等式にならないとおかしいです。 ↑ なぜですか。
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No.62789 - 2019/12/25(Wed) 10:05:01 |
| ☆ Re: 恒等式の逆の確認 / らすかる | | | > 必ずこの式を満たすa,bがただ一組だけ存在します。 > (x^100をx^2-1で割れば商と余りは必ず一つに決まるから) > ↑ > なぜですか。
(自然数)÷(自然数)の商と余りが一意的に決まるのと同様、 多項式の除算の商と余りも一意的に決まるからです。 具体的にx^100=(x^2-1)Q(x)+ax+bの場合について書くと、 ・まずQ(x)は98次式です。 なぜなら99次式以上だと(x^2-1)を掛けて101次式以上となり、 98次式未満だと100次式未満になるからです。 ・98次の係数は(x^100の係数)÷(x^2の係数)なので1と決まります。 ・Q(x)-x^98に関して同じことを考えれば97次の係数は0、96次の係数は1と決まります。 ・同じことを2次の項まで繰り返せば、Q(x)とax+bはただ一通りに決まります。 (実際に除算を行った答えは上に書いた通りです。)
> そしてx=-1,1を代入したときにこの式が成り立つのは > a=0,b=1の場合のみですから、 > ↑ > なぜですか。
代入すれば1=a+bかつ1=-a+bとなるからです。
> x^100=(x^2-1)Q(x)+1は確実に恒等式になります。 > ↑ > なぜですか。
その下のコメントで書いた理由からです。
> # a=0,b=1以外のときはx=-1,1を代入して成り立ちませんので > # 恒等式ではありません。 > ↑ > なぜですか。
恒等式とは「xに何を代入しても成り立つ式」のことです。 例えば「x=1を代入して成り立たない式」は恒等式ではありません。
> そして、x^100=(x^2-1)Q(x)+ax+bの > # 形の恒等式が必ず一つ存在しますので、a=0,b=1のときに > # 恒等式にならないとおかしいです。 > ↑ > なぜですか。
もしa=0,b=1のときに恒等式にならないとすると、 ・a=0,b=1で恒等式でない ・a=0,b=1以外では恒等式でない(x=-1,1のとき左辺と右辺が一致しないから) により 「Q(x)がどんな式でa,bがどんな値であっても恒等式にならない」 という結論になってしまいますが、これは ・「x^100=(x^2-1)Q(x)+ax+bを満たすQ(x),a,bが存在する」すなわち 「多項式の除算は除数が0でない限り常に可能である」と矛盾するからです。
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No.62791 - 2019/12/25(Wed) 13:41:01 |
| ☆ Re: 恒等式の逆の確認 / イブ | | | らすかるさんの丁寧な説明でよくわかりました。
ちなみに、余りは x^100-5(x^2-1)Q(x)は1次式だから x^100-5(x^2-1)Q(x)=ax+b……?@とおくと、 ?@の左辺はx^100-5(x^2-1)Q(x)は1次式、右辺も1次式だから ?@でxに2個以上の値を代入して成り立ったので、 ?@はxについての恒等式と考えたましたがこれで正しいですか。
以下の私の解答のように考えてもいいですか。
[解答] 整式x^100をx^2-1で割った商をQ(x)とすると、余りは1次式だから x^100-5(x^2-1)Q(x)は1次式となる。 余りをax+bとおくと x^100-5(x^2-1)Q(x)=ax+b……?@ ?@式は必ずxについての恒等式になる。 ?@にx=−1,1を代入して 1=a+b 1=-a+b よってa=0,b=1 ?@の左辺はx^100-5(x^2-1)Q(x)は1次式、右辺も1次式だから ?@でxに2個以上の値を代入して成り立ったので、 ?@はxについての恒等式である。 よって、求める余りは1
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No.62826 - 2019/12/29(Sun) 16:33:31 |
| ☆ Re: 恒等式の逆の確認 / らすかる | | | x^100をx^2-1で割った商をQ(x)としたのなら、 x^100-(x^2-1)Q(x)は1次式となりますが x^100-5(x^2-1)Q(x)は1次式にならないと思います。 この(x^2-1)の前にある「5」はどういう意味ですか?
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No.62829 - 2019/12/29(Sun) 17:37:35 |
| ☆ Re: 恒等式の逆の確認 / イブ | | | すみません。 x^100-5(x^2-1)Q(x)は間違いでした。 x^100-(x^2-1)Q(x)が正しいです。 以下の形で正しいですか。
[解答] 整式x^100をx^2-1で割った商をQ(x)とすると、余りは1次式だから x^100-(x^2-1)Q(x)は1次式となる。 余りをax+bとおくと x^100-(x^2-1)Q(x)=ax+b……?@ ?@式は必ずxについての恒等式になる。 ?@にx=−1,1を代入して 1=a+b 1=-a+b よってa=0,b=1 ?@の左辺はx^100-(x^2-1)Q(x)は1次式、右辺も1次式だから ?@でxに2個以上の値を代入して成り立ったので、 ?@はxについての恒等式である。 よって、求める余りは1
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No.62832 - 2019/12/29(Sun) 18:20:14 |
| ☆ Re: 恒等式の逆の確認 / らすかる | | | 間違いではないですが、以下の3行は不要です。 > ?@の左辺はx^100-(x^2-1)Q(x)は1次式、右辺も1次式だから > ?@でxに2個以上の値を代入して成り立ったので、 > ?@はxについての恒等式である。 # ただし、間違いではありませんので、書いても減点はされないと思います。 上で「?@式は必ずxについての恒等式になる。」と書いていますし、 最初から恒等式を立てているのですから、わざわざ断らなくても恒等式です。 「よってa=0,b=1」からただちに余りは1と確定します。
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No.62838 - 2019/12/29(Sun) 21:37:54 |
| ☆ Re: 恒等式の逆の確認 / イブ | | | 確かに3行は不要ですね。よくわかりました。 たくさん答えていただきありがとうございました。 勉強になりました。
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No.62841 - 2019/12/29(Sun) 21:54:50 |
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