大学数学を勉強しはじめたのですが、内容が難しくわからない部分が多々あります。 以下の問題のやり方や回答を教えていただけると幸いです。
演算: Q における加法と乗法をつぎのように定義する: ⟨⟨x1, x2⟩⟩ + ⟨⟨y1, y2⟩⟩ = ⟨⟨x1y2 + x2y1, x2y2⟩⟩ def ⟨⟨x1, x2⟩⟩ · ⟨⟨y1, y2⟩⟩ = ⟨⟨x1y1, x2y2⟩⟩ def
演習 6.3 Q における加法と乗法が well-defined であることを証明せよ.
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No.62677 - 2019/12/16(Mon) 00:44:05
| ☆ Re: 有理数について / たけし | | | おそらく well-defined の意味が分かっていないのが問題ですね
以下の well-defined じゃない演算☆(※)の例を見ると分かりやすいかも。
⟨⟨x1, x2⟩⟩ ☆ ⟨⟨y1, y2⟩⟩ = ⟨⟨1, x2 + y2⟩⟩
[何故☆がwell-definedじゃないのか] ご存知の通りQの要素は何通りにも表現できます。 たとえば "⟨⟨1, 1⟩⟩ と ⟨⟨2, 2⟩⟩" や "⟨⟨1, 2⟩⟩ と ⟨⟨2, 4⟩⟩" は表現は違いますが同じ要素を表しますね。 ⟨⟨1, 1⟩⟩ = ⟨⟨2, 2⟩⟩ ⟨⟨1, 2⟩⟩ = ⟨⟨2, 4⟩⟩ さて、⟨⟨1, 1⟩⟩☆⟨⟨1, 2⟩⟩を定義(*)に従って計算してみると ⟨⟨1, 1⟩⟩☆⟨⟨1, 2⟩⟩ = ⟨⟨1, 1+2⟩⟩ = ⟨⟨1, 3⟩⟩ となります。ここで ⟨⟨1, 1⟩⟩ = ⟨⟨2, 2⟩⟩ ⟨⟨1, 2⟩⟩ = ⟨⟨2, 4⟩⟩ を使うと⟨⟨1, 1⟩⟩☆⟨⟨1, 2⟩⟩は⟨⟨2, 2⟩⟩☆⟨⟨2, 4⟩⟩と表現しても同じハズです。しかしこれを定義(*)に従い計算すると ⟨⟨2, 2⟩⟩☆⟨⟨2, 4⟩⟩ = ⟨⟨1, 2+4⟩⟩ = ⟨⟨1, 6⟩⟩ Qの要素として⟨⟨1, 3⟩⟩ と ⟨⟨1, 6⟩⟩は異なる要素なので、これは矛盾です。 言い換えると、演算☆の定義らしきものは実は定義になっていないのです。
(*)「定義らしきもの」が本当に定義になっていることをwell-definedであると表現します。 なのでwell-definedでないものは本来「定義」と呼んではいけません。よって☆も定義がないので「演算」と呼ぶのは間違いです。
さて与題に関してですが、この定義らしきものは特定の表現に依存します(正確には依存して見えます)。 なので、どの表現を選んでも同じ結果を返す(特定の表現に依存しない)ことをちゃんと確認してやらないといけません。 これがwell-definednessを確認するという作業です。
具体的には ⟨⟨x1, x2⟩⟩ = ⟨⟨x'1, x'2⟩⟩ ⟨⟨y1, y2⟩⟩ = ⟨⟨y'1, y'2⟩⟩ のとき、 ⟨⟨x1, x2⟩⟩ · ⟨⟨y1, y2⟩⟩ = ⟨⟨x'1, x'2⟩⟩ · ⟨⟨y'1, y'2⟩⟩ が成り立つことをチェックすればいいということです。加法も同様。
あと多分分かっていると思いますが一応。 ⟨⟨x1, x2⟩⟩という表現は、小学校の頃から慣れ親しんでいる x1/x2 という有理数を表すぜという動機から来ています。
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No.62679 - 2019/12/16(Mon) 07:20:00 |
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