統計学の問題です
正規分布に従う母集団の平均が90であるとわかっている。この母集団のうち特定のグループから標本を10個取り出したとき、この標本の平均は88.5、分散が2.5であった。 このグループAの平均は母集団の平均と差があると言えるか。有意水準0.05で検定したい。
この問題で棄却域を求める方法は以下の通りで正しいのでしょうか??
t検定を行う。 自由度9であり、標本平均 X、不変分散 U^2、統計量 t 母平均 μとおくと
棄却域は |t|>t(0.025)*(n-1) となり
|(X-μ)/(√(U^2/n)| > t(0.025)*(n-1)
|(X-90)/(√(25/90))| > 2.262*9
20.358 < 3√10(X-90)/5 , 3√10(X-90)/5 < -20.358
10.737 < X -90 , X-90 < -10.737
100.737 < X , X < 79.263
これが棄却域となり、標本の平均は88.5であり、棄却域には含まれず有意な差があるとは言えない。
この解法で正しいのでしょうか? 統計学が難しくてなかなか理解できません。 統計学に精通されている方、どうかご教授ください。 よろしくお願い致します。
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No.53786 - 2018/09/15(Sat) 16:59:40
| ☆ Re: / 黄桃 | | | なにがなんだかわけがわかりません。
問題設定からして、曖昧です。 >母集団のうち特定のグループから標本を10個取り出したとき、この標本の平均は88.5、分散が2.5であった。
特定のグループというのがわかりませんが、例えば薬の作用の効果を調べるために、薬を飲んだグループをAとでもするのでしょう。 さらに、グループAでのその統計量の分布も正規分布になる、と仮定していて、標本ももちろん無作為抽出なのでしょう。
>t検定を行う。 >自由度9であり、標本平均 X、不変分散 U^2、統計量 t 母平均 μとおくと > >棄却域は >|t|>t(0.025)*(n-1)
不変分散とは何ですか?標本分散とはどう違うのですか? その後の式を見る限り、同じように見えますが、どうなっているのでしょう?
また、nとは何ですか? t(0.025)とは何ですか?それに(n-1)をかけていますが、なぜですか?
どんな定理を使ったのかさっぱりわかりません。
#状況設定を曖昧にして機械的に数値だけを入れて結果を出しても意味はありません。
結論をみると、
>100.737 < X , X < 79.263 >これが棄却域となり、
となっていますがどう考えてもおかしいでしょう。 なぜなら、標本分散が 2.5 なのですから、母集団の分散もそれに近いはずで、したがって、標準偏差σは√(2.5)=1.58...くらいです。3σでも6を越えません。90±6 で99%以上の範囲を表すと考えられるのに、それよりもっと大きな範囲(μ±6σくらい)が95%以内というのはどう考えてもおかしいです。
私の持っている本には、 「Xは平均μ、分散σ^2 の正規分布に従うとする。Xから抽出された大きさnの無作為標本に基づく標本平均と標本分散をm,s^2 とする。すると、 T=(m-μ)√(n-1)/s は自由度n-1の(スチューデントの)t分布に従う。 t(0.05)を|T|>t(0.05)である確率が0.05となるようなTの値とすれば |(m-μ)√(n-1)/s|<t(0.05) なる確率は0.95である」 とあります。
#確かに手元のt分布表でも自由度9のt分布で、T>t(0.025)となる確率が2.5%となるTの値t(0.025)は2.262ですから、 #|T|>t(0.05)である確率が0.05となるようなTの値は2.262で合っています。
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No.53797 - 2018/09/16(Sun) 03:25:30 |
| ☆ Re: / IT | | | 横から失礼します。 > 不変分散とは何ですか?標本分散とはどう違うのですか? 「不変分散」は「不偏分散」のまちがいでしょうね。 統計は よくわからないので手持ちの本に書いてあることですが、 「母分散が未知の場合は、母分散の推定として"不偏分散"U^2=nS^2/(n-1) を用いる」とあります。 n:サンプル数、S^2:標本分散
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No.53808 - 2018/09/16(Sun) 22:27:32 |
| ☆ Re: / 黄桃 | | | >「母分散が未知の場合は、母分散の推定として"不偏分散"U^2=nS^2/(n-1) を用いる」
標本分散でなく不偏分散が最尤推定量になるのはその通りですが、それとこの問題は関係ありません。 この問題では、小標本分布ですから、母集団の分散σ^2にどんな推定量を用いても誤差が大きくなりすぎる、というのがポイントです。
とりあえず手元の本にある定理だけ書いておきます。 定理:Uは平均0,分散1の正規分布に従い、V^2は自由度νのχ^2分布に従うとし、さらにUとVが独立に分布するとすれば、変数 T=U√ν/V は次のようなスチューデントのt分布に従う。 f(t)=c(1+t^2/ν)^(-(1/2)(ν+1)) (cは定数、具体的には c=Γ((ν+1)/2)/(√(πν)Γ(ν/2)))
この定理を使って U,Vに登場する母集団のσを「約分」してしまえば、σが未知のままでOKなのがミソです。
詳しいことは数理統計学の本をご覧ください。
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No.53825 - 2018/09/17(Mon) 07:32:32 |
| ☆ Re: / IT | | | 「統計学入門(稲垣宣生、山根芳知、吉田光雄共著、裳華房)」の 平均の検定ー母分散未知の場合が適用できると考えてやってみます。
先ほども書きましたが、「統計学入門」を要約すると ・母分散の推定として、不偏分散"U^2=nS^2/(n-1) を用いる。 ・標本平均に関して統計量T=(X-μ)/√(U^2/n)=(X-μ)/√(S^2/(n-1))を用いれば 、これは自由度n-1のティー分布をするので、平均値の検定を行うことができる。
(例題)A県の6才児の平均身長は108.6cmである。 A県のB小学校の6才児のうち27名について調べたところ平均身長109.7cm,分散3.98であった。 この結果からB小学校の6才児の平均身長は県平均に比べ高いといえるか。
[解] 問いに平均身長は県平均に比べ高いといえるか、とあるからといって片側検定にしてはいけない。・・・・(中略) 2つの仮説を 帰無仮説 B小学校の6才児の平均身長=県平均 対立仮説 B小学校の6才児の平均身長≠県平均 と設定するが、母分散が未知であるので、ティー分布を用いる。 (以下解略) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(本問の場合 上記例題の解を真似て解くと) 帰無仮説 グループAの平均=母集団の平均=90 対立仮説 グループAの平均≠母集団の平均=90 と設定し 母分散が未知であるので、ティー分布を用いる
t=(X-μ)/√(S^2/(n-1))
有意水準0.05。自由度はn-1=10-1=9であり、棄却域は両側検定なので {t||t|>t[9](0.05)=2.262}となる。
tの実現値を求めると t=(88.5-90)/(√(2.5/9))= -2.846・・となり これは棄却域に含まれ,帰無仮説棄却となる。 すなわち、このグループAの平均は母集団の平均と差があるようである。
(注)使用している用語・記号について説明していないものもありますが、全体から分かっていただけるかと思います。 お使いのテキストに合わせて変えてください。 計算は御自分で確認してください。
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No.53834 - 2018/09/17(Mon) 13:15:55 |
| ☆ Re: / 黄桃 | | | なるほど、統計量T=(X-μ)/√(U^2/n)=(X-μ)/√(S^2/(n-1))が、自由度(n-1)のt分布になることの説明として >母分散の推定として、不偏分散"U^2=nS^2/(n-1) を用いる。 となっているのですね。
#推定できるなら、なぜそのまま正規分布にもちこまないのか?という疑問が残ります。
私が引用した一般的なt分布の定理を使うと以下のようになります。 結論は同じことですが、「推定」には違和感があります。
U=(m-μ)/(σ/√n) (mは標本平均), V^2=nS^2/σ^2 とすると、 U,Vは独立に分布し、Uは平均0,標準偏差1の正規分布, V^2は自由度(n-1)のχ^2分布に従うから 定理により、U√(n-1)/V(=(m-μ)√(n-1)/S;ITさんの書かれているTと同じ)が自由度(n-1)のt分布になります。
母数σを一切推定する必要がないのがこの統計量のいいところなので、σの推定として不偏分散を使う、という説明(解釈?)は誤解を招くと思います。
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No.53835 - 2018/09/17(Mon) 17:44:05 |
| ☆ Re: / IT | | | > 結論は同じことですが、「推定」には違和感があります。
「母分散の推定として、不偏分散"U^2=nS^2/(n-1) を用いる。」というのは、前記テキストからそのまま引用しています。、
また、下記、京大数学教室重川一郎教授(確率論)の「数理統計」の45〜46ページ2. 正規母集団の検定にも「分散の推定値としてU^2=(1/(n-1))(....)を使う。」とありますから、この文脈で「推定」という表現を使うのは、数理統計学では、おかしくないようです。
https://www.math.kyoto-u.ac.jp/~ichiro/lectures/07st.pdf
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No.53839 - 2018/09/17(Mon) 21:36:26 |
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