またお世話になります。微分積分の記号についてです。 問題を解いていると, 置換積分の時に x = t^2 - 1 と置換して dx/dt = 2t から, dx = 2t dt という記述を見ました。 dx/dt などは記号ではなく, dx = 微小なxの変化, dt = 微小なtの変化などの意味のある値が与えられていて, 実際の分数として扱えるということですか? それとも 逆関数の微分, 合成関数の微分などから, 分数的性質を満たすと考えられ, ”分数のように”扱われているだけですか? dx/dy や∫f(x)dx などのこれらの記号は, 記号ではなく実際に文字として扱えるのはどうしてでしょうか。 どなたか解説していただきたいです。
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No.84488 - 2023/01/05(Thu) 11:28:39
| ☆ Re: 数3 微積分 / 黄桃 | | | 解説するにはそれこそ17世紀以降の微分と積分の歴史を説明することになり、とても無理です。
物理屋さんなら、「その通り。 dt とか dx とかはΔt, Δx と読みかえて「とても小さな量」とみなしていればOK」というでしょう。
y=f(x)の時、xがΔxだけ変化するとyはΔyだけ変化する、その割合を Δy/Δx という、としても高校で扱う内容ならほぼ問題ないです。 Δxが非常に小さければ、実用上はそのままで問題ありません(実生活では、有効数字なんて3桁もあれば十分でしょう)。 具体的にいくつかの関数で電卓で計算してみれば、納得できるでしょう。
積分もそうでy=f(x)と、x軸、x=a、x=b、で囲まれる部分の面積∫[a,b]f(x)dx もxの刻み幅Δxを非常に小さくしてx,x+Δx,f(x+Δx),f(x)が作る長方形の面積を足し合わせれば、実用上は求まるでしょう。 (∫[a,b]f(x)dx=Σ_[x=a,b] f(x)*Δx; ここで xは a, a+Δx, a+2*Δx, ...., でbの直前までをとる) いろいろな記号も、こうした過程で考え出され、使われてきました。
扱う対象(関数)が増えていくうちに、直観では簡単にわからないようなことも出てくることになり、数学では、これまでの考え方を抽象化(一般化)し、厳密に定義しなおしました。下で質問されている極限もその1つです。 もちろん、それまでに直観的に導かれる現象はすべて理論的に裏付けができるような定義にしたのです。 なので、数学で使うこれらの記号(というか記法=書き方)は、直観的なΔxではなく、厳密な定義としての記号として使っています。だから、高校数学の教科書では dy/dx とか ∫* dx という形でしか出てきません。
ですが、古典的な直観のイメージなしに、厳密な定義をみてもまったく意味がわからないでしょうから、高校ではまず古典的な直観に基づいた微積分を習っていて、記号の厳密な意味は説明していません。
というわけで、高校の微積分の内容は、記法だけは厳密厳格なのに、説明は古典的直観的アプローチという中途半端な状態になってます。 これは本来は厳密な理論があるんだけど、高校では教えられない、どうしよう、という妥協の産物なのかもしれません。
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No.84492 - 2023/01/06(Fri) 08:00:22 |
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