不動直線に関することについて教えてください。
高校レベルの参考書の記述内容でわからないところがあり、投稿させていただきました。
参考書の記述内容
簡単のため、ベクトル、→p, (→p_0) , →u をそれぞれp, (p_0) , u と記述させていただきます。また、→0と0は分けて、簡略化せず記述します。
直線lのベクトル方程式を l: p=(p_0)+tu とおく。 このとき、lのfによる像l’は、Ap=A(p_0)+tAuである。 2直線lとl’が一致するためには、lとl’が平行であり、かつ1点を共有すればよい。
このことから次のことが成り立つ。
直線l: p=(p_0)+tu が、1次変換Aの不動直線である。 ?@ ⇔ Au//u (Au≠→0、すなわち Au=λu なる0でない実数λが存在する)、 かつA(p_0)が直線l: p=(p_0)+tu 上の点である。 ?A ⇔ uは、Aの(0でない実数の固有値の)固有ベクトルであり、 (p_0)は (A(p_0)-(p_0))//u をみたす ?B
このことより、次の定理を得る。
行列Aが0以外の実数の固有値をもたないとき、行列Aによる1次変換fは不動直線をもたない。
以上が参考書の記述です。 ?@から?Bの番号は質問のため付けました。本文にはありません。
お伺いしたいことは以下の通りです。
(1) ?@から?Bの文章の流れ、構造について(読解力に自信がないのでお恥ずかしいのですが教えてください。)
?@である。ということは?Aと?Bということである。と言っていて、 ?@を説明するために「2直線lとl’が一致するためには、lとl’が平行であり、かつ1点を共有すればよい。」という文章から、?Aを導きだし、?Aから?Bを導き出している。という理解でよいのでしょうか?
(2) また、上記の文章から?Aを導き出しているという前提でお伺いします。
「lとl’が平行であり」という文章が、「Au//u (Au≠→0、すなわち Au=λu なる0でない実数λが存在する)」に関連し、 「1点を共有すればよい。」という文章が、「A(p_0)が直線l: p=(p_0)+tu 上の点である。」 に関連していると考えています。 その場合、前半がわかりません。2つの直線が平行であるから、それぞれの方向ベクトルも平行である。そのため、Au//u というのは理解できます。ですが、その後のカッコ内のところが理解できません。 「Au≠→0、すなわち Au=λu なる0でない実数λが存在する」の 「Au≠→0」はどこからきて、また、「Au≠→0」からどうやって、「すなわち Au=λu なる0でない実数λが存在する」ということが導き出せるのでしょうか?
(3) ?Aから?Bについて
?Aの前半の「Au=λu なる0でない実数λが存在する」ということから、 ?Bの前半の「uは、Aの(0でない実数の固有値の)固有ベクトルであり」ということが、固有ベクトルの定義から導き出されていると考えています。
?Aと?Bの後半の「A(p_0)が直線l: p=(p_0)+tu 上の点である」から、「(p_0)は (A(p_0)-(p_0))//u をみたす」ということはどうやって導き出されているのでしょうか?
(4) 定理の「行列Aが0以外の実数の固有値をもたないとき、行列Aによる1次変換fは不動直線をもたない」というのは、?@から?Bの議論からどうやって、また、どこを使って導き出されるのでしょうか?
以上です。(途中、わからないことのほかに、私がそう認識、理解しているということを書かせていただきました。そちらの方でも誤りがありましたら、ご助言ください。)
長文となりましたがこれらがお伺いしたい、ご助言を頂きたいことです。誤りや勘違いなど多々あるかと思いますが、ご助言をいただき、勉強させていただければありがたいと思います。 よろしくお願いいたします。
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No.50474 - 2018/05/19(Sat) 01:18:32
| ☆ Re: 不動直線(高校レベル)について / 黄桃 | | | #もう高校では1次変換をやってないのではないですか?
(1)についてはそれでいいと思います(正確には、?@⇔?Aを示し、?A⇔?Bを示したのだから、合わせて?@,?A,?Bはどれも同じこと、と言っています)。
(2)について。 Auはl'の方向ベクトルですから、0になってはまずいのです。 もし、Au=0 になれば、lのAによる像は1点になります。 高校レベルでは「平行」といった場合、0ベクトルは除くと考えるのが普通で、その参考書でも x//y と書いたらx,yはいずれも0ベクトルでない、という前提があるのでしょう。x,yいずれも0ベクトルでなければ一方が他方の0でない定数倍になるのはいいでしょう。
(3)について。 ここは確かに上のように平行という言葉を解釈をするとおかしいですね。 A(p_0)-(p_0)が0ベクトルであるか、そうでないならuと平行、と書くべきです。 内容的には、(p_0)のfによる像A(p_0)が l上にある、といっているのですから、 A(p_0)=(p_0)+tu となるtが存在する、つまり、 A(p_0)-(p_0)=tu とかける、 というわけです。ただし、ここでtは0かもしれません。 なので、A(p_0)-p_0 は 0ベクトル(t=0の時)かuと平行(t≠0の時)、ということになります。
#もしかすると、その参考書では0ベクトルはどんなベクトルとも平行という定義を #採用しているかもしれません。そうならAu≠0はカッコに入れるべきではなく、 #?Aははっきりと「Au=λuとなる0でない実数λが存在する、かつ...」と書くべきです。
(4)について 「行列Aが0以外の実数の固有値をもたないとき、行列Aによる1次変換fは不動直線をもたない」とは、 「行列Aが0以外の実数の固有値をもたない ⇒ 行列Aによる1次変換fは不動直線をもたない」という意味ですから、対偶をとれば 「行列Aによる1次変換fは不動直線をもつ ⇒ 行列Aは0以外の実数の固有値をもつ」 であり、これをまさに今示した(?@ ⇒ ?Bの前半)のですから元の命題も正しいわけです。
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No.50527 - 2018/05/21(Mon) 01:46:43 |
| ☆ Re: 不動直線(高校レベル)について / テトラポット | | | ご返信ありがとうございます。 返信内容を読ませていただき、大変参考になり、理解が進みました。ありがとうございました。 1次変換が高校の範囲ではないというご指摘ですが、いまは範囲ではないのですね。確認しておりませんでした。すみません。行列の延長だと思っていました。 使っている参考書を確認したら、新版になって発売されたのが2014年で比較的新しいと勘違いしていましたが、最初に出たのは29年前だったようです。 大変失礼しました。 長くなりましたが、ご返信頂き本当にありがとうございました。
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No.50541 - 2018/05/22(Tue) 01:00:57 |
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