記事No.29150 でn→∞、a(n) = αであるとき、a(n) > p ならば α ≧ pの証明を質問したrikoです。 そこで否定の作り方がまちがっていることを指摘され、勉強してみました。 ところが、記号を使って否定を作ってみたら、変になってしまいました。
どこがおかしいのですか?
n→∞、a(n) = αであるとき、a(n) > p ならば α ≧ p
P:=n→∞、a(n) = α Q:=a(n) > p R:=α ≧ p と置く
証明したいことは P(Q⇒R) と書ける
その否定は ¬(P(Q⇒R)) ¬P¬(Q⇒R) ¬P¬( ¬Q∨R) ¬P¬( ¬Q∨R) ¬P( Q∧¬R) となる
P:=n→∞、a(n) = α =数列a(n)がα収束する定義は正の任意のεに対して、ある自然数Nが存在してN以上のnについて|a(n)-α|<ε =∀ε>0, ∃N>0 s.t. ∀n≧N, |a(n) -1|<ε
だから、Pの否定は ¬P=¬(∀ε>0, ∃N>0 s.t. ∀n≧N, |a(n) -α|<ε) =∃ε>0, ¬(∃N>0 s.t. ∀n≧N, |a(n) -α|<ε) =∃ε>0, ∀N>0 ¬( s.t. ∀n≧N, |a(n) -α|<ε) =∃ε>0, ∀N>0 s.t. ∃n≧N, ¬(|a(n) -α|<ε) =∃ε>0, ∀N>0 s.t. ∃n≧N, |a(n) -α|>ε となる
Rの否定は ¬R=¬(α ≧ p) =α < p となる
だから Q∧¬R=(a(n) > p)∧(α < p))
したがって ¬P( Q∧¬R)= (=∃ε>0, ∀N>0 s.t. ∃n≧N, |a(n) -α|>ε)(a(n) > p)∧(α < p) がえられ、これが成り立たないことを示せばよい。
ある正のεに対して、全ての自然数Nが存在してN以上のnについて、|a(n) -α|>εのとき a(n) > p、かつ、α < p
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No.29247 - 2014/10/07(Tue) 17:28:38
| ☆ Re: イプシロンデルタ論法の正の任意のイプシロン2 / 黄桃 | | | >証明したいことは >P(Q⇒R) >と書ける
これが根本的に違います。示すべき命題は
n→∞、a(n) = αであるとき、a(n) > p ならば α ≧ p
ですが、これが数列{a[n]},実数α,pにかかわらず真というのが主張ですから、論理記号を省略せずに書けば ∀α∀p∀{a[n]}((lim_[n→∞] a[n]=α) ∧ (∀n a[n]>p) )⇒ α≧p です。
P,Q,Rと書くなら、より正確には P(a[n],α):=n→∞、a(n) = α (数列{a[n]}とαを決めると真偽が決まる命題) Q(a[n],n,p):=a(n) > p (数列{a[n]}と添え字番号n とpを決めると真偽が決まる命題) R(α,p):=α ≧ p (αとpを決めれば真偽が決まる命題) とおくと、 ∀α∀p∀{a[n]} (P(a[n],α)∧∀n Q(a[n],n,p)) ⇒ R(α,p) となる、です。
#「Aの時、BならばC」 は A⇒(B⇒C) とみてもいいですが、 #A⇒(B⇒C)= ¬A∨(B⇒C)=¬A∨(¬B∨C)=(¬(A∧B))∨C=(A∧B)⇒C #なので、結局 (A∧B)⇒C と同じです。これはA∧(B⇒C)とは異なります。 #なぜなら、Aが偽の時A∧(B⇒C)は偽ですが、(A∧B)⇒Cは真です。 #〜の時、というのは〜を仮定する、程度の意味です。
したがって、この否定は ∃α∃p∃{a[n]} (P(a[n],α)∧∀n Q(a[n],n,p))∧(¬ R(α,p)) つまり、 ∃α∃p∃{a[n]} (lim_[n→∞] a[n]=α) ∧ (∀n a[n]>p) ∧ (α<p) です。 この否定命題で存在を保証されたα、p, {a[n]}が、そのあとの3つの仮定をみたす、というのが背理法の始まりです。
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No.29260 - 2014/10/08(Wed) 07:49:35 |
| ☆ Re: イプシロンデルタ論法の正の任意のイプシロン2 / riko | | | No.29264 - 2014/10/08(Wed) 17:59:26 |
| ☆ Re: イプシロンデルタ論法の正の任意のイプシロン2 / riko | | | 真理表の作り方から勉強し直してみました。 これで合っているでしょうか? おねがいします。
> これが根本的に違います。示すべき命題は > n→∞、a(n) = αであるとき、a(n) > p ならば α ≧ p これは日本語の問題ですね。 条件1: n→∞、a(n) = α、条件2:a(n) > p、結論:α ≧ p だから、条件1と条件2が両方が成り立つとき、結論が得られる。 だから、 > ですが、これが数列{a[n]},実数α,pにかかわらず真というのが主張ですから、論理記号を省略せずに書けば > ∀α∀p∀{a[n]}((lim_[n→∞] a[n]=α) ∧ (∀n a[n]>p) )⇒ α≧p となる。
> #なぜなら、Aが偽の時A∧(B⇒C)は偽ですが、(A∧B)⇒Cは真です。 A∧(B⇒C)を調べることは、n→∞、a(n) = αであるとき、a(n) > p ならば α ≧ pを調べたことにならない。 そもそも、違う命題だから。 それは、 n→∞、a(n) = αでありa(n) > pでない、もしくは n→∞、a(n) = αであり α ≧ pが成立する となってしまうから。
> この否定命題で存在を保証されたα、p, {a[n]}が、そのあとの3つの仮定をみたす、というのが背理法の始まりです。 これは、否定されてない命題と否定された命題では、どちらかが真でもう一方が偽となるから、P⇒Q=¬P∨Qの真偽を調べるためには、P⇒Qの否定を調べればいい。 だから、前のスレッドでやってしまった P⇒¬Q=¬P∨¬Q=¬(P∧Q) を調べるということは、P⇒Qの真偽を調べたことにならない。P⇒¬QはP⇒Qの余事象になっていない。
どうしてもわからなかったのが > P(a[n],α):=n→∞、a(n) = α (数列{a[n]}とαを決めると真偽が決まる命題) > Q(a[n],n,p):=a(n) > p (数列{a[n]}と添え字番号n とpを決めると真偽が決まる命題) > R(α,p):=α ≧ p (αとpを決めれば真偽が決まる命題) P(a[n],α)にはnが独立変数とはならず、Q(a[n],n,p)ではnが独立変数となっていることです。 a[n]はnに依存しているから、P(n,α)、Q(n,α)では?とも思ってしまいました。
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No.29295 - 2014/10/14(Tue) 19:42:31 |
| ☆ Re: イプシロンデルタ論法の正の任意のイプシロン2 / riko | | | 背理法ですけど、P⇒Q=¬P∨Qの真偽を調べるためには、P⇒Qの否定P∧¬Qを調べればいいとかきました。
考え直してみたら、数学ではPを定義や仮定や条件とすることが多いので、そのようなときにはPは真としてやれ、Pが真の時だけを調べればいいのでは?。
そうすると、P⇒¬Qが真ならP⇒Qは偽、P⇒¬Q偽がならP⇒Qは真、つまり、P⇒Qの真偽はQの真偽に左右されるから、 P⇒¬Q=¬P∨¬Q=¬(P∧Q) を調べればいいのでは?とも思ってしまいました。 この考えは間違っているでしょうか?
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No.29326 - 2014/10/16(Thu) 18:47:40 |
| ☆ Re: イプシロンデルタ論法の正の任意のイプシロン2 / 黄桃 | | | >P(a[n],α)にはnが独立変数とはならず、Q(a[n],n,p)ではnが独立変数となっていることです。 >a[n]はnに依存しているから、P(n,α)、Q(n,α)では?とも思ってしまいました。
このa[n]のnは、関数f(x)と書いてもxに意味がないのと同じで、数列{a[n]}という意味で書いています。P,Qでa[n]と書いたnは他の任意の文字(m,n,x,y等々)に置き換えても意味を持つことを確認してください。 a[100]などの個別の値は数列とその添え字100を与えて決まります。a[n]>p というのは、a[1]>p ∧ a[2]>p ∧ ... という意味であり、個別の値がすべてpより大きいことを示しています。 確かに、Q(a[n],n,p)よりは、Q({a[n]},m,p)とでも書いた方が適切でしたね。
>P⇒¬QはP⇒Qの余事象になっていない。 余事象が否定の意味であればその通りです。
>そのようなときにはPは真としてやれ、Pが真の時だけを調べればいいのでは?。 この「そのようなとき」というのが何のことかわかりませんが、「P⇒X」を証明するときはPが真の場合のみを仮定してXが示せればいい、という意味ならその通りです。Pが偽なら「P⇒X」は真ですから、示すまでもないからです。
>P⇒¬Qが真ならP⇒Qは偽 とはなりません。『「Pが真」かつ「P⇒¬Qが真」ならば、「Qは偽」』はいえます(そして「Qが偽」なら「P⇒Qは偽」です)が、「P⇒¬Qが真」だからといって、PやQの真偽は不明です。条件文が真であるときわかるのは、あくまでも P,Qの相対的な関係だけです。
まとめますと、 P⇒Q を示す場合次のことが言えます。 (1) 直接証明する場合は、Pが真と仮定してQが結論されることを示せばよい。 (2) 背理法で証明する場合は、(¬(P⇒Q))⇒O (Oは矛盾)を示せばよい。そのためには、¬(P⇒Q)(=P∧¬Q)が真と仮定して矛盾が結論されることを示せばよい。
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No.29372 - 2014/10/19(Sun) 18:39:39 |
| ☆ Re: イプシロンデルタ論法の正の任意のイプシロン2 / riko | | | お返事ありがとうございます。 早速考えさせていただきます。
気になったのが、背理法は対偶証明と同じという記述を見ます。 しかし、真理表を確認すると違います。 背理法は対偶証明と同じなのでしょうか?
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No.29375 - 2014/10/19(Sun) 19:28:30 |
| ☆ Re: イプシロンデルタ論法の正の任意のイプシロン2 / 黄桃 | | | 既に内容が元の質問とは無関係です。
>気になったのが、背理法は対偶証明と同じという記述を見ます。 具体的にどんな記述ですか?ここでいう「同じ」とはどういう意味ですか?
>しかし、真理表を確認すると違います。 意味不明です。背理法では真といえるが、対偶証明だと偽といえる命題があるということですか?そんなことはありません。
背理法はAという命題を示すのに、それと同値な (¬A)⇒O (Oは矛盾)を示す証明法です。特にAがP⇒Qという条件文であれば、¬Aは P∧(¬Q)です。 対偶法は P⇒Qを示すのに、これと同値な(¬Q)⇒(¬P)を示す証明法です。 P⇒Q と (P∧(¬Q))⇒O と (¬Q)⇒(¬P) はいずれも同値であることを真理表で確認してください。
>背理法は対偶証明と同じなのでしょうか? 同じ、の意味がわからないので答えようがありません。
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No.29378 - 2014/10/19(Sun) 23:46:48 |
| ☆ Re: イプシロンデルタ論法の正の任意のイプシロン2 / riko | | | ご指摘ありがとうございます。 真理表の作り方から勉強し直します。
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No.29382 - 2014/10/20(Mon) 10:43:21 |
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